ぺるけ氏式ヘッドホンアンプ2号機!


ぺるけ氏式ヘッドホンアンプをまたつくったという件について

図

ぺるけ氏の設計されたヘッドホンアンプの2号機をつくりました。ハンダ付けは楽しいですね。

先週までのおはなし

部品頒布を受けておきながら衝動的にこしらえてしまった1号機。
とりあえず問題なく動いているようで、家内へのクリスマスプレゼントとなりました。SONY MDR7506も購入。
手元には2SK170がいっぱいある。ぺるけ氏に頒布いただいた部品もまだある。選別冶具もある。
なんぞもう一台組まざることあらんか。

はじまり

1号機は自分の中では割と好評なのですが、ヘッドホンがいいのかモノがいいのか、いまいちわからないというところもありました。というのも、私の耳は明らかに左の聴力が悪く(3KHzくらいで聴力低下がある。小さいときの中耳炎のせいか?)、これが2SK170の選別をやっているかどうかに依存しているのかどうか。あと大人買いした結果、部品がかなりダブついているというのもありました。
部品があって、ハンダ付けモードに体は切り替わっている、それでははじまりはじまり。

今回のテーマ

前回の反省点として、

等がありました。今回はその反省を活かすように「自分用」に組もうと思います。
まず、2SK170は選別を行い、Id=2mAとしてバイアスがVgs=-0.203から-0.209Vとなる4本を抽出しました。
万能基板パターンは机上シミュレーションを行い、以下の通りのパターンに決定しました。前回比200%の集積度です。さすがにこれは作りにくいです。もし真似をする方がいればぺるけさんの万能基板例をお勧めします。これで片チャンネル分です。電源回路ともう片方の回路の画像も作成していたんですが、ファイル操作を誤り消してしまいました。参考にする人はあまりいないと思いますが、もしリクエストがあれば、また作成しようと思います。めっき線で立体交差するところがあるので、私のように両面基板を使っちゃった人は要注意です。あと文中にありますが、2200μFの代わりに1500μFを使ってます。

初歩のラジオ式実体配線図

秋月の電解コンデンサですが、今回は「売り切れ」だったので、横においてあったPanasonic製1500μFの表面実装タイプの電解コンデンサを買ってきました(5個100円)。両面基板だったので表面実装すればいい、と考えていたのですが、家に帰って台座を取ると、リード式の部品としても使えそうです。これを2200μFの代わりに使います。一応「低インピーダンス・長寿命」を謳っています。1000μFは千石の低ESRのやつのうち、かっこよさそうなのをチョイスしました。
回路の理解については、まだ今後の課題になります。たぶん3号機をつくるあたりまでにはなんとか。
終段のTrは2SA1680/2SC4408を買いました。C4408は鈴商で30円/個で、A1680は千石で50円/個でした。件のC3421は今回使わないことにします。C4408の方がCobが小さいというのがその理由です。
足りない部品を買いにいくために、祝日の当番が終わった瞬間に秋葉原までクルマを走らせ、部品をかき集めます。駐車場代を考えると明らかに通販を利用した方が安いんですが、正気を失っているのでしょうがないです。

製作する

製作の開始です。普通のALPSの2連VRを使いました。理由はケースに入らないからと、仮組みしていたのをそのまま利用したから。端子とかも多少節約しようとしたんだけど、大きな丸穴をあけるか角穴をあけるかの選択肢のような感じとなり、結局秋月のいつもの「くにゅ」と抜けるRCA端子です。
今回はパターンがやたら入り組んでいるので、基板は足だらけです。能動部品であるところのFET, Trの足を曲げずに、その他のパーツの足をまげて配線を行いました。なるべく抵抗の足等も用いず、スズめっき線を用いて部品の交換を可能にしておく方針です。
ぎゅうぎゅう具合がまるでデジタル回路みたいだな、と思いながら片チャネルを組み終わり、もう片方をくみ出しました。今回は前回のように2枚の同じ基板をつくるのでなく、鏡像異性体となるようにパターンを設計しました。そうしたらやってしまいました。FET,Trの逆付け。気づいたときには3本がすでにハンダ付け済み・・・
気をつけましょう。
一発では動作せず、-電源付近の配線が不十分であることが判明。その後しっかり動作。完成した基板はしたの通り。片面基板をお勧めします。

ケース加工

大人なので、さっさとテーパーリーマーを買ったんです。しかも、昔買った(そして実家においてきた)のと違い、φ3~10の小さいやつ。径がでかいやつは大きな穴まで対応できて一見便利です。でもできあがった穴がもれなく多角形になります。そういう古の反省から、一番小さいものを購入。

・・・ちょー便利。

1号機はステレオミニジャックにしていました。というのも大穴を開けるのが面倒いからです。今回は気をよくして標準プラグ対応です。ところが。
今回は予算削減のために手持ちにあったタカチのYM-130というケースを使いました。それを冒頭の写真のごとく、フツー使わない向きを表面パネルとして加工しています。その結果、ACジャックをつける穴がつくれない。苦肉の策として、ジャックのねじを加工しなんとか接続できるようにしました。他にもあらゆる構造物がケースの相方(黒い方)と干渉するとか、基板の固定をトップにするのは忍びないが、下ケースにねじ止めするとフタを開けられないとか、いろいろ問題があり今後の課題になっています。
オーディオ機器って、大きさが重要というか、こけおどしというか、とにかく何でも小さくつくる、っていうのは必ずしも正しくない、っていうことをここで実感しました。
あとなんでもいいから必ずバラックじゃなくてケースに入れる。作品として一応完成させるのは大切です。

考察

2SA1680/2SC4408を終段に用いて2号機を作成しました。お互い10本弱購入したのですが、巷に書かれているようにNPN/PNPでhFEの開きが結構あります。今回は運が悪いのか、A1680のhFEは300前後で、C4408のhFEは200前後でした。無選別で用いている事例もあるので、そのまま使用していますが、あまり気分はよくありません。資料等を見て後日考察しようと思います。
単なる部品の交換に終始したくないので、この辺をよく考えないと。と、いいつつも、気がつくとトランジスタを買い集めたりしている自分がいる。うーむ

おわりに

2号機を作成しました。まだ違いがよくわかりませんが、こっちのが良好な感じです。
FET選別のせいか?コンデンサの容量が最初のと違うからか?謎が謎を呼んで来週に続く・・・かもしれない。
部品頒布と貴重なウェブページを公開していただいたぺるけ氏に感謝いたします。

おしまい。


Last modified: Fri Dec 17 17:26:49 JST 2010