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危険な国産車


 先日、車の点検のため、半日ほど修理工場に預けたときに、国産高級車を貸してくれた。また後日、消耗部品の交換のため同じく半日ほど預けたときに、別の国産小型車を貸してくれた。高級車はディーゼルモデルであったのだが、そのエンジンはまるでトラックのような音がした(笑)。やはり、日本のディーゼル技術は、排ガス対策だけでなく、根本的に大きく遅れているようである。
 それはさておき、国産車が極めて危険なものであることを、このとき痛感した。ほんの数十分乗っただけで気が付いた危険な点は、以下の通り。

1.ホイールカバー
 昔からある国産高級車、十数年前に「いつかは○○○○」なんてCMもあったくらいで、かつてはこれに乗ることが最高のステータスであった。その高級車のマークが誇らしげに入ったホイールカバー、走っていると何だかガタガタいう。よく見ると、緩んで外れかかっているのである。なんとこのホイールカバー、ボルトで留めるのではなく、単に嵌め込んであるのであった。そして、安価なアルミ合金を使ってあるらしく、容易に変形して緩むのである。これは危ない。

2.ドアーのロック
 この高級車、走り出すと四隅でゴソっと音がするので何だろうと思ったら、何を思ったのか、走り出すと勝手にドアが全部ロックされてしまう仕掛けになっていた。国際的には走行中にはドアをロックしないのが常識である。一部の国では高速道路などで走行中にドアをロックすることは違反になってしまうほどである。これは事故で乗員が中に閉じ込められ、自力で脱出できなくなったときに、ドアがロックされていると外から救出することが困難になるからである。
 もしかして、車が停止すればロックが自動的に解除されるのか・・・やはりされなかった。これは極めて危険である。

3.アクセルとブレーキ
 これは高級車にも小型車にも共通して言えることであるが、ペダルに遊びが少ない上に、ごく軽く踏んだだけで利き過ぎる。アクセルをほんの軽く踏んだだけでエンジンが吹き上がり、一気に加速する。また、ブレーキペダルを軽く踏んだだけでブレーキがかなり強く掛かる。ところが、車がある程度の速度で走っているときにアクセルペダルを強く踏んでも、車は思ったほど加速してくれない。また、本当に急ブレーキが必要なときに、ブレーキペダルを強く踏んでも期待したほどにはブレーキが利かない。
 話によると、アクセルを軽く踏んだだけで一気に加速すれば、日本の消費者にとって、それは加速のいい車、高性能の車ということになるそうである。また、ブレーキを軽く踏んだだけでブレーキが掛かれば、それはブレーキのよく利く高性能の車ということになるのである。しかし、冷静に考えればこれほど危険な車はない。日本車に乗らなければならないのであれば、マニュアルボックスを選び、ブレーキングをしっかりと練習しておかないと命がいくらあっても足りない。
 さらに恐ろしいことを聞いた。国産車のABSは、ちょっと強くブレーキを踏んだだけで作動するそうである。なぜかと言うと、強めにブレーキを踏んでABSが作動しないとクレームが来るからだそうである。これでは制動距離が伸びて危ないのは自明の理。ちなみに、私は自分の車で2万キロ近く走っていて、一度もABSを作動させたことはない。ABSというものは、本当に事故になりそうなとき以外は働かないものなのである。

4.安定性
 いつも通る砂利道をその高級車で走っていて、少しスピードを出してみた。すると、激しくオーバーステアが出て、スピンしそうになった。アクセルを緩めずに走ると、カウンターステアを駆使しても、車は蛇行してどこへ飛んで行くか分からない状態になってしまった。アクセルを戻し、エンジンブレーキの利きも悪いので、そっとブレーキペダルを踏んだが、その間、ステアリングの操作に苦心した。ちなみに、同じ道を私の車で同じ速度で走ると、タイヤが完全に路面をグリップし、安定して直進するのである。

 さて、件の国産高級車、全面リニューアルして派手に宣伝している。しかし、試乗した仲間の一致した意見は、「走らない、曲がらない、停まらない」であった。DOHCの癖に、高回転でも全然伸びないし、ハンドルは切れない。ブレーキは前述の通りで、どうしようもないとのことであった。

 以上の文章を読んで、そんなバカなと思われた方が大半であろう。しかし、このような日本車に慣れた日本人は、ヨーロッパでは流れに乗れない迷惑な運転をする上に、いざと言うときに危険回避を出来ず、事故を起こす危険性の高いドライバーとして密かに警戒されていることは事実なのである。



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