Philip Christian Liverpool C&S 1765-1778

このC&Sは、Bernard. M. Watney著書の
「Liverpool porcelain of the eighteenth century」
のカラーページP.135のPlate 15a に
載っている中央のC&Sと色や形だけでなく
ハンドルについている黒い点やターコイズ色の
釉薬の色むらの位置また金彩の点の不揃い
などそっくりで同一のものと思われます。
セーラーによるとこのC&Sの以前の持ち主は
Marian Laird という有名な磁器コレクターで
彼女とその姉妹は生前、Dr,Watneyと親交が
深かったという事です。
Dr,Watneyの上記の著書の巻頭言のAcknowledements に
Myspecial thanks are due to
the folling friends and colleaques ;
Miss M. Laird の名前が
John Sandon や Simon Spero などの
著名人と共に記載されています。
Miss M. Laied のフルネームは、
Marian Lairdである事より、このC&Sはこの著書に
載っているものと同一であると推測され、
Dr. Watnyが上記の著書を作る際に、貸し出された
もののようです。。
Christian's のモールドのいくつかは 
James Giles によって装飾されたものがあり、
この作品も彼にによってLondonで装飾されたものです。
カップ直径62mm、高さ63mm
ソーサー直径120mm、高さ20mm



Bernard. M. Watney著書の
Liverpool porcelain of the eighteenth century より



Worcesterでもこのデザインのものが存在します。
まゆきさんのホームページ「陶迷庵」のBBSで
御紹介下さったkazuさん所有のGiles工房の
Worcesterのトリオをkazuさんの御好意で
掲載させていただきます。

リバプールとウースターを比較すると
ハンドルの形状に違いが見られます。
またフルートは、ウースターの方は幅が均一です。
それに対しリバプールは、フルートの幅が広いものと
狭いものが交互になっています。
それに応じて弧を描いたような金彩のカップの
上方とソーサーの外側の模様も
広いものと狭いものの交互に描かれています。
またカップのターコイズ色の帯が、ウースターの方の
幅がやや狭いようです。
同じGiles工房なので、ターコイズ色の発色や
金彩の模様はほぼ同様です。