美奈の夏休み〜あとがき

あとがき




 あとがきです。「あとがきなんて付けるような立派な作品だったの?」と不審に思う人もいらっしゃるでしょうけど、ま、それはおいといて……。

 最近、私は新しい作品を書いていませんでした。書きかけてたのはあるんだけど、どうも筆が進まなくなって途中でほっぽり出したままにしてたんです。そんな時に、HPに小説を載っけてみない?って銀美ちゃんから誘ってもらったんですね。で、これまでに或るネットにupした作品とかも含めてちょっと昔の作品を公開させてもらうことになりました。そんで、そうしているうちに、よ〜し新作をHPで発表してやるぜいとかいう気持ちになってきたわけです。ちょうどMAKOTOさんとか銀美ちゃんとの対談の中でちょろっと言ったように、ロリちゃんを主役にした作品が書けないかなって考えてた時期だったし、そんじゃそれでいってみようって思いこんじゃったんですね。
 それと、新作を書くのならどうしても入れておきたいアイディア(というか、光景って言った方が正確かな)を一つ持ってましたから、それも書きこんでおこうかと。
そのアイディアというのは、”スカートの裾からちらと見えるオムツカバーの可愛らしさ”というものでした。パンチラ(うわ、古い言葉だこと)じゃなく、オムチラって言えばいいのかしらね。
 ということで、『ロリちゃんのスカートの裾からオムツカバーがちらと見える』っていう情景を描くために新作に手をつけたのでした。
 でね、あっさり認めちゃうんだけど、私の狙い通りにはストーリーは展開してくれませんでした。オープニングあたりはどうにかこうにか物語は進んでくれたと思います。小学生だった頃の美奈ちゃんのオモラシシーンも入れることができたし、トイレシーンまで書いたんだから(もっとも、トイレシーンはなくてもいいからオモラシシーンを増やしてほしかったというような御意見もいただきましたけど)。なのに、玲子が登場してからはストーリーがどんどん狙いから外れていっちゃったんですね。もともと、玲子なんて単なる脇役のつもりで登場させたんですよ。最初の予定では、美奈が亜紀のマンションで明るく楽しいオムツライフを繰り広げる、みたいなことで進めるつもりだったんだから。ただ、普通の女子大生である亜紀が大きなオムツカバーを持ってるっていうのはどうしても設定にムリがあるから、それを入手する手助けをしてくれる友人がいた方がいいかなぁというような軽い気持ちで登場させたんです。
それなのに……いつのまにか玲子ったら主役の座を力ずくで美奈ちゃんから取りあげちゃうんだもんなぁ。最後なんて、美奈ちゃんは意識を失ったままエンディングを迎えちゃったんだよね。かわいそうな美奈ちゃん。
 そんで、玲子が私も予想していなかったほど個性を発揮してくれたせいで、亜紀のマンションに辿りつくまでに時間がかかったのなんの。はっきり言って、マンションに舞台が移った頃には、書きたいシーンは殆ど書き終わってました(とほほ……)。
だからほんとにもう、マンションに帰ってきてすぐにエンディングってことになっちゃったんですね。終わり方がちょっと唐突な感じになっちゃったのは、みんな玲子のせいです。玲子のばか〜。
 とはいっても、玲子がいなかったらあまり刺激のない内容になってたかもしれないし……なんか、複雑な心境です。
 だいたい、もとは800行〜900行ちょっと(原稿用紙に換算すると70〜80枚くらいかな)でまとめようと思って書き始めた作品なんですよ。でも、オープニングの部分が書きあがった時点で、そこまでをサンプルとして送って「みんな書いてからまとめて公開ってことにしようか?」って訊いたら、「連載でもいいよ」って言ってもらって。じゃ行数なんて気にしないで好きなように書けるんだって喜んじゃって。
 そして結局、最初の狙いからは外れていって、いつもの私のパターンになっちゃったんだよね。つまり、女子大生くらいの年齢の女の子が絡んでレズっぽいベビープレイになっちゃうという……。ただ、ま、今回の作品のラストは”ベビープレイ”というよりも、ちょっとした”赤ちゃん返りネタ”になってたんだけど。でも、その違いをわかってくれる人ってたくさんいるかしら? もしもアナタがその違いをわかってくれたとしたら、あなたは立派なマニアです。誰がなんと言おうとこの私がムリヤリ認定しちゃいます。明日からはどーどーと胸を張って生きていってください。

 と、いきなりの反省文になってしまいましたけど。
 だけど、でも、今回は失敗したってことは、いつかまたきっと改めてチャレンジしてやるんだっていう意気込みを持ってることの証明なのかもしれません。とはいっても、正直に白状すると──ロリちゃんを描くって難しいよ〜。なんていうか、ロリちゃんの描写を細かくしようとすると私自身が気恥ずかしくなってきて背中がゾクゾクしてくるし、もう照ちゃって照れちゃって。やっぱり、女子大生あたりの年齢が(そのへんの年齢の子だといろんな遊びを知ってるし、わりと大胆な設定にできることもあって)楽ですね。考えてみれば”やおい”系の小説にしても、高校生の男の子とか大学生くらいが登場するんだよね? 中学生の男の子どうしが絡む──という設定のはなかったように思うんだけど……私の勉強不足かもしれないなぁ。世の中ってほんと、油断できないもんなぁ。”さぶ”系の小説(イラストだったかな)でもロリータ風の設定(つまり、小さな男の子をどうにかしちゃうとか、どうにかしちゃわないで、ただ眺めて楽しむとか)になってるのもあるよって何かの雑誌に書いてあったし。
 あ、それから。終わりの方に登場してきた美少年・衛(”まもる”と読みます。念のため)クンなんだけど。何回か前のコメントじゃ再登場させるようなこと書いたんですけど、やっぱりやめにしました。一応、再登場させるとすればどんな役がいいかってことも考えたんだけど、それこそ今年中に完結できなくなりそうで怖くなってきちゃったんで。私自身としてはなかなか気に入ってるキャラなんで、別の作品にでも登場させて、うりうりといぢめてみたいと思います。

 えーと、このままだと取りとめのないお話がうだうだと続きそうなんで、このへんでおしまいにします。あとがきだとか偉そうにいっときながら何も実のあることは書けなかったけど(このへん、小説と一緒)ごめんなさい。
 いつ終わるともしれない長いお話(そのくせ、殆ど内容なんてなかったかもしれない)に飽きずにおつきあいくださって、どうもありがとうございました。結局はみんなの期待を裏切ったかもしれませんけど(とはいいつつ、一人くらいはこれで喜んでくれた人もいるんじゃないかなと勝手に思いこんでるんです)、次の作品を待ってみてくださいね。ひょっとしたらひょっとするかもしれません。ひょっとしないかもしれないけど。
 じゃ、いつかまた別の作品でお会いしましょう。
 あ、そうそう。近いうちにぜんぜん別の所でお目にかかるかもしれません。その時もよろしくおつきあいくださいね。
 感想と励まし(とお叱り)のメールはいつでも受け付けています。私にメールを出してくださった方には、もれなく私からのご返事メールが届きます(そんなのいらないって?)。さあ、チャンスは今だ!!




1996年9月吉日 高木かおり


目次に戻る 本棚に戻る ホームに戻る