僕のママ


俺はどんよりした気持ちで目覚めた。寝たまま天井を見上げるといつもと違う景色が目に
飛び込んできた。 あれ? ここはどこだ? なんでソファーの上で寝てるんだ?
しばらく周りを眺めていると自分がどこにいるのかが徐々に分かってきた。
そうだ、 昨日、付き合っていた彼女と喧嘩別れして、その勢いで初めて立ち寄ったこの
小さなスナックで大酒を食らってたんだ。途中までは覚えていたけどそのまま眠ってしま
ったんだな。 おや? あれは?
俺が目にしたのは、カウンターでコーヒーメーカーでコーヒーを作っている一人の女性だ
った。彼女は俺が目が覚めたのを確認してコーヒーを持ってこちらに向かってきた。
「おはよう。お目覚めのようね」
その声、その顔。昨日飲みながら俺の話を聞いてくれたこの店のママだ。
「あ、ママ。ごめん、僕酔ったまま眠っちゃったみたいだね」
「ずいぶん荒れてたわね。彼女の愚痴ばかり言ってたもの」
げっ、俺ってそんな事まで喋ってたのか。まあ、いいけど。でもこのママってなにか母親
っぽい雰囲気を受けるんだよね。だからべらべら喋ってしまったのかもしれないな。
「僕、そんな事まで言ってたの?」
「ええ、でもあなたがまだ話足りなそうだったから私も最後まで付き合ってあげたのよ。
でも結局話疲れたのか途中で眠っちゃったわ。他のお客さんも店の女の子も帰っちゃって
店に残ってたのは私とあなただけだったから別にいいけど。初めてのお客さんだから本当
なら叩き起こして帰ってもらうんだけど、あなたの寝顔を見てたらなんだか起こすのが可
哀相になって、それでそのまま寝かせてあげたのよ。ところであなたのお名前まだ聞いて
なかったわね」
「ああ、そうだった。僕は矢口優一郎っていうんだ」
「お仕事は何してるの?」
「高校を卒業してからすぐ調理師専門学校に1年通って、本当は小さな料理屋かどこかで
働こうと思ったんだけどなかなかそういう所が見つからなくて、結局今はフリーターなん
だ」
「じゃあ、今20歳くらいかしら?」
「うん、先月20歳になったばかり」
このママっていくつなんだろう。若く見えるけど化粧の所為か?
「でもママも若いんじゃないの?」
「うふふ、ありがとう。でも42歳なのよ。もうおばさんなの」
えっ? 42歳? 俺てっきり30歳そこそこかと思ってた。うーん、女って恐い生き物だ。
「じゃあ、結婚してるんだね」
「一度はね。でも別れちゃったの。娘も一人いたけど、前のダンナが引き取っていっちゃ
ったしね。だから今は一応独身かな」
ママは別に悲しそうな雰囲気でもない。良かった〜
「そうだ、お勘定払わなくちゃ。それに泊めてもらったお礼も」
ママは何やら薄ら笑いをしている。おいおい、まさかボッタクリか〜?
「あなたフリーターだったわね。じゃあ私のお願いを聞いてくれたらお勘定はタダにして
あげてもいいわよ」
美味しい話には刺があるってことか? でも一応聞いておいて損はないな。
「僕に出来ることなの?」
「ええ、簡単よ。よかったらここで働いてくれない?」
「ここでって、この店で?」
「ええ、実はね先月までここで調理係の男の子がいたんだけど、急にやめちゃってね。だ
からちょっと困ってるの。あなた調理師学校へ行ってたのなら簡単な料理くらい作れるで
しょう。どう?」
まあ、今のアルバイトもたいしていい仕事でもないし、よーし受けちゃうか。勘定もタダ
になることだし。(それが一番の理由だったりして)
「じゃあ、お願いしようかな」
「ほんと? うれしい。 じゃあ早速住み込みでお願いするわね」
えっ? 住み込み? 聞いてないぞ〜。でもいいか、ママと一緒にいられるしね。
「で、いつから来ればいいの?」
「そうねえ、本当はすぐにでも来て欲しいけど・・・」
「じゃあ、今のアルバイトすぐやめるよ。明日から来るから。それと引っ越しも今日して
しまうよ。たいした荷物もないからすぐ済むだろうし」
「ありがとう。じゃあ2階の部屋を空けておくからいつでも荷物を入れていいわよ」
そう言って俺は飲みかけのコーヒーを一気に飲み干して店を出た。今のアルバイト先に行
ってとりあえず断って辞めさせてもらった。そしてレンタカーを借りて荷物も運び出した。
店の2階に全部荷物を入れるとママが来た。
「じゃあ、これにサインしてくれるかしら?」
といって差し出したのは一枚の紙切れだ。それには『誓約書』って書いてある。まあ一応
雇われの身だから当たり前だな。俺は何のためらいもなくサイン、捺印してママに渡した。
「はい、これでいいわ。じゃあ行きましょうか」
ん? どこへ行くんだろう。ははあ、部屋が殺風景なので何か買ってくれるのかな。
そんな期待を持って俺はママの運転する車に乗った。しかし時間が経つにつれて何かおか
しい雰囲気になった。どう見ても買い物に行く感じの道じゃない。しかもどんどん山奥深
い所へ車が進んでいく。
「ママ、どこへ行くの?」
「いいところよ。まあ今に分かるわ」
そう言っているうちに一軒の西洋風の建物、と言っても何だか高校の学生寮みたいな感じ
の煉瓦造りの建物の前に止まった。
ママと俺は車から降りてその洋館の中に入った。すると何やら怪しげな一人の男性が俺達
を迎えてくれた。
「ようこそいらっしゃいました。ええと、お預かりするのはこの方ですね?」
「ええ、そうよ。よろしくお願いしますわね」
預かる? なんだなんだ、俺は手荷物じゃないぞ。どういうことだ?
「ねえ、ママ。ここって一体何なの?」
するとママは俺に向かってにっこり笑って言った。
「いいから、あなたは気にしなくていいの。すべてここに任せてあるから、後はこの人の
支持に従ってちょうだい」
そう言い残して、ママは建物を出て帰ってしまった。
「じゃあ、こちらへどうぞ。園長室にご案内します」
園長室って、ここは施設なのか。でも何の施設なんだろう。どうみても怪しすぎる〜
色々考えているうちに園長室へ入っていった。付いてきた男性はドアの外で待っているよ
うだ。中に入ると真正面に机があり、そこに一人の三十才くらいの女性が座っている。
「こんにちは。あなたが優一郎君ね。これから1ヵ月の間ここであなたのお世話をさせて
いただく園長の水原和枝です。それじゃあ早速で申し訳ないけどそこの更衣室で着ている
ものを全部脱いでいただきます。中にタオルがあるからそれを腰に巻いて下さいね」
と言って指を差したのは、よくブティックなんかにあるいわゆるフィッティングルームの
様な小さな部屋だった。俺は何がなんだか分からないままそこに入って着ている物を全部
脱ぎ捨てた。そして置いてあったバスタオルを腰に巻き付けて出ていった。
「それで結構です。じゃあ私に付いてきてください」
と言って園長室から出て最初に連れてきた男性と一緒に別室へ連れていかれた。入った部
屋では何やら病院の待合室のような感じだ。というより病院の匂いもしている。
「それじゃ、ちょっと注射をしますからそこの担架に寝て下さい」
白衣を着た看護婦のような女性が注射器をもってきた。俺は別に注射は恐くない。でもこ
の雰囲気での注射はなにか怪しい雰囲気がある。しかし逃げることも出来ない状況で、俺
は完全に『まな板の上の鯉』状態だった。注射を打たれてしばらくすると俺は意識が遠の
いていった・・・

俺が気が付いたのは先ほどとは違う部屋のベッドの上だった。かなりの時間意識がなかっ
た様だ。異様に腹が減っている。横のソファーに座っていた若い女性が意識の戻った俺の
傍に寄ってきた。
「気が付いたみたいね」
俺は比較的はっきりした意識の中でその女性に聞いてみた。
「あの・・・ここはどこ?」
「ここはね、保育園なのよ。といっても大人用の保育園。そしてあなたは今日から1ヶ月
の間ここの園児なの。私はあなたを担当する保母なの。よろしくね。優ちゃん」
何だと〜、ここは大人用の保育園で俺が園児? どういうことだ。しかも俺のことを『優
ちゃん』だと〜、たいして年も変わらないくせに。
「あの・・・どうして僕がここに?」
「さあ、詳しいことは園長しか知らないと思うわ。聞きたいのなら園長を呼んでくるけど」
「呼んできて」
「じゃあちょっと待ってて」
その女性はドアを出ていった。俺は何がなんだか分からなく混乱しそうだった。まるで夢
の中にいるような気分だが、これは紛れもない現実なのだ。しばらくすると園長が入って
きた。顔は相変わらずニコニコしている。営業スマイルかな?
「どうしてあなたがここにいるか聞きたいそうね。じゃあ教えてあげましょう。その前に、
ここがどういう所か知っておいてもらった方がいいわね」
俺はゴクっと唾を飲み込んだ。いよいよ真相が明らかになるんだ。
「ここは、大人のための保育所、と言っても良く分からないでしょうね。世の中には大人
になりたくない人もいるの。といっても体は大人なんだけど、要するに幼児願望ね。もっ
と詳しく言うとみんなオムツをあてるのが好きな子ばかりなの。そんな人たちは当然結婚
願望なんてないし、家や仕事、財産をなげうってもいいという人がほとんどね。そんな人
たちを預かる場所なの。そして、そんな人を欲しいという人もいるのよ。その時が卒園っ
ていうことね」
「でも僕は幼児願望なんてないし、ましてオムツをあてるのが好きな訳じゃない」
「それは分かってるわ。あなたにはママがいるものね。だけどそのママも今まではここに
自分が世話したい子を探しに来てたのよ。でもあなたに出会った訳ね。あなたは知ってる
かどうか分からないけど、あなたのママはあなたみたいなかわいい子にオムツをあてたり
替えたりするのが好きなの。だからあなたがここに来たのはここにいる間にオムツが好き
になってもらうためなのよ」
何を平然と言ってるんだ、この女は。オムツが好きになる? そんな事ある訳ないじゃな
いか。
「それは無駄だね。仮に僕がオムツをあてられたとしても漏らす事なんて絶対無いから
ね」
園長は次第ににこやかな顔に変わっていき、ついには笑い声も漏らしていた。
「さあ、それはどうかしらね。まあ今に分かると思うわ。それよりお腹すいたでしょう。
食事を用意してあるからお食べなさいね」
と言って俺の前に食事を差し出した。なーんだ、保育園だからてっきり幼児用の食事かと
思ったら普通の食事でよかった〜・・・ってこの食器全部キティー模様じゃないかよ〜
とにかく俺は目の前にある食事に手を伸ばし、箸を休める間もなく食べ尽くした。
それを見ていた園長やそばにいた女性はただただ見つめているだけだった。しかししばら
くして俺の体に異変が起こったのだ。園長たちもその様子に気づいたようだ。
「そろそろ効き始めたようね。でもすぐに楽になるわよ」
今俺の体に尿意と便意が一度にきている。くそー、耐えてやる。
しかし、そんな我慢もほんの1秒とはもたなかった。下半身に力が入らない。
次の瞬間、俺の下半身に溜まっていたものがすべて流れ出してしまった。俺はこれ以上の
屈辱を味わった事がない。どうして我慢が出来なかったんだ?
「うふふ、全部出し切ったようね。どうしても我慢出来なかったでしょう。当然ね。あな
たが薬で眠っている間にあなたの下半身にちょっと細工をさせてもらったの。尿意も便意
も我慢できないようにね。それにもう興奮しても勃起しないし、陰毛もすべて永久脱毛さ
せてもらったの。もうどうやっても直らないわ。今の食事にも強力な利尿剤と下剤が入っ
ていたしね。」
「どうしてそこまで・・・」
「オムツの必要な人には子供を作る必要はないでしょう。それに園児に陰毛はおかしいで
しょう。自らここに来る人たちはすべて好んでこの状態になってるのよ。まあ、観念して
オムツ好きになることね。」
「・・・・・」
俺はもうあきれて声も出ない状態だ。
「それと、間違ってもここから逃げようとは思わない事ね。もしそんな事をしたら相当な
お仕置きが待ってるわ。もっともその状態で普通の生活は営めないでしょうけどね」
「園長先生、オムツを替えてあげないと」
「ああそうだったわね。じゃあこの子はあなたの担当だからお願いね。あなたはたった今
からここの園児になったのよ。これからはこの由美子先生にオムツを替えてもらってね」
ちょっと待て! という事は・・・
俺はシーツをめくり下半身に目をやった。興奮して気づかなかったけど俺の下半身には下
着の代わりに紙オムツがあてられている。しかも市販しているような味気ないものと違っ
て白地に花柄模様がプリントされている。そしてそれは俺の排泄物を含んでかなり大きく
膨らんでいる。
「さあさあ、おしりが気持ち悪いでしょう。すぐ替えてあげますからね。今日からはみん
なと同じようにふかふかの布オムツですからね」
俺は全身の力が抜けきっており、抵抗する気力も失せていた。
俺は由美子先生とか言う女性のなすがまま、汚れた紙オムツを取り替えてもらい、代わり
に赤ん坊が使うような、模様入りの布オムツをあてられ、その上からカラフルなオムツカ
バーもあてられた。
俺は『一ヶ月の辛抱だ』と思いながらおとなしくしていたが、少し違う気持ちも出てきた。
へえー、布オムツってけっこうあったかくて気持ちいいもんだな・・・。おっと、いかん。
そう思いながらも服を着せてもらい、その先生に連れて行かれた。しかも「ゆういちろう」
と書いた名札まで付けさせられて。
連れて行かれた部屋には男女含めて15人くらいの人間がいた。中には完全に赤ん坊にな
りきっているもの、幼稚園児のような格好をしているもの、子供っぽい服を着ているもの
とさまざまだったが、共通しているのはみんなお尻が異様に膨らんでいてオムツをあてて
いることがすぐに分かる事だ。(という俺も今はそうだけど)
そしてその中に入ると二人の子供っぽい服を着た女性(どちらかというと女の子)が近づ
いてきた。短いスカートからはピンクのオムツカバーが丸見えだった。
こいつ恥ずかしくないのか?
そう思いながらも俺はこの二人の女の子に紹介された。
「今日からあなたたちのお友達になる優ちゃんです。仲良くしてあげてね」
「は〜い」
「私の担当するのはあなたと、この女の子二人の全部で三人なの。この子達は17歳だか
らあなたの方が少し年上ね。だからお兄ちゃんになってあげてね。じゃあ優ちゃんもご挨
拶なさい」
そんなこと言われてもどう挨拶すりゃいいんだよ。にっこり笑ってこんにちわ〜って言え
っていうのか? もう黙っていよう。
「あれ? どうしたのかな? ははあ、初めてだから恥ずかしいのかな?」
あったりまえだろ〜、初めてじゃなくても恥ずかしいだろうが〜
「まあいいわ、しばらくしたら慣れるでしょうし、今日は様子を見ましょう」
慣れたくねーよ、こんなとこ。そうしてるとそのうちの一人の「さおり」と名札をつけた
女の子が先生に話していた。
「先生、みやちゃんがおもらししたみたい」
「本当? みやちゃん、こっちにいらっしゃい」
「みやこ」と名札をつけた女の子ははしゃぎながら部屋を逃げ回っている。先生は何とか
捕まえてスカートの中のオムツカバーの中に手を入れている。
「あら、本当。どうして言わなかったの?」
「だって、ゆうちゃんと遊びたかったんだもん」
「そうね、でもオムツは替えておかなきゃね」
「ゆうちゃんが一緒じゃないとイヤ」
「分かったわ。じゃあ優ちゃん、みやちゃんと一緒にいてあげて」
俺は渋々付いていった。何が悲しくてオムツ替えの付き合いをしなきゃならないんだ。
先生はみやこを部屋の隅の小さなマットを敷いたところへ連れていった。オムツ替えの為
に並べてあるのだろう、先生の数だけ並べてあり、上に担当の先生の名札がぶらさげてあ
る。横の棚には、洗濯してある布オムツやカバーがぎっしりと詰まっている。
俺が一緒だからか、この女の子、なんだか嬉しそうな表情に変わってるみたいだ。
マットにみやこを寝かせると先生はスカートを捲り上げて、ピンクのオムツカバーの腰紐
をほどき、スナップボタンをプチプチと外していった。中からは股の辺りが黄色く染まっ
たスヌーピー柄の布オムツが現れたのが見えた。先生がそれを剥がすと俺の目に飛び込ん
できたのは1本の毛もない(いわゆるパイパンね)ワレメちゃんだった。ここに来たとき
に陰毛は全て剃られていると聞いていたので、たいして驚かなかったが、それよりもこの
女の子の態度の方にびっくりする。先生が新しいオムツに交換する際にみやこの足を上げ
た時、女の性器がはっきり見えてしまったのだから。いくら気持ちは子供のままでも、体
は立派な大人なんだ。俺に大事なところを見られているのにこの女の子、みやこは全く恥
ずかしげが無いのは不思議な現象だ。いや不思議というより異様ささえ感じる。もっとも
17歳の年ごろのあそこを見てもなんの反応も示さない俺のあそこも情けないけど。
待てよ、ひょっとしたら俺もこのスタイルになるのか? おいおい勘弁してくれよ〜
みやこのオムツ交換をしながら先生が俺に話しかけてきた。
「このみやちゃんも、向こうにいるさおりちゃんも、あなたと同じで、ある人からここに
預けられたのよ。はじめて来た時、最初はあなたと同じだったわ。恥ずかしくて仕方ない
感じだったの。でも半月位経ったけど今はもうすっかりこの通り。だから優ちゃんもしば
らくすれば大丈夫よ。さあできたわ。みやちゃん、三人で仲良く遊んでらっしゃい」
「うん、ゆうちゃん、いこ」
みやこは俺の手を引っぱり、さおりのところへ連れていった。
えーい、こうなったら開き直ってやる。どうにでもなれ〜
俺はみやことさおりとで積み木をしたり、粘土で遊んだりしてやった。二人も俺のことを
気にいった様子で無邪気に騒いでいる。こうやって見ると、街中で見かけるコギャルより
はマシに見えてしまう。
そうやって遊んでいるうちに部屋にキッチンワゴンで何かが運ばれてきたようだった。
「おやつの時間ですよ〜」
別の先生の声が大きな声で叫んでいた。今まで遊んでいた他の園児は遊ぶのをやめ、一斉
にそのワゴンに向かっていった。俺と一緒に遊んでいた二人の女の子も同様だった。
俺は別に腹も減っていないし喉も乾いていない。でもさおりが俺の分のジュースとお菓子
を持ってきて俺に手渡した。
「これはゆうちゃんの分よ。いっしょに食べましょ」
俺の手にもっているジュースのカップは、蓋にストローが差してある、まさに幼児用のカ
ップだった。ご丁寧にも横に「ゆういちろう」とテープまで張ってある。
この徹底ぶりには脱帽もんだね。三人で並んでのおやつタイムだ。
おやつも終わって遊びに戻ろうとする俺にまた変な感じが襲ってきた、と思ったら既に時
遅し。俺のオムツの中のおちんちんは壊れた水道の蛇口のように次から次に尿を吐き出し
ている。全てを出しきったが俺は知らんふりをしていた。みんなの前でオムツ交換なんて
恥ずかしいもんね。気持ち悪いけどしばらく放っておこう。
俺はおもらししたことを忘れるようにみやことさおりとで遊んでいた。しかししばらくす
ると、このベットリ張り付いた感じ、股に感じる異様な暖かさ、なんだか気持ち悪いのを
通り越してしまった感じだった。俺は初めて体験する布オムツへのおもらしに快感を感じ
始めてしまったのか?
そんな感じを引きずったまま遊んでいたが、立ちあがった瞬間に俺のオムツが重そうに垂
れ下がっているのに先生が気付かないはずはなかった。それを見て先生が俺の方にやって
きていきなり俺のオムツカバーの中に手を入れた。
「優ちゃん、オムツ替えましょうね。こちらへいらっしゃい」
「みやも行く〜」
「さおりも〜」
おいおい、付いて来るんじゃない。恥ずかしいだろ〜
俺は先生に手を引かれたまま例のマットの所に寝かされた。そしてズボンを下ろし、カバ
ーを広げると、みやことさおりも覗き込んできた。
「あらあら、ぐっしょりじゃない。遊ぶのに夢中なのはわかるけど、おもらししたら言わ
ないとだめでしょ」
「先生、みやが手伝ってあげる」
「あっ、みやちゃんずるーい。さおりも手伝うもん」
「まあ、ふたりとも優ちゃんがお気に入りのようね。じゃあ、そこのオムツとカバーを取
ってくれる」
「は〜い」
この状態で気に入られたってどうなる。どうせならお互い普通の時に気に入って欲しいよ。
俺は二人の女の子に見られるままオムツを交換された。しかし、彼女達の目は決して汚い
ものを見るような目ではなく、本当に幼児そのものであったようだ。
オムツ交換を終えて再び遊びに行ったが他のマットにもしょっちゅうオムツ交換をしてい
る姿を見かける。遊び時間が終わって夕食が終わっても普通の生活ではなかった。
テレビはあるが、映るのはアニメのビデオばかりだし、置いてある本も絵本ばかりだ。
そして入浴の時間になると三人はもちろん、担当の先生も一緒に入ることになっている。
彼女達は全然恥ずかしさもなく、何も隠そうとはしない。そして先生がみんなを洗ってあ
げている。当然、俺も先生に隅々まで洗われた。普通なら女性三人に囲まれて風呂に入る
と恥ずかしい気持ちになるのだろうが、俺は去勢されている。だからかもしれないが、全
くと言っていいほどHな気持ちがわいてこない。それどころか何か暖かい気持ちさえ湧い
てくるようだ。なんせ女の子といっても幼児並の無邪気な子だからね。よく見るとかわい
いもんだね。
あれ? 俺は何を考えているんだ。ここに来たときはあんなに嫌がっていたはずなのに。
いよいよ俺の気持ちも徐々にではあるが変わってきているのかもしれないな。
風呂を上がると、先生がオムツをあててくれる。そして四人は同じ部屋で寝ることになっ
ている。部屋に入ると四人分のふとんが敷いてあった。1時間ほどその部屋で俺を含めて
四人ははしゃいで遊んでいたが、そろそろ寝る時間になったようだ。
「じゃあそろそろ寝る時間ね。さあ着替えましょうね」
先生はみんなの着替えをカゴから出してきた。みんなパジャマっぽい服だったが、ズボン
はない。たぶんオムツを替えやすくするためだろう。俺も先生に全て着替えさせられた。
そしてその時にオムツの確認があったが、俺のオムツはさっきはしゃいで遊んでいるとき
におもらししていて濡れたままだ。
「優ちゃん、寝る前にオムツ替えましょうね。今度はおやすみの時間だからたくさんあて
ておきますからね」
今度は窮屈な位の量をあてられた。もっとも他の二人もおもらししていたようで、みんな
新しいオムツに替えられていたようだ。
「じゃあ、みやちゃんとさおりちゃん、いつものようにおしゃぶりね」
そういって先生は二人におしゃぶりを渡していた。二人はそれを受け取ると口にくわえて
そのまま床に入った。
「優ちゃんもいる?」
「いや、いいよ」
「じゃあ、先生のおっぱいのほうがいいかな?」
そういって先生は俺の横に寝たまま自分のおっぱいを出してきた。俺は興味本位に先生の
おっぱいに吸い付いてみた。 ああ、柔らかくて気持ちいい感じだ。なんだか昔を思い出
させるような気持ちになる。俺は先生のおっぱいに吸い付いたまま寝てしまった。

翌朝、目覚めたのが何時か覚えていない。なんせここには時計もない。好きな時に起きて、
好きな時に遊べばいいんだからね。目の前にはさおりが座っていた。
「ゆうちゃん、おきたよ」
「あら、目が覚めたのね。じゃあオムツ替えて大きい部屋へ行きましょうね」
先生が俺のオムツを広げると中から異臭が漂って来た。
「あら、うんちも出てたのね。じゃあきれいにしなくちゃね」
先生は洗面器にぬるま湯を入れて持ってきた。そして俺のうんちまみれの尻をきれいにふ
きとってくれた。そして、いつものように新しいオムツをしてくれた。
「はい、できたわよ。じゃあむこうの大きな部屋へ行きましょうね」
俺たち四人は手を繋いでみんながいる大きな部屋へ向かっていった。

そんな生活もそろそろ1ヵ月を迎えようとしていた。もう俺の気持ちは完全に変わってし
まっていた。オムツをしている安心感、そしてオムツにおもらしした時のあの不快感、さ
らには人におむつを替えてもらえる事の満足感、全てが俺の快感に変わっていたんだ。
終わり頃になると「先生、オムツ替えて〜」とまで言えるようになったんだから。
そしていよいよ卒園の時が来た。しかし俺の卒園を喜んでくれない人もいた。さおりとみ
やこである。しかし俺にはママが待っている。残りたい気持ちもあるがママには逆らえな
い。仕方無く二人に別れを告げてママを待った。予定通りママがここに到着したが、ここ
で思いがけないことがあった。
「優ちゃん、ここの生活はどうだった?」
「うん、本当の事を言うとママにだまされたと思ったんだけど、今では楽しかったと思っ
てるよ」
「じゃあ、よかった。あのね、実は優ちゃんがここに入ってからすぐに調理担当の女の子
が入ってくれたのよ」
「えっ? じゃあ僕はどうなるの?」
「心配しないで。それでね、優ちゃんを私の子供にしようと思ってるの。つまり私の養子
になってくれないかということ。もっともこれは優ちゃんの意思次第よ」
「ママはずっと僕の傍にいてくれるんでしょ?」
「もちろんよ。私がいないと優ちゃんのオムツを替えてあげられないでしょう。ずっと一
緒にいるわ」
「じゃあ、いいよ。ママの子になるよ」
「本当ね? わあ、うれしいわ。じゃあもう少しここで生活してくれるかしら?」
「別にいいけど・・・、どうして?」
「優ちゃんは私の子供になるんだから、私からいえば赤ちゃんなの。だから、今度はここ
で赤ちゃんになって欲しいのよ」
「赤ちゃんに・・・」
「そうよ、どう? いやなら今のままでもいいけど」
「嫌なことないよ。ママが喜ぶのなら僕構わないよ」
「分かったわ。じゃあ私から園長先生に話しておくわ。そして時期が来たら必ず迎えに来
るからね」
「うん、待ってるよ」
ママはニコニコして園長室に向かった。俺も少しホッとした。またあの二人と遊べるから。
「優ちゃん、よかったね」
由美子先生もなんだか嬉しそうだ。それより付いてきたさおりとみやこはそれ以上に嬉し
そうだった。
「じゃあ、またお部屋に戻りましょうね」
俺は再び先生や女の子達とあの広い部屋へ戻っていった。そしていつも通りの生活の戻っ
ていった。

翌日、俺は園長に呼ばれて例の医療室のような部屋へ入れられた。今度は白衣を着た看護
婦の代りに一人の中年男性が座っていた。
「こんにちは。そこに座ってくれるかな」
俺は言われるままその男性の前にある椅子に腰掛けた。
「今から、優一郎君を赤ちゃんにするんだけど、迷いはないね?」
覚悟を決めている俺にそんな質問は不要だ。俺は大きくうなずいてやった。
「じゃあ、目を閉じて、リラックスして」
これはいわゆる催眠術だな。要するに気持的に赤ちゃんにしてしまおうという訳か。
リラックスした瞬間、俺の意識は次第に無くなっていった。
どれだけ時間が経ったか分からないが、気が付いた時、俺の大半の自由は失われていた。
声がでない、いや、性格に言うと出そうにもちゃんと喋ることが出来ないのだ。それだけ
ではない。手足の自由もきかなくなっていた。歩こうとしても立つことが出来ない。なん
とかハイハイなら出来る。自分自身としてのかすかな意識は残っているが、大半の意識は
失われていた。
とにもかくにも俺は赤ちゃんになってしまったわけだ。

(はっきり言って、こんな事ができるかどうかは疑問だけど、まあ小説という事で・・・
ということで、ここからは俺、いや僕は赤ちゃんとしての立場から書くことにします)

僕は元々体も小さくて体重も軽いこともあり、由美子先生でも僕を軽くおんぶすることが
出来た。僕はいつもの部屋へ連れていかれ、そしていつも遊んでいた二人の女の子に再び
紹介されることになった。
「さおりちゃん、みやちゃん、優ちゃんは今日から赤ちゃんになったのよ。だから今度は
二人はお姉ちゃんになるのよ。今度は二人で優ちゃんを可愛がってあげてね」
「うん、わかった。じゃあ今度はさおりたちが遊んであげる」
「みやも遊んであげるからね」
「まあ、この子達ったら。優ちゃんが赤ちゃんになってもお気に入りなのね」
先生は笑っていた。
僕の生活は一変した。眠い時に眠り、起きたいときに起きている。おもらししたら泣いて
知らせる。お腹が空いてもそうだ。食べ物はベビーフード、哺乳ビンに入ったミルク、す
べて人に食べさせてもらっている。さすがに体は大人なので、カロリー計算はしているよ
うで、ベビーフードといってもかなりのボリュームはあるようだ。食事の時は大きな歩行
器に座らされる。食事も時々二人の女の子が食べさせてくれたりもする。園内を移動する
ときは大きなベビーカーに乗せられる。これで園内の庭を散歩することもあるんだ。
先生が僕に話しかける口調も変わってしまった。
「はーい、いい子でちゅね。オムチュ替えまちゅよ」
「あらー、いっぱい出てまちゅねー。きれいきれいちまちょうね」
そう言って僕のオムツを替えてくれる。
寝る時も、だっこしてくれて先生のおっぱいや哺乳ビンに入ったミルクを吸わせてくれる。
そんな生活も数日が続き、いよいよママが迎えに来た。同じく例の女の子二人も各々迎え
が来たみたいだ。代りに何人かの入園もあったようだが。
僕はママの車で、いつもの家に帰ってきた。
ここに引越してきた時にほんの一瞬しか居なかった部屋だが、様子ががらりと変わってい
たのに驚いた。僕自信が持ってきた荷物はどこにも見当たらず、代わりに大きなベビーベ
ッドや整理ダンス、ぬいぐるみやおもちゃが所狭しとおいてあったからだ。
いわゆるベビールームというやつだ。
「優ちゃん、ほら、今日からあなたはここで生活するのよ」
僕はうれしかった。でも喋る事は出来ないのでにっこり笑って応えた。
「そう、嬉しいのね。よかった〜。じゃあ早速ベッドでネンネしましょうね」
ママは嬉しそうに僕を抱き上げ、大きなベッドに寝かせてくれた。でも僕はベッドに寝た
瞬間、泣き出してしまった。
「あれ? どうしたの? もしかしてオムツかな?」
そう言いながら僕のオムツカバーの中に手を入れてきた。
「やっぱりそうね。はいはい、今替えてあげますからね」
ママは整理ダンスから大きなオムツカバーとかわいい柄の布オムツを取り出してきた。
そして僕の着ているベビーウェアーの股のホックを外していた。なかから黄色にひよこ柄
のオムツカバーが現れ、そしてママはそれを優しく広げていた。
「まあ、ぐっしょりだったのね。今すぐ替えてあげますからね」
慣れない手つきだったが(当然だよね。こんな大きな赤ちゃん育てた事ないだろうからね)
優しくオムツを替えてくれた。
「オムツカバーもたくさん買ったし、布オムツもたくさん作ったからどんどん汚していい
のよ。ママもその方が嬉しいわ」
と言って僕の頬に軽くキスをしてくれた。
夕方、仕事が始まるまではママが付きっ切りで僕の世話をしてくれた。そして店が始まる
と僕は店のマスコット的な存在として店の中でベビーカーに座っている。
ママの店には近所の奥さん連中も常連としてたくさん来てくれる。といってもその奥さん
連中はバツイチや未亡人がほとんど。いわゆるダンナの居ない人ばかりなんだ。
ママも同じ立場という事で、ま、友達的な感覚なんだろうね。だから僕のうわさもすぐに
広まっていた。ママも昼間は堂々と近所をベビーカーで散歩させてくれる。最初は珍しが
っていた近所の人も、最近は僕を一人前の赤ちゃん(変な表現!)として見てくれるよう
になった。
「あら、優ちゃん、今日はごきげんね」
どこかの奥さんが僕にそんな声をかけてくることも普通の光景になっていた。
ある日、いつものように店に来ていた奥さんの一人がママに話している。
「ねえママ、この子昼間うちで面倒見させてくれないかしら?」
「あ、そう言えばあなたのところ託児所をしてたわね。でも大丈夫かしら?」
「ううん、うちもたいして人数がいないし、それにうちに子供を預けている奥さん達も優
ちゃんの事知ってるし、問題ないわよ。あなただって時々は一人で買い物に行きたい時だ
ってあるでしょう。それ以外の時は私のところに居てもいいし。もちろんこちらの希望で
すもの、費用はいらないわ」
「本当にいいの?」
「ええ、子供の中にはオムツを嫌がる子もいるのよ。優ちゃんが一緒なら大丈夫だと思う
のよ。それにいい遊び相手になってくれるでしょうし」
「じゃあ、お願いしましょうか」
「じゃあ、明日来るときに優ちゃん用のオムツとオムツカバーを持ってきてくれない?
子供用はあるけど優ちゃん用は特別だからね」
「じゃあ、たくさん持っていくわ。優ちゃんが起きる朝9時過ぎでいいかしら?」
「ええ、いいわ。待ってるから」

翌日、ママは車で僕を近所の託児所へ送ってくれた。勿論トランクにはたくさんのオムツ
とオムツカバーも入っている。
到着すると託児所の奥さんが迎えに出てくれた。
「いらっしゃい。じゃあ優ちゃんは私が運ぶわね」
といってトランクから大きなベビーカーを出し、僕を乗せて建物の中に入っていった。
ここには奥さんを含めて3人の女性が勤めていて各々2〜3人の子供の面倒を見ている。
僕は当然、この奥さんに面倒をみて貰うことになった。
中の部屋は、以前過ごした保育園の様な感じだったが、中にいるのは3歳〜5歳位の本物
の子供ばかりだ。
僕は部屋に入るとベビーカーから下ろされた。僕は周りを見ながらハイハイして辺りを動
き回り、他の子供の所へ近づいた。こんな大きな赤ちゃんを見ればビックリするのが普通
だけど、子供の感覚では僕はこの子達と同じなんだ。だから、どの子もあまりビックリし
た様子はなかった。むしろすぐに他の子供になじんでいた。
しばらくすると奥さんが一人の3歳位の子供を連れていった。そしていきなりその子供の
半ズボンを下ろした。中からは真っ白の紙オムツが現れた。
「ママ、この子がオムツを嫌がる子なの。うちは躾のために布オムツを使うようにしてい
るの。勿論おもらししたことを認識させる為にね。だから本当はこの子も布オムツとオム
ツカバーをしたいんだけど、いつも逃げ回ってるのよ。何度も替えるのが出来ないからこ
の子だけ紙オムツにしてるのよ」
奥さんはその子供をしっかり押さえ付けている感じだった。僕はそれを無視して積み木で
遊んでいたが、その時体がブルッと震えた。するとママは僕の様子を見て奥さんに言った。
「丁度いいわ。優ちゃんも今おもらししたみたいだから、この子にオムツを替えるところ
を見せてあげなさい」
「ありがとう。じゃあ優ちゃんを連れてきてくれない?」
僕は遊んでいる最中にママに連れていかれた。そしてその子供の前でママは僕のおもらし
をいっぱい吸ったオムツを替えていた。
「ケンちゃん、ごらんなさい。あんな大きな赤ちゃんでもオムツを替える時はおとなしい
でしょ。それにほら、気持よさそうな顔してるのが分かる? それともケンちゃんは濡れ
たオムツをしておちんちんがかゆくなってもいいのかな〜?」
ケンちゃんは奥さんの言葉で泣きそうな顔になった。
「わかった? じゃあ、このオムツをあてられるわね?」
そういって傍にあった子供用のオムツカバーを見せた。ケンちゃんは泣きそうな顔で大き
く頷いていた。そしてその後は素直に布オムツとオムツカバーをあてられていた。
「はい、これでいいわ。さあ、遊んでらっしゃい」
ケンちゃんは嬉しそうな顔で僕の元へ戻ってまた遊んでいた。
「これでやっとあの子もおもらしの気持悪さが分かるようになるわ。紙オムツではやっぱ
りダメね。これも優ちゃんのおかげだわ。ママ、ありがとう」
「いいえ、お礼なんていいわよ。でもお役に立ててよかったわ。あ、それじゃ奥さんのお
言葉に甘えて今日はちょっと買い物にでも行ってこようかな」
「いいわよ。後は任せといて」
ママは僕を残して買い物に出かけた。ママがいなくなったのに気付いた僕は、泣きながら
ママを探していた。
「ママはね、ちょっとおでかけしたのよ。すぐ帰ってくるから遊んで待ってて」
でも僕は泣きやめなかった。ママがいないと寂しい。ママがいないとオムツを替えてもら
えない。そんな最中でも僕はおもらしをしてしまった。
奥さんは僕の表情にピンときたのか、僕のオムツカバーの中に手を入れてきた。
「あれ、ママがいないので寂しくておもらししちゃったのかな。はいはい、今替えてあげ
ますからね」
奥さんは僕を寝かし、ベビーウェアーの股ののホックを外していった。中から見えたブル
ーのオムツカバーを外し、黄色く染まったオムツを剥がした。
「あらあら、いっぱい出てますね〜、ぐっしょりですよ〜。すぐ替えてあげますね〜」
奥さんはママから預かったオムツとオムツカバーを取り出し僕にあててくれた。こんな大
き赤ちゃんは初めてだろうけど、さすがに慣れた手つきで素早く替えてくれた。
僕は安心したのか、奥さんにオムツを替えてもらった後はママがいなくなった事も忘れて
無邪気に遊んでいた。お昼ご飯も終わってお昼寝の最中、僕のお尻からブリブリっと音が
した。それで僕も起きて泣いていた。奥さんは慌てた様子もなく、いつものように手早く
オムツを替えてくれた。そして庭を見ると子供達のオムツにまじって一回り大きな、しか
し柄は子供用と同じオムツが干されていた。そしてその横には今日僕が汚したオムツカバ
ーも一緒に干されていた。
夕方になるとママも帰ってきた。そして僕をベビーカーに乗せゆっくりと店に帰っていっ
た。帰るまでに何人かの人とすれちがったが、誰も僕を不思議な目で見る人はいない。
この町で僕を知らない人はほとんどいないのだから当然かも知れない。中にはママに僕を
貸してほしいとお願いする人もいるけれど、ママは託児所以外ではそんな事はしない。
だって、僕は赤ちゃんなんだし、ママは僕の母親なんだもの。
母親と赤ちゃんがいつも一緒にいるのは当然だものね。

----- 完 -----


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