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天竺大将棋統一ルール試案


 大型将棋には色々あるが、対局に時間が掛かるのが難点であり、通常は中将棋しか指されていない。その中将棋とて、本気で指せば半日は掛かるのであるから、それ以上大きな将棋など、この忙しい世の中に指してはいられないのである。ところが、いくら盤が大きくて駒が多くても、動きが派手で強力な駒が多数登場すれば、勝負が比較的早く付くものである。そのような将棋として真っ先に考えられるのが天竺大将棋であろう。これは恐らく中将棋の好きな人が、大将棋も眺めつつ、勝手に無茶苦茶な駒を考案して加えることによって作り上げたものに違いない。
 天竺大将棋は図のように双方78枚ずつの駒を16×16の盤に並べる。現代の将棋とは異なり、取った駒は使えない。


















 


 






 


 

















































       
           
       
                               
                               
                               
                               
       
           
       

















































 


 






 


 

















 さて、この天竺大将棋、誰かが適当に思いつきで作ったもので、実際に広く遊ばれたという記録はない。そのため、駒の動き方や詳細なルールが残っていない、というよりも、恐らく定められていないと考えられる。そこで、とにかく勝手にルールを決めて、みんなで遊べるようにしてしまおうというのが、このページの眼目である。
 まずは、各駒の動き方についてまとめておく。駒の動き方については複数の説があるものも少なくないが、勝手に決めてしまおう。(=^^=;;

駒名動き方成駒動き方
前と斜め後ろに1コマ雜将前と斜め後ろにいくらでも
歩兵前に1コマ金将前後左右斜め前1コマ
横行左右へいくらでも、前後へ1コマ奔猪左右斜めへいくらでも
竪行前後へいくらでも、左右へ1コマ飛牛前後斜めへいくらでも
飛車前後左右へいくらでも龍王前後左右へいくらでも、斜めへ1コマ
角鷹前へ1コマを1〜2回または居食い、左右後と斜めへいくらでも角将斜めにいくらでも、飛び越しあり
飛鷲斜め前へ1コマを1〜2回または居食い、前後左右斜め後ろへいくらでも飛将前後左右にいくらでも、飛び越しあり
角将斜めにいくらでも、飛び越しあり副将王将3回または、斜めにいくらでも、飛び越しあり
飛将前後左右にいくらでも、飛び越しあり大将前後左右斜めにいくらでも、飛び越しあり
大将前後左右斜めにいくらでも、飛び越しあり  
副将王将3回または、斜めにいくらでも、飛び越しあり  
横兵左右へいくらでも、前へ1〜2コマ、後ろへ1コマ水牛左右斜めへいくらでも、前後に1〜2コマ
竪兵前へいくらでも、後ろへ1コマ、左右へ1〜2コマ車兵前後斜めへいくらでも、左右に1〜2コマ
角行斜めへいくらでも龍馬斜めへいくらでも、前後左右へ1コマ
龍馬斜めへいくらでも、前後左右へ1コマ角鷹前へ1コマを1〜2回または居食い、左右後と斜めへいくらでも
龍王前後左右へいくらでも、斜めへ1コマ飛鷲斜め前へ1コマを1〜2回または居食い、前後左右斜め後ろへいくらでも
水牛左右斜めへいくらでも、前後に1〜2コマ火鬼王将3回または、左右斜めへいくらでも
隣接する敵駒は焼死
火鬼王将3回または、左右斜めへいくらでも
隣接する敵駒は焼死
  
獅鷹獅子または角行  
奔鷲前後左右斜めにいくらでも、斜めに1〜2コマまたは居食い  
反車前後にいくらでも鯨鯢前後と斜め後ろにいくらでも
車兵前後斜めへいくらでも、左右に1〜2コマ四天王前後斜めへいくらでも、左右に1〜2コマ
隣接する敵駒は動けない
盲虎後左右斜めへ1コマ飛鹿前後にいくらでも、左右斜めへ1コマ
麒麟前後左右に2コマ、斜めに1コマ獅子前後左右斜めに1コマを2回まで
獅子前後左右斜めに1コマを2回まで獅鷹獅子または角行
奔王前後左右斜めにいくらでも奔鷲前後左右斜めにいくらでも、斜めに1〜2コマまたは居食い
鳳凰前後左右に1コマ、斜めに2コマ奔王前後左右斜めにいくらでも
香車前にいくらでも白駒前後と斜め前にいくらでも
桂馬2列前の左右へ横兵左右へいくらでも、前へ1〜2コマ、後ろへ1コマ
猛豹前後斜めへ1コマ角行斜めへいくらでも
鐵将前と斜め前へ1コマ竪兵前へいくらでも、後ろへ1コマ、左右へ1〜2コマ
銅将前後と斜め前へ1コマ横行左右へいくらでも、前後へ1コマ
銀将前と斜めに1コマ竪行前後へいくらでも、左右へ1コマ
金将前後左右斜め前1コマ飛車前後左右へいくらでも
王将前後左右斜めへ1コマ  
酔象前左右斜めへ1コマ太子前後左右斜めへ1コマ

 ここでいくつかの駒について補足が必要となる。

1)大将、副将、飛将、角将の飛び越し
 これらの駒が飛車または角行の動きをする場合、途中に敵味方の駒があっても飛び越して盤の端までの任意の位置へ移動できる。ただし、自分よりも格上または同格の敵駒は跳び越せず、格上の駒は取れない。格は(王将、)大将、副将、飛将、角将の順とする。飛び越さずに直接当たっている場合は任意の駒を取れる。例えば、初手で飛将で飛将を取ることは出来るが、その後ろの火鬼を取ることは出来ない。また、飛び越して王手は掛からないし、王将を超えて飛ぶことも出来ないのである。
 なお、獅子などと異なり、飛び越した敵の駒は取ることが出来ず、到達地点の駒のみを取る。

2)王将3回など
 獅子と同様の不正行度とする。つまり、敵味方の駒を飛び越して行くことが出来るし、敵駒の3枚取り、2枚取って退くなどが可能である。勿論1〜2回でもじっとでも構わない。

3)獅子の特殊ルール
 一切採用しない。足があろうがなかろうが、いつでも獅子を取れる。

4)火鬼
 移動が完全に終了した時点で、周囲の駒を焼く。3枚取りした場合なら、途中に移動した経路の隣の駒は焼かれない。また、火鬼を敵の火鬼と隣接させた場合は相打ちとなる。水牛が敵の火鬼に隣接して成ろうとした場合、成る前に焼死する。

 さて、これでゲームとして成り立つだろうか。火鬼を初手で大将の上の歩兵の上か犬の隣に出せるというのが不気味である。(=^^=;;



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