ΔLOOPXの概要

作成日: 2012年10月20日
更新日: 2014年1月18日


 ΔLOOP7と言う同調型のアンテナと、ΔLOOP9あるいはΔLOOP10と言ったような非同調のアンテナの2種類を製作してまいりましたが、2台のアンテナの長所短所がそれぞれあるため、時には狭いマンションのベランダに2基のアンテナエレメントが並んで狭くなったり、室内と室外のケーブルが非常に多くなって困っていました。それでは、と言うことで、1つのエレメントを同調と非同調に切り替えて使えるようなアンテナができれば、それぞれの良いとこ取りができるし、マンションのベランダも煩雑にならない、また室内と室外を結ぶケーブルの本数も減らしたいと言うことがきっかけでこのアンテナを製作することを考えました。

 ΔLOOP10以降もさまざまな非同調型アンテナにトライしてみましたが、あまり良い成果は出ませんでした。それと、非同調型アンテナを使用していると、時々、同調型アンテナのチューニングを合わせた時の、信号が「グググッ」と上がる感触が忘れられず、また、同調型の感度の良さもやはり良いものであると思いました。よって、1局をとことん聴きたいという、いわゆる「1本釣り」の時には、手軽に同調型に、また、パラチェックとかPerseus受信機を使用する時においては、手軽に非同調型にと、1本のアンテナエレメントを自由自在に室内から切り替える事ができるアンテナを目指しました。

 つまり、結論から言いますとΔLOOP7とΔLOOP9を1台に組み込んだアンテナを作る事でした。しかしながら、単純に2台のアンテナを1つの箱に入れると言うことではなく、それを実現するためには室内と室外を結ぶ配線が非常に増加してしまう事を、何とか解決する事が実現のためになくてはならない技術であると思いました。その時に思い出したのが、「AAA-1」と言うキットで販売されているアンテナの事でした。
 このアンテナは、室内と室外の間をLANケーブルを用いて接続しています。LANケーブルについて詳しく調べていきますと、内部は4組のツイストペアーで構成され、合計8本のリード線が1本化されているケーブルと言うことがわかりまして、では、このツイストペアにどのようにしたら受信した信号をきれいに伝送できるか?を考えました。結論は、仕事柄良くお世話になっているHDMIやLVDSと言うようなシリアル伝送方式に良く使われる「差動伝送方式」を採用する事でした。これについては後で詳しく述べてみましょう。

1.このアンテナの特徴
ΔLOOPXのコンセプトは上記のとおり、「同調型、非同調型を1本のアンテナエレメントで切り替えて使える磁界型LOOPアンテナ」です。
更に、2013年4月の改善にて中波帯も三角形の1TURNのアンテナで受信できるように対応しました。
それぞれの良い所を活かして、自由自在に室内から切り替えて手軽に受信活動ができるものです。

2.ΔLOOP7とΔLOOP9の項目別比較
さて、今一度、同調型のΔLOOP7と非同調型のΔLOOP9を比較してみましょう。以下の表のようになります。

比較項目
ΔLOOP7
ΔLOOP9
エレメント形状
1辺1mの三角形、1TURN巻き 同左
受信周波数範囲
2200kHz〜21300kHz
50kHz〜40MHz
感度
1本釣りでローバンドを聞いた場合はS/Nが良
い感じ、ゲインも高い。
ハイバンドではゲインがやや上がりすぎの傾
向。
全バンドにわたって同じゲイン、ノイズもあまり変
化無し、ΔLOOP7に比較すると20〜30dB程ノイズ
フロアが低いが、ゲインは高くない。
ハイバンドでは実用的であるが、ローバンドではゲ
インが今一歩。
同調操作
不要
室内外のBOXの接続
同軸ケーブル+2芯スパイラルケーブル 同軸ケーブル1本のみ
回路動作電圧
12V (15V程度のACアダプターが必要) 10V (12Vの入手しやすいACアダプターでOK)
複数台のRXの同時接続
不可(同じ周波数を聴くならOK) 可(違った周波数も1基で聞ける)

というような比較になりまして、主に19mbより低い周波数では圧倒的にΔLOOP7が聴きやすく、それより高い周波数ではΔLOOP9が聞きやすい感じです。また、パラチェック等の時にはΔLOOP9にすると複数のRXでパラに違う周波数をモニターできます。それぞれに、長所短所がありますが、それぞれが上手く補完関係になっており、両方を1台のアンテナで実現する事は、かなりのメリットがありそうです。

3.差動伝送とは?
さて、ΔLOOP7とΔLOOP9を一緒に組み込むとどれだけ配線が必要かといいますと、電源、GND、差動信号2本、同調非同調切り替え信号、同調側のHigh/Low切り替え信号、同調型の同調電圧の、合計7本の信号が必要となります。LANケーブルには8本の線が入っています。何とかなりそうです。とりあえず余っている1本はGNDとしました。以下にケーブルの構造を示します。
  
上記の図面のように、1と2、3と6、4と5、7と8はツイストケーブルとしてねじって巻かれており、どれかのペアを1組使って、差動伝送をします。その他の余った線を使って制御信号を送る事にします。また、信号を送る差動伝送は以下の図のとおりです。

例えば、今回は7と8のペアを使って差動伝送を行っています。7のラインが上で、8のラインが下だと思ってください。それぞれのラインには反転した形の電圧信号を伝送します。一般的に室内と室外にケーブルを張りますと、ケーブル全体にコモンモードと言うノイズを受ける事になります。このコモンモードノイズは7と8のライン両方に同じ位相で乗ります。つまり、室内BOXでこの差動信号を受け取る時に、引き算をする形で信号を受け取れば、信号だけ取り出せ、コモンモードノイズは消えてしまうことになります。このために、今回はΔLOOP7とΔLOOP9に使っていた差動を取るためのトロイダルコアに更にもう1本線を加えた、「クアッドファイラ巻き」を採用し、室内BOXで信号を受け取るには、「トライファイラー巻き」のトロイダルコアで受け取る事といたしました。

4.LANケーブルの種類について
LANケーブルの種類については現在市販されているものは、CAT5〜CAT7と言うような種類があります。以下、サンワサプライ株式会社のHPに出ていた比較表です。

どうやら外部ノイズ等を考えれば、CAT7(カテゴリー7)のLANケーブルを使用するのが一番安心のようです。CAT7のLANケーブルにはフラット品と言う厚さが薄いものもあり、マンション等ではこのケーブルがよさそうです。制限が無い場合は、より線が引き回し性も良く良好であると思います。私は、サンワサプライの「KB-FL7-07BK」と言う7mのケーブルを用いております。

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