わたしのかわいいひと。






体を重ねたあの日から、私はこの子とどう接してよいか、どうにも分からないままいる。
妙に親しくなってしまってもかえっておかしいし、だからといってよそよそしくなるのはもっと彼女を傷つける。

久し振りに時間が空いたからと、私から昼飯に誘った帰り。丁度見頃のあじさい園に立ち寄りながら、色とりどりの花を前にしつつも、そんなことばかり考えてしまった。

「…あじさいって、簡単に挿し木が出来るんですよ…先生?…先生?聞いてますか?」

私の悩みなんて分かっていないのだろうな。彼女はいつものまま、少しも変わらず私の目をまっすぐに見る。やはり若い子は、サバサバしているという事だろうか。悩んで、意識して、気を遣ってしまうのは私だけなのだろうか。そんな私を、君は笑うのだろうか。

「ねぇ先生?旅行のあの日から、少し様子がおかしいです…」

心中を言い当てられ、ギクリと表情が強張る。
その時、彼女の伏せられた大きな瞳が、不安そうに揺らいだのを見過ごさなかった。

「そんなに意識しないで下さい。私は先生とえっちがしたくて付き合っているわけじゃないんですから。それに……先生だって…私の体目当てではないと…信じていいのですよね」

あぁ、彼女も不安と戦いながら、しかし私の為に気丈に、普段通り接してくれていたのだな。そんなことにも気付かぬとは、なんと器の小さな男なんだ、私は。

「あ、でも。体目当てでも…先生といられるならそれでい…んっ…んんぅ」

思わず、君の唇をふさいでしまった。食後の化粧直しのせいか、口紅の感触がぺったりと私の唇に張り付く。
私が、私の揺らいだ態度が、彼女を不安にさせ、心細い思いをさせているのだ。君の強がりな台詞の陰に隠れた寂しさが、私の胸を締め付けた。
もう、もうそれ以上…。

「それ以上自分を傷つける様な事を言ってはいけない」

唇を開放すると、君はフラフラしながら近くのベンチに座り込んでしまった。

「…お、驚いた。先生がこんな人目のあるところで…」

彼女にはいつも驚かされてばかりの私だが、今回ばかりは私のほうがうわてだったようだ。
目をぱちくりさせている君がかわいくて、愛しくてたまらない。
彼女は気を悪くするどころか、いつもの元気な君に戻ってくれたようだ。あんなキスで…よかったのだろうか。

だが、少々無理をしすぎた。人前でキスするというのは、想像以上に恥ずかしいものだ。
……もうするまい。






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ぎゃー!お久し振り過ぎて、初めまして、といった方がいい位ですね。
1年ぶり…信じがたいけど…1年…。

先生はホラ、古い人だから、人前でチュウなんて
恥ずかしくて出来ないお年頃なんですよ。
でも、がんばってチュウしてくれたら嬉しいなぁ…なんて。
ダメ?

まだ行洋氏の夢を読みたがっている人なんているのかな。
ま、自己満足だからいいか。
細く長くでも、人気がなくなっても、続けてゆくって決めたんだから!

05/08/04

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