通りすがりの小話


紅葉さん(@rion_vir_yume)の女審神者・真宵ちゃんと、彼女の初期刀兼近侍の山姥切国広が登場する小話。
真宵ちゃんの設定→審神者設定(別窓)

目次
魔性の甘露―真宵を見かけた風花―
くもの巣―真宵を見かけた幽霧―
苦労人はどこにでも―真宵の山姥切が出会った依代の歌仙―
後一歩だった―真宵と火輪の会話後―
同源別個体の積極性―真宵が見かけた鴇環―
まさかの認識―真宵が出会った若竹と笠氷―









魔性の甘露―真宵を見かけた風花―

演練で小柄な黒髪の女審神者の一行とすれ違った時の事。
「あれは恐ろしい娘じゃな。」
「まったくでございますな。」
「そうなの?」
小狐丸と、鳴狐のお供の狐の呟きに、風花の審神者は、きょとんと首をかしげた。
「ええ、人ならざるものによっては甘露のような、そのような力を持っておりまする。
ぬしさまにも、お分かりかも知れません。」
「んー、そうなのかなぁ?可愛い子だなーってのは思ったけど。」
風花より、頭1つ分小さそうな背を眺めると、
少女の傍にいた山姥切がじろりと睨みつけてきた。
「何か用か?」
「え?!う、ううん!
知り合いの女の子に似てるな〜って思って!ごめんなさーい!」
どうやら無礼を働かれたと思ったようだ。付喪神は時々気難しい。
実家に若い付喪神が居る風花は、それを良く知っている。
どう考えても苦しい言い訳だが、無理矢理押し切って逃げ出した。
「ああ、主殿!お待ちくだされ!」
慌てたお供の狐が、とんずらした風花を追いかけていく。
残った鳴狐と小狐丸は、揃って肩をすくめた。
「狭量じゃな、山姥切の。」
「……大人気ないね。」
ちくりと嫌味を言えば、返ってくるのは鼻笑いだ。
「ふん、何とでも言えばいい。」
山姥切にしてみれば、
主が持つ、小狐丸曰くの甘露のような力には良い事ばかりと言うわけでもない。
神経を尖らせるのは当然の事だ。それが例え、主と同性の同業者であっても。
しかし、他の刀と話し込んでいた彼の主たる少女は、
どうやら背後の騒ぎに途中で気付いていたようだ。
「国広。女の子を脅かすなんて、感心しないな。
そこの二人にも失礼だろう。」
振り返った彼の主は、頭1つ分以上大きな近侍を恨めしげに睨んだ。
「近侍がすまない事をした。代わってお詫びする。」
「いえ、お気になさらず。
他の本丸のぬしさまに頭を下げさせたとあっては、怒られてしまいます。」
「だが……。」
小狐丸はそういってくれたものの、少女は困っていた。
本人に詫びようにも、逃げた風花は、すでに人波の向こう側。
顔すら見ていない彼女が見つけられるわけもない。
詫びにと渡せる品の持ち合わせもない。
「いいから、気にしないで。もう、行かないといけないし。」
「あ、ああ、そうか。引き止めて申し訳ない。」
鳴狐までもが気にするなというのなら、それ以上引き止める術を彼女は持たない。
少女に軽く会釈して、小狐丸と鳴狐は主を探しにその場から離れていった。
「……話しやすい子だったかも知れないのにな。ああ、残念だ。」
「責めてるのか……。」
「そんな事はないよ。ただ、残念だなあと。」
どう見ても、少女は機嫌が悪かった。
時折、人間の知り合いも欲しいと口にする位だ。
年頃の近い、それも同性と知り合う機会を目の前で逃して、面白いわけがない。
「あれは妖の末裔だ。あんたに危害を加えるかもしれない娘だぞ。」
「ほう。あの小狐丸と鳴狐を見て、そう言うのか。
いつからお前の目は曇ったんだ?」
明らかに根に持っている。山姥切は痛感したが、謝る気はない。
「万一があったら困るんだ。分かってくれ。
いくら年が近くても、何もわざわざ危険なものを選ぶ事はないだろう。」
「お前は私の父親か。交友関係位、自分で見極めるさ。」
素直な懸念を口にすればどうかと思えば、薮蛇だった。
どう機嫌をとるか。口下手な彼は、深いため息をついた。







くもの巣―真宵を見かけた幽霧―

それは、審神者と刀剣の憩いの地である街でのこと。
「あれは何だい、鶴丸。」
幽霧の審神者が、ぽつりと呟いた。
虚ろが常の鶯色の目が、灰緑色のフードの隙間から見据える先。
そこには、甘味処で休む3人組の姿がある。
山姥切国広と、その兄弟刀の山伏国広。そして、主たる黒髪の小柄な女審神者。
一見すれば、男手を借りて買出しに出ただけの娘。
ただ、呪術の才に長けた幽霧の目には、少女に絡みつく異様な姿の縁が見えた。
粘り絡んだ、どこか禍々しい強固な縁。
「ああ、あれはくもの糸さ。」
「くもの糸?」
「あなたの言い方は、分かりづらいよ。鶴丸。」
眉根を寄せた幽霧の傍らで、小夜が呟く。
「だが、あれはくもの糸としか言いようがないさ。
こいつはまた見事に絡んだもんだ。もう、くもの巣だな。」
くつくつと、鶴丸は喉の奥で笑う。
刀剣と主の間に結ばれる縁。それは普通、例えるならば糸だ。
たまにそのうちの一振りと特別な関係になれば、少し形が変わる。
しかし黒髪の審神者に伸びる縁は、契約している刀剣全ての縁が、変質している。
幽霧が、思わず「あれは何だ」と問うのも当然だ。
「40余りの刀剣の縁で作ったくもの巣か。ぞっとするね。」
「ああ、そうだ。可哀想に。
あれじゃあ、輪廻の果てまで逃れられないだろうなあ。」
そう言いながらも、鶴丸の声音は面白がるそれである。
大して哀れとは思っていないに違いない。
「声が笑ってるよ。」
いささか呆れを含んだ声で、小夜が呟いた。
「ああ、すまんすまん。珍しいものを見たんでな。つい楽しくなった。」
「人の不幸は蜜の味って?」
笑い事ではない話だ。幽霧の言葉も、さすがに咎める色を帯びる。
「まあ、縁ある人間の事じゃあないからな。」
確かに、見知らぬ人間にいちいち哀れみをかける手合いは、人間でもお人よし程度だ。
「さて、行こう。
あまり興味を持ってるそぶりを見せると、毒蜘蛛に噛み付かれかねないぜ。」
にやりと悪ふざけする時のように笑って、鶴丸は幽霧の手を引いた。
やれやれと、小夜と二人肩をすくめた彼女は、
最後にちらりと少女の方に視線をやった後は、振り返ることなく鶴丸に従い立ち去った。
毒蜘蛛と冗談半分になぞらえられた少女の刀剣達に、
彼らの会話が届いていたかは謎である。








苦労人はどこにでも―真宵の山姥切が出会った依代の歌仙―

たまにはと、主が立ち寄った店での事。
女物の小物が並ぶ店というのは、男に顕現した山姥切には据わりの悪いものだ。
主を目の届く範囲に置きながら、
手持ち無沙汰な思いで立っていると、見知らぬ歌仙が声を掛けてきた。
「おや、付き添いかな。」
「そんなところだ。」
歌仙という刀剣は、このような小物が溢れる店でも物怖じしないようだ。
さすがは天下の文化人の佩刀だったというべきか。
女物に囲まれた程度では、動じないらしい。
「僕も、主の息抜きに随行した身でね。
ただ、彼女は一人でじっくり選びたいというから、少し離れているんだよ。」
「ここから見える範囲に居るのか?」
「いいや。」
その何気ない返事に、山姥切はつい耳を疑った。
「正気か?」
「どういう意味かな?」
「そのままだ。」
微笑む歌仙に、正直に答えた。彼の纏う霊力は、人外に好まれる性質だ。
神降ろしに向く巫女の素養。
このような力を持つ人間は付喪神にも好ましいのだが、
雑霊の類や妖怪も寄せ付けてしまい、非常に厄介でもある。
山姥切も、いつしか自分の主がこれに近い性質を備えたために、
最近では手を焼いている。
「目を離していいのかと、言っている。」
「審神者の町でかい?ここに、雑霊の類は寄り付けない。
君も知っているだろう?」
それとも、と歌仙は続ける。
「君の主は、よほど女性として魅力的なのかな?」
「はっ?!」
不意打ちに思わず素っ頓狂な声が出る。
―確かに、主は美少女だが!いや、だからって。―
まさか、初対面の歌仙に指摘されるとは。
普段なら当然だと返せるところだが、さすがにこれは驚かされた。
歌仙兼定という刀剣は、細かな所に目の行き届く刀剣だが、
それでもいきなり看過されれば動揺する。
「僕の主も美人でね。
目を離すのは、揉め事の観点から気が進まないんだけど。」
歌仙は、困ったように笑っている。
止むに止まれぬ事情があるのだなと、山姥切にも分かる。
「何分、主は僕らの前では全く気を抜けなくてね。
羽を伸ばしてもらうためには妥協が必要なんだ。」
「……苦労してるんだな。」
小物を見比べて考え込む己の主人を見ながら、ふと考える。
常に目の届く所に居る彼女は、見守りやすくて助かると感謝すべきかもしれない。










後一歩だった―真宵と火輪の会話後―

「あーあ、教えがいがありそうだったんだけどねー。
どこも『あんた』は堅くて困るわー。」
小柄な黒髪の主人を抱えて、一目散に駆け出したよその山姥切を見送って、
火輪の審神者はけらけら笑った。
「あんたが教える事が軒並みろくでもなさそうに見えるのは、
どこの『俺』にも共通の認識なんだろう。」
「おいこら、どういう意味か言ってみな。」
「そのままだ。」
釣り目の主人の凄みに、火輪の山姥切はいたってふてぶてしく返した。

「国広、おろして。」
「……ああ。ここまでくれば、大丈夫か。」
さすがにいつまでも小脇に抱えていては、目立つし恥ずかしい。
主である真宵を降ろして、彼女の山姥切はやっと人心地付いた。
「当世の女には長身が増えたと聞いていたが、あんなに大きい女までいるのか。」
まさか己と目の高さが揃う女と会うとは思わず、彼は今も驚きの余韻が残っていた。
「171cmあるそうだ。すごいな。」
「……後3寸で6尺か。大女だな。」
舌を巻く思いで、真宵の山姥切はぼやいた。
大抵の背丈の男では、彼女を見下ろす事は出来まい。
小柄で、すっぽり収まる真宵とはえらい違いである。
あれが同じ女という生き物なのだが、にわかには信じがたい。
「まったく、惜しい事をした。
あと少しでその秘訣を聞きだせるところだったというのに。」
「そんな話をしてたのか。」
むしろ、まだ身長を気にしていたのか。
以前は子供同然だったが、今では山姥切の胸の辺りまである。
小粒だが、成人女性でもありえないほどではない。
「気にするとも。というよりも、まだ不便があるというべきかな。」
「掃除は楽になったんじゃなかったのか?」
「それが、そうでもない。
色々と、本丸の造りは私と大きさが合わないんだ。」
しみじみと真宵は語る。
「手近な奴を呼びつければ済むだろう。」
「分かっていないな。薬研が届いて私が届かない。
そのもどかしさは、お前には分からないだろう。台所も使いづらいし。」
一般女性よりも小柄な彼女では、女性向けの低い調理台ですら少し高めなのだ。
要するに、日常のあちらこちらで、後5cmでも身長があればという事は多い。
「はぁ……あんたは主だ。
俺達を手足のように使えばいいだけのことだろう。」
「やっぱり分かってないなあ、国広は。」
真宵はやれやれとため息をついた。
「小さいというのは、色々とつまらないんだ。」
「例えば?」
「内緒だ。」
「は?」
思わせぶりな物言いに焦れた山姥切が、
その後も言えとせっついてくるも、彼女はのらりくらりとかわす。

―もう少し大きかったら、こういう時にちょっと背伸びして、
不意打ちのキスなんて、粋な事も出来るじゃないか。―
女にも、女なりの身長ロマンがあるのである。









同源別個体の積極性―真宵が見かけた鴇環―

演練の参加手続きをする場での事だ。
「何を見ているんだ?」
「見てみろ、国広。面白いものがあるぞ。」
くいくいと布を引いて急かす真宵が指差したのは、
己の近侍らしき加州と話す亜麻色の髪の女審神者。
何の変哲もないどころか、気弱そのものの頼りなさげな少女だ。
小柄ながら堂々とした己の主と比べると、背は遥かに勝るのに態度が残念。
そんな印象だ。
何が面白いのか、視線を向けた瞬間は理解できなかったが。
「……そういう事か。」
「な、面白いだろう。」
彼はようやく納得した。
その少女が纏う神気は、契約していない刀剣のものだった。
確かに珍しい。しかもその気配の、刺々しい事といったら。
恋人を見るなといわんばかりに、四方八方に威嚇をしているようだ。
一般に、主への愛着が強い加州が平然としている事が、いっそ不思議である。
主に対するこの執着を、まさか了承しているというのか。
日頃の自分の執着を棚上げして、真宵の山姥切は驚くばかりだ。
「何が面白いって、あれは別の『お前』という事だよ。」
くすくすと、真宵は笑っている。
「俺をそんなに大人しい刀だと思っていたのか?」
「いや、お前以外にも、あんなに露骨な山姥切国広が居たんだなと思って。」
「あの『俺』にとっては、死活問題なんだろう。笑ってやるな。」
名剣名刀揃いの審神者の世界。
まして他の本丸の審神者を恋うとなれば、障害はいかほどか。
真宵の山姥切には分からないが、苦労は計り知れないはずだ。
そもそもどうやって恋仲になったのか、同源でありながら想像も付かない。
「馬鹿にしてるわけじゃない。
同じものから生まれても、仕える主の違いで色々な一面を見せるお前達が、
本当に興味深いと思っているんだ。」
なるほど。彼女の笑みに好奇の色はあれど、嘲笑はない。
気弱な審神者をしげしげと見つめている。
「それにな。」
「?」
審神者から視線を外し、彼女は楽しそうに山姥切の手を取る。
「山姥切国広の良さが分かる審神者が多いのは、実に嬉しい事だ。
もちろん私も、その一人だからな。」
「他の本丸の俺を気にかけて楽しいのか?」
「見かけた時に、ちょっと興味を持つ位はいいだろう。何だ、焼いたのか?」
「さすがにそれはない。
あんたの言葉の意図位、ちゃんと理解している。」
言い方は悪いが、同じ製品を持っている人間に、親近感を持つ感覚だろう。
純粋に同志を見つけた喜びという事位、彼はわかっている。
「そうか、ならいいじゃないか。」
何だか丸め込まれた気がするなと思いながら、
上機嫌な主が可愛らしかったので、山姥切はなあなあで済ませた。









■まさかの認識―真宵が出会った若竹と笠氷―

ここは審神者達が利用する万屋の店先。
連れの三日月と鶴丸から、少し待っててくれといわれたので、
ただいま真宵は店の前で留守番中だった。
―もう15分経ったか。思ったより遅いな。―
待つのは苦ではないが、平安刀2名は時間の感覚に大らからしい。
退屈なので、近くを見回す。
見るからに退屈そうな、老竹色の髪の少年が1人立っていた。
「退屈そうですね。」
思い切って、自分から声を掛けてみた。
「あー、うん。師匠を待ってるんだけどさ。あんたも?」
「ええ、連れの刀を。すぐに戻るといったのに、まだこなくて。」
幸い、社交的なようだ。これなら話が続きそうだと安心する。
真宵はその生まれゆえ、どうしても人間相手のやり取りの経験が少ない。
話しかけたはいいものの、後の事が不安だったので、渡りに船だ。
「そっか。暇だよな〜。」
「5分位で戻ると思ったんですけどね。」
すぐといったら、普通はぱっと買って戻るものだろうに。と、内心で愚痴る。
「寄り道してるんじゃないの?」
「多分そうですね。」
大方鶴丸が、何か目を引く品でも見つけたのだろう。
そんなこんなでしばし話し込んでいると、店から灰氷色の髪の青年が出てきた。
「待たせたね、若竹。ん、そっちの子はどうしたんだい?」
「暇なんだって。喋ってた。」
若竹と呼ばれた少年が答える。彼が待ち合わせていたのは、この青年だ。
「ああ、なるほどね。」
店先で待ち合わせる主従は、珍しいものではない。青年は納得してうなずく。
穏やかそうな人物である。
なかなか成人男性の審神者と話をする機会はないため、
彼とも少し話をしてみるかと、真宵が意を決したときである。
「主、その男共は何だ?」
そこにやってきたのは、目が笑っていない三日月と鶴丸の両名。
声を掛けたのは三日月だが、のっけから刺々しい。
「言っておくが、私から声を掛けたんだぞ。お前達が遅いから雑談していた。」
「ほう、ならもう用はないだろう。さっさと行こうじゃないか。」
真宵がたしなめても、鶴丸も態度が頑なだ。師弟を警戒しているのだろう。
普段はもう少し愛想があるのに。
自分と師弟が立っている絵面が、
少し間違えれば絡まれているようにも見えることについては、考えにない。
「何なんだ。失礼じゃないか?」
「無理無理、モンペはあんたの話なんて聞かないよ。諦めた方がいいって。」
若竹は早々にさじを投げた。弁解の努力すら放棄だ。
「こら、若竹。勝手に人様の刀をモンペ扱いするんじゃない。」
「えー、だってモンペだってこれ。」
「あのな、それはお前さんや幽霧の所のだけで……。」
「……あの。」
部外者を置き去りにする説教が始まった。
真宵は困惑しているし、いきなり過激な保護者扱いされた2名も同様だ。
「こちらの配慮が足りず、すまなかったね。
迎えが来たなら安心だ。こちらは失礼させて頂くよ。」
呆気にとられた3人に会釈してから、青年は若竹を連れて行く。
主を害されるという警戒感を持った刀剣に対する対処としては、なかなか賢い。
「じゃーねー。あ、モンペは程々にしないと、主にうざがられるぞー。」
「お前さんは一言多い。」
「いてっ!」
余計な事を言った若竹の頭を、青年がすかさずはたく。
師弟のやり取りを見送りながら、ここでようやく三日月が口を開いた。
「ああ来たか。」
「少し驚いたな。」
「一体あの審神者の知る俺達は、どんな分霊なのやら。」
「言葉通りだろう。相当うるさい保護者とみえる。」
若竹の決め付けは、何の疑問もてらいもなかった。
2人にしてみれば、過激な保護者と化した自分達など想像も付かないのだが。
「ふむ、ピンと来ないな。」
「俺達は刀や従者であって、親ではないからなあ。」
口々に言って首をひねる2人を見て、真宵は思う。
彼らが親のように強い思い入れを主に持ったら、
恐らくは己の想像以上に面倒くさいのではないかと。



―END―  ―戻る―

それぞれの主従との顔見せ程度の交流話。
個人的に、真宵ちゃん本丸の面々の総合印象は「過保護」。