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JR神戸線の正しい乗り方


 いわゆるJR神戸線は、JR西日本が東海道本線(大阪以西)・山陽本線(姫路以東)に付けた愛称である。殆どの列車が直通運転なのに、途中から京都線、琵琶湖線と名前が変わるのは実に紛らわしいが、そのことはおいといて、最近この路線を時折利用するようになって気付いたことをまとめてみよう。


運賃の節約法

 JR神戸線は、西明石以東は電車特定区間、それ以外は一般の幹線である。また、大阪〜三宮(元町)間は阪神・阪急と並行しているため、割引運賃の設定がある。これを上手く利用すると、びっくりするくらい運賃が安くなることがあるのである。
 例えば、土山駅から大阪まで行く場合を考えてみよう。通常運賃なら、1110円である。ところが、三宮で一度下車するとどうなるか? 土山−三宮が570円、三宮−大阪は特定運賃で390円であり、合計960円。なんと、150円も安くなるのである。途中で降りるのは面倒である。もし3ヶ月間に5往復以上(三宮までしか行かない場合も含めてOK)するのであれば、土山−三宮の回数券を買っておこう。それもクレジットカードで(笑)。土山駅は回数券で入り、大阪駅で精算すれば390円追加するだけである。回数券の割引も考えれば、200円以上安くなる計算である。
 三宮−大阪の回数券も買っておけば更に安くなる筈であるが、私は買っていない。何故なら、時間の余裕のあるときはもっと安い経路を利用するからである。JRは三宮で降りてしまう。三宮から阪神か阪急で梅田まで行けば310円で済んでしまう。更に、中津、野田、西九条などに用があるときは、それぞれの駅を使えばよいので、地下鉄や環状線の料金も必要なくなるのである。・・・と書いてから、大阪−三宮の回数券は9枚分の料金で11枚買えることに気付いた。これなら1枚当たりの値段は阪神・阪急の通常運賃とほぼ同じになる。更には、大阪−本町間で平日の10−17時と、土休日終日使える割引回数券を使うと、普通回数券よりも更に2割くらい安くなる。これを阪神百貨店前の金券ショップで買えば1枚250円なので、梅田へ行くと2回に1回はここで千円札を出して4枚買うことにした。
 ちなみに、これらの回数券は京都へ行くときにも有効である。急ぐときは新快速で京都駅まで行って精算する。例えば、土山−京都を普通に買うと1890円であるが、三宮までの回数券で乗り越すと、570円(回数券だから実質518円)+1050円、三宮−大阪の回数券も使うと、570円(実質518円)+390円(実質319円)+540円となり、回数券の割引分も考えると、実に500円以上も安くなってしまうのである。勿論、急がないときは阪急だと河原町まで600円で行けてしまうので、更に200円以上安いし、阪急の1日乗車券(期間限定、800円)を利用して往復すれば、JRの正規運賃のほぼ半額で京都まで行けてしまうことになる。

事故の際の電車の選び方

 JR神戸線では、以前事故の処理を誤って消防隊員が事故死する事件があった。その概要は、うろ覚えであるが、概ね以下の通りであったと思う。
 少年が線路に侵入して悪戯していたところ、新快速電車に接触、負傷した。近くの駅から駅員も駆けつけ、新快速の車掌、駆けつけた消防隊員らと救護に当たった。新快速は安全を確認して発車、現場手前で停車していた後続の特急北近畿も安全を確認しながら徐行して発車した。その際、指令所との連絡にミスがあり、後続の気動車特急が本来の速度で通過し、消防隊員をはねて死亡させた。
 この件では、どうして救護活動が終わる前に運転を再開したのかとの批判が高まった。臍を曲げたJR西日本は、今後事故があった場合、完全に処理が終わるまでは絶対に列車を走らせないことにしたのである。そのため、遮断機の下りた踏切に進入した老人の自転車に電車が接触、転倒したが、かすり傷一つなかったというような事故でも、全線に渡って1時間も電車が運行しないようになったのである。私のように元来運の悪い者の場合、月間10日も神戸線を利用しないのに、4〜5回はダイヤが乱れたり運休している場面に出くわす。その経験から、神戸線のダイヤが乱れたときにどうするのが良いかをまとめてみた。

1)運転再開まで1時間、完全復旧は2〜3時間
 上述のように、完全に処理が終わり、関係者が線路の敷地内から全員撤退するまでは列車は運行されない。そのため、ごく軽微な事故であっても、逆に死亡事故であっても、概ね1時間前後は列車の運転再開はないと思ったほうが確実である。振り替え輸送があればそちらを利用し、あるいは急がないのであれば予定を変更して出掛けるのを遅らせるか、一杯飲んでから帰るのが最も賢明である。ちなみに、同じく人身事故が頻繁に起こることで有名なJR東日本中央線でも私は数回に1回は事故に遭遇する。乗っている電車が人を轢いてグチャグチャにしたことも経験している。しかし、先日も三鷹駅で人身事故に遭遇したが、特別快速の遅れは僅か10分ほどであった。

2)車掌・駅員の勧める電車を利用しない
 上述のように、JR西日本は指令所と現場の連絡が極端に悪い。例えば西明石駅で「神戸・大阪方面へはこの快速電車をご利用ください」と言われたら、その快速は見送って新快速ホームへ行くべきである。かなりの確率で後続の新快速が須磨近辺で快速を抜き去る筈である。また、快速に乗っているときに芦屋駅で新快速が並んで停まったとしよう。「大阪へお急ぎの方は新快速をご利用ください」と放送があって、うっかり新快速に乗り換えると、大阪駅の手前の信号で停車し、後から追いついた快速が先に大阪駅へ入線することになる。本来のダイヤで先着するほうの列車を選ぶと間違いが少ないのであるが、車掌や駅員は大抵咄嗟の判断で逆のほうが速いと思い込んで案内するので信じてはならない。

3)途中まででも振り替え輸送を利用
 三宮から土山へ行くとしよう。振り替え輸送が実施されていれば、阪神の直通特急で東二見か播磨町へ行くことが出来るが、土山駅の北側へ行くには随分遠い。そこで運転再開まで三宮で飲んでいるというのもあるが、早く帰りたいときは取り敢えず明石まで行くことである。全線で列車が停まったということは、大抵は明石か舞子か垂水辺りに停まっている快速電車がいるはずである。運転再開を待って三宮で大混雑の列車に乗るより、明石から、みんな諦めて降りてしまったガラガラの列車に乗るほうが賢明である。



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