徹底(?)比較!両者の髪型

全ての画像が完全に表示されてからお読み始めください。
その方がテンポよくお楽しみいただけるかと思います。



えー、このページでは、髪型比較の第2弾として豊玉の金平監督海南の武藤の髪型を比較検討してみたいと思います。

え?どういうわけでその二人を??と思われたあなた、無理もありません。むしろそれが自然な反応ではないでしょうか。
まず、下の図をご覧下さい。この図は、前回の考察と同様、原作中で髪型の分かりやすく描いてあるコマを参考にしてヤブサカが描いたイメージ図です。










金平監督 武藤
(23巻p137・143、
24巻p94参照)
(23巻p32参照)
…いかがでしょう、こうして並べてみると、この二人の髪型は見た目そっくりではありませんか!

この二人は、南・岸本あるいは牧・神・信長などキャラクタの強い人物たちの陰に隠れがちなため、今まであまり取りざたされることのなかったキャラと言えます。しかも、武藤はコマの中で物理的に他の人物やセリフスペースの陰に隠れてしまっていることも多く(特にvs湘北戦)、髪型が詳細に見て取れるコマは多くはありません。しかし意識して目を向けてみると…彼らの髪型は非常によく似ているのです。酷似です。

前回の考察では、
「似ている」ということが必ずしも「同じだ」ということではない
つまり、
キャラはそれぞれ大切に描き分けられている
そう結論付けることが出来ました。
しかしながら…今回の二人に関しては、あまりによく似ているため、やはり
「ただ描き分けられていないだけなのでは…?」
という一抹の不安が感じられます。本当のところはどうなのでしょうか。検証してみることとします。



まず、二人の髪型の特徴を挙げてみましょう。

1、質感
パーマなのか天然ものなのかは不明だが、ボリューム感のあるくるくる・もわもわ状

2、形
全体的に長すぎず短すぎず。前髪は眉毛上ラインのV字型で、横髪はややタイト。リーゼント風とも言える。眉間部分にはちょろりとやや長い部分が描かれていることが多く、スタイリングのアクセントとなっているようである。

これらの特徴は、金平監督・武藤ともに悲しいほどよく当てはまります。
この時点ではまだこの二人の髪型に明確な違いを見つけることは出来ないように思われます。



それならば!前回の考察で非常に有効な比較ポイントであった「モミアゲ」・「えりあし」に目を移してみます。
井上先生はここで緻密な描き分けをしていることも多く、私にとってこの部位は髪型比較における切り札のようなものです。おそらくここに何らかの違いが出ているのではないかと高い期待がもたれます。早速この部分を比較してみましょう。








(23巻p178、
24巻p92・93参照)
(16巻p107、
17巻p122参照)
玉砕です。
二人とも、モミアゲ・えりあしともに一般的な形に刈り揃えられていて、目立った特徴はありません。あちこちのコマを探してみても、明確に見て取れる違いは見つかりませんでした。
頼みの綱であったこの比較ポイントも、この二人には有効ではなかったと言わざるをえません。


ここまでの段階では、まことに残念ながら、金平ヘアと武藤ヘアの間に決定的な違いを見つけることができません。
しかし…ここで私は落胆するより先にある衝動に駆られました。それは、

試しにこの二人の髪を交換してみたらどうなるか

という、非常に理不尽な衝動です。しかし、もし仮に二人の髪型に顕著な違いがないのであれば、頭髪部分をそっくり取り替えてみてもそれでしっくりいくはずではないでしょうか。非常に興味がそそられます。是非ともこの場で試してみましょう。





1、まず、画像上でこの二人の頭髪部分を顔から切り離します。
  (分かりやすいよう、髪には名前を書いておきます。)

        



2、髪を移動させて

        



3、交換して

        



4、位置を整えます。

        




…なんということでしょう、驚くべきことに全く違和感がありません!!これでもし、頭髪部分に書いた名前を消してしまったとしたら、
 この図の頭髪部分が実は武藤のものであり、

 この図の髪は本当は金平監督のものである、

などとはこの時点で夢にも思えなくなります!更に言うなら、あまりにはまりすぎていてもうどっちの髪がどっちのものでもいいくらいです。というか、私は一体何をやっているのでしょう。



やはり、金平監督と武藤の髪型は描き分けがなされていなかったのでしょうか。ここまでの流れからすると、そう結論付けざるを得ないかのように思われます。

しかし!本当にそうなのでしょうか。本当にもう手はないのでしょうか?
いいえ、違います。そのような安易な結論を下すのはまだ早いのです。諦めずに注意深く二人の髪型、特に武藤の髪が描かれているコマを拾い、観察することにより、一筋の光がさしてきます。
どうぞ下のイメージ図をご覧下さい。










16巻p119・福田のアリウープに目を見張る武藤。




17巻p80・陵南との延長戦に臨む武藤。




31巻p69・湘北に熱い声援を送る武藤。



いかがでしょう、お気づきになりましたか? そう、武藤の髪には毛の流れに沿ってツヤがあります!!これは全てのコマについて言えることではありませんが、しかし、対する金平監督の髪にはこのようなツヤが描かれているコマが一切ありませんので、やはりこのツヤの有無は両者の髪型における一つの大きな違いと言えるのではないでしょうか。二人の髪型は、全く描き分けられていないわけではなかったのです!!

とはいっても、これは「髪型」の違いというよりはむしろ「髪質」の違いというほうがより正確ではあります。
ただ、豊玉の監督になってから色々とストレスのたまっていそうな30代の金平監督と、日々バスケに汗を流す健康優良高校生武藤。二人の髪のツヤ・ハリ・コシが異なるのは無理もないことです。
となると、むしろ、この二人の健康状態や年齢、置かれた状況などを、髪のツヤひとつで表現してしまう井上氏の画力・描き分けの妙…やはり只者ではないと言うべきでしょう!ただただ脱帽です。


いかがでしたでしょうか。この二人の髪型、前回の3人の考察の時ほど明確な違いではありませんでしたが、やはりひとつの結論を得ることができました。まさに、「諦めたらそこで試合終了だよ」と教えられたような気がします。

★末筆となりましたが、今回の考察は
コマコーさんが「金平監督と武藤の髪型が似てる」と
教えてくださったおかげで出来ました。
本当にありがとうございました〜!(多謝)

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