夜は闇、闇は蜜。
| が部屋に戻ると、行洋は窓の縁に座って酒を飲んでいた。 「…先生?」 部屋が暗く、目が慣れるまでに少々時間を必要とした。 外の景色に目をやっていた彼は、そのままに微笑む。 「部屋が暗くて驚いたろう?月がきれいだったものだからね」 その月を綺麗に見たいがために、部屋の明かりを消したらしい。 は言われるままに窓まで歩み寄り、外を見上げた。 「わぁ!本当にきれい」 細いながらも、情緒のある月である。 「大浴場の方もいい湯だったろう?」 「…はい」 行洋は自分と揃いのおちょこを冷凍庫から取り出すと、そこへ日本酒を注いだ。 は行洋と同じ様に窓の縁に座るとガラス製のおちょこを手に取った。 「酒など君にすすめるべきではなかったかな」 は微笑んで首を振ると、おちょこを差し出した。 「乾杯」 そう言ったものの、何に対しての乾杯なのだろうかと考えると、は虚しくなった。 未来の無い私たちに乾杯なんて…。 …考えるのは止そう。きっと行洋も同じ虚しさと闘っている筈なのだから。 「このお酒、金粉が入ってる…きれい…」 感嘆の声をあげると、行洋も嬉しそうに頷いた。 「金粉は体によくてね、今食材としても注目されているんだよ」 へぇ…と相槌を打ちながら、おちょこを口に運ぶ。 「あ…美味しい…」 日本酒は苦手なであったが、意外な飲みやすさに思わず顔がほころんだ。 「先生…どうして本当の事、話して下さらなかったんですか?」 酒がまわってきたのだろう、ほんのり色づいたのほほが可愛らしい。そんなに見惚れていた行洋は突然変わった話題に驚いてしまった。 「ん?何の事だね?」 「以前お付き合いされていたさん、本当は若くして亡くなったって…」 「知ってしまったんだね」 「ごめんなさい…探りを入れるつもりはなかったんです」 「そんな事はいいんだよ。それより…気を悪くしただろう?済まない。 あの人が亡くなったという事を…無意識に認めたくなかったのかも知れない」 「…そんなに思い詰めた顔、しないで下さい」 弱い弱い月明かりが、行洋の表情を映し出していた。 は彼の顔をハッキリ見たくて、灯りに手を伸ばすが、行洋にそれを制された。 夢でいよう…そう言いたげな憂いを含んだ行洋の瞳…。 も頷く。 今夜の事は…そう、昔の女の幻想と、月明かりの悪戯。 はその瞳に吸い寄せられるように、立ち上がると行洋に近付いた。 「先生のキズ…私が癒してあげられますか…」 座ったままの行洋に、からそっと口付ける。 遠慮がちなキスから、いつの間にか主導権は行洋に移り、激しく口を吸われた。 「…っん」 苦しくなって行洋から顔を離すと、今度は行洋が立ったままのの胸に顔を埋めてきた。 「やっ…!先生…」 驚いて身じろぐが、行洋の両腕がの腰にしっかりと巻きつき離そうとしない。 足を開いた行洋の間に、自分の体が入ってしまっているこの状態を淫らに感じるが、しかし行洋から視線を外すことが出来ない。 「…先生」 は自分の胸に顔を埋めている愛しい人の頭を撫でる。 それを合図のように、彼女の腰にあった行洋の手が、尻に下りた。 大きな掌全体でのヒップを堪能するように、起用に波打つ。 「あっ…」 浴衣の裾を少しずつたくし上げられ、太ももの内側からゆっくりと触られた。 更にはショーツの上から尻の割れ目に指が差し込まれ、慌てて抵抗する。 行洋に胸を差し出し腰を振っているかのような体勢がにとっては恥ずかしくてたまらない。 「君…好きだ…」 くぐもった声が聞えたかと思うと、行洋は顔の位置を少し移動し浴衣の上からの胸を優しく噛んだ。 「…っん」 突然の感覚に、思わず声がもれてしまう。 そのまま行洋の甘噛みが続き、体の芯から否応なく疼きが押し寄せてくる。 「っや…浴衣…汚れちゃう…ん」 「浴衣を脱がすのももどかしいよ」 行洋の唾液で浴衣の胸の部分だけ湿り、色が変わっている。 敏感な箇所を行洋にアピールしているような、恥ずかしい浴衣…。 「君の可愛いココが、だんだんとしこってきたよ」 行洋は言いながら、再び硬く立ち上がった小さな突起を優しく噛んだ。 「っん、は…ぁ…だめ…すごく感じます」 「君は…私を困らせるのが好きだね」 「そんな…私、先生を困らせてる?ごめんなさい…」 俯くに、行洋は優しく笑った。 「そうじゃないんだよ。君のそんな可愛らしい姿を見せられたら、我慢がきかなくなるだろう?君とは…その…肉体関係は持たないようにしようと決めていたのに…」 「嬉しい…」 行洋は視線を上げ、泣きそうなの頬に手を伸ばした。 「…後悔しないかい?」 は暫く間をおいてからしっかりと答えた。 「きっと後悔します…でもこのまま途中でやめたらもっと後悔します」 |
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お久し振りです…。
すっごい更新遅くて面目ないですー(T_T)
長くなってしまいそうなので、一旦区切りました。
続きも多分書きます。
04/01/15