新興宗教的システム屋の悲喜劇


 最近、掲示板や日記の無料サービスにアクセスすると、おかしなポップアップ画面が現れることがある。この画面が出ると、クッキーがいくつも保存され、スクリプトが実行されるようになっているが、私はそういうものは自動的に実行させない設定にしてあるし、クッキーもすぐに削除するようにしている。
 さて、このポップアップ画面、広告ではない。自分の見たいもののキーワードを入れると、そこに登録されているサイトが紹介されるサービスであるらしい(馬鹿々々しくて使っていないから、実態は不明である)。しかし、よく考えていただきたい。何かの目的があって特定のサイトにアクセスした途端に、そのようなサービス画面が勝手に出てきて、更にそのウインドウがアクティヴになったら愉快な筈はない。ましてや、読もうと思っていた掲示板や日記を読まずにそちらへ飛んで行く人は少なかろう。また、最近はGoogleが無償で提供しているサービスを利用して、ポップアップ画面をブロックしている利用者も増加しつつある。果たしてこの鬱陶しいポップアップ画面の検索サービスを利用する人はどれほどいるのやら・・・。
 数年前、ある商業サイトを管理していたときに、業者が売り込みに来た。それがこの鬱陶しいポップアップサイトを運営している業者であるのか、同様のサービスをやっていた業者であるのかは、定かではない。名刺も案内もすぐに捨ててしまったから。ただ、彼らの言動は常人のものとは思われなかったことを、今でもはっきりと記憶している。
 その日、私の許に訪ねて来たのは、中年女性と若い男性2人であった。彼らは3人ともノートパソコンとPHSを持っており、すぐに3人ともネット接続して(1人でいいんじゃないの???)説明を始めた。これからの時代、ネットで効果的に情報発信しなければ生き残っては行けません。そのためには、時代を先取りした我が社のサービスこそが効果的です!−−−彼らは3人とも、心の底からそれを信じているようであった。そして、3人とも嬉しそうにパソコンをいじって、自分たちのサービスに酔い痴れていたのである。
 そのサイトで検索して引っ掛かるようにするためには、勿論その会社に広告料を支払わなければならない。また、その当時は利用者は専用のソフトをインストールしてデスクトップ上に検索バーのようなものを常駐させる必要があった。殆どの利用者が検索サイトを使いこなす時代である。どちらも馬鹿々々しい話以前の問題と言わざるを得ない。もし、例の鬱陶しいポップアップ画面がこの業者の仕業であるとすれば、後者の問題は彼らなりに解決したのであろう。しかし、こんなところに広告料を払うバカな経営者は、これからの時代どんどん減って行くであろう。平気で払いそうな財界人を約1名知っているが。(爆)
 私はこのとき、経営者は決してインターネットに金を掛けてはならないと確信した。



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