題名の名訳・誤訳・珍訳集
誤訳以前の問題として、原題をそのまま片仮名で表したものも多い。原題が主人公の名前ならそれで良いが、ちゃんと対応する日本語がある一般名詞でもそのまま片仮名で通用しているものも少なくない。これらを一々挙げているときりがないので、ここではそれ以外のものを取り上げることにする。
Le Nozze di Figaro フィガロの結婚
これは本来、フィガロの「結婚式」あるいは「婚礼」とすべきであると思う。
Der fliegende Hollaender さまよえるオランダ人
これを最初に訳したのが誰なのか知らないが、fliegenは通常「さまよう」と訳されることはない。しかし、ストーリーをよく表している素晴らしい訳だと思う。
La Traviata 椿姫
原作の題名をやや無理に訳したものをそのまま持ってきたもので、事情を知らないと何のことやら意味不明である。
アリア名の名訳・誤訳・珍訳集
Fin ch'han dal vino シャンペンの歌
シャンペンというか、シャンパーニュ地方で発泡性ワインが発明されたのは…と時代考証をするまでもなく、vinoと書いてあるではないか。まだ乾杯の歌と訳したほうが好かったと思う。
Si, mi chiamano Mimi はい、私はミミ
(ロドルフォが自分について語った後、あなたも話してくださいと言われて、)「はい、みんなは私をミミと呼びます。」と答えている。その後には「でも私の名前はルチーアです。」と続くのである。「はい、私はミミと呼ばれています。でも…」の最初だけ取ったとしたら、見識を疑わざるを得ない。
歌詞の名訳・誤訳・珍訳集
これは無数にあるので、昭和時代のレコードの付録や音友等から出版されていた本の対訳をじっくり探して後日ご紹介したい。