DTPガイドブック

社団法人日本印刷技術協会（JAGAT）

品名：DTPガイドブック
内容：B5判、98頁、2001年10月(初版6刷)
著者：高畑利雄
発行：JAGAT
価格：2,427円

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これからDTPの基本を総合的に学習しようとする人のための入門書。各ページごとに用語解説を設け，チェックポイントで学んできたことの復習・整理ができるため，テキストとして最適です。

本書はこれからDTPを学ぼうとする人を対象として、DTPの基礎知識を学習するために書かれ、コンピュータ、編集、印刷などの知識・経験がない人でもわかり易いように、できるかぎり技術的な表現を避けてDTPの何たるかを述べるようにしました。
現在わたし達は、15世紀グーテンベルグの活版術発明以来ともいうべき大きな変革に出会っています。これは印刷界の出来事というより、人類文化にとっての大きな変革であって、その原動力となっているのは「デジタル・テクノロジー」です。
古くから人類は文字による情報伝達によって、他の動物とは比較できない高度な文化を培ってきました。15世紀の活版術はこれまでの手作業を機械化することによって、格段に多くの人々への情報伝達を可能にしました。その結果は16世紀の宗教革命に、そして18世紀の産業革命へとつながって、人類が数千年にわたって行ってきた生産様式を根本から変え、物的生産性の飛躍的増大による豊かな生活の繁栄を実現しました。しかし物的に豊かであるべき産業・消費社会は20世紀後半に入ると、富の遍在、エネルギー・資源の浪費、環境破壊などさまざまな矛盾を生じ、前途への不安、行きづまり感が強くなってしまいました。来るべき社会はそうした産業偏重を修正し、未来を予測し、新しい計画を造っていく情報化が要望されています。
わたし達がDTPを考えるに当たっては、それを単なる在来印刷工法の電子化という狭い範囲で捉えるのではなく、広く情報社会に適応していくという視点を持つべきです。紙に印刷するという情報伝達のひとつの手段を越え、時間、距離、場所に拘束されないコミュニケーションを可能にするための、より早い、より広い、より豊富な、そしてより省資源的な情報伝達につながるDTPを目指していきたいと思います。
なおDTPは従来の編集・印刷技術の発展形態でもあるのですから、従来の方法の解説については『新・編集・レイアウト』『新・印刷技術概論』（共に日本印刷技術協会発行）を参照して下さい。

§1 DTPことはじめ
アメリカでの誕生と日本への到来
1-1 アメリカの天才達が生み出したDTP
1-2 日本上陸と日本語の壁
§2 DTPがもたらしたエポック
変貌する出版・印刷
2-1 情報革命と印刷(ｸﾞﾗﾌｨｯｸ・ｱｰﾂ)
2-2 DTPを支えるテクノロジーの発展
2-3 DTPに必要な道具
§3 DTPの根幹
”GUI”と”ウィズィウィグ”
3-1 GUIは使う人にやさしい仕組み
3-2 モニタと紙はここが違う
§4 文字のデジタル化
コンピュータでの表示と出力
4-1 コンピュータでは文字をこう扱う
4-2 フォントに秘められた技術
§5 グラフィックス
ﾊﾟｿｺﾝでここまでできるプロの技
3-1 GUIは使う人にやさしい仕組み
3-2 モニタと紙はここが違う
§6 カラー
コンピュータが可能にした色の世界
6-1 1670万色って本当ですか
6-2 モニタの色と印刷の色を合わせる
§7 ページネーション
文字と画像の美しい融和
7-1 情報革命と印刷(ｸﾞﾗﾌｨｯｸ・ｱｰﾂ)
7-2 DTPを支えるテクノロジーの発展
§8 ネットワーク
DTPと外の世界をつなぐ架け橋
8-1 通信：時空を超えて
8-2 データベース：制作ツールとして活用
§9 プリンタと印刷
データ制作から色校正まで
9-1 出力用データをつくる
9-2 プリンタの機種と使い道を知る
9-3 プロの仕事に必要な色校正のノウハウ
§10 これからのDTP
マルチメディア時代に向けて
10-1 情報化社会とDTP
10-2 DTPで変わるメディア制作の枠組み

高畑　利雄 (たかはた・としお)
1927年長野県生まれ、東京・神田で育つ。東京電機大学、東京芸術大学に学ぶ。現在、グラフィックデザイナーとして活躍するかたわら、書籍・雑誌等の執筆をこなす。日本デザイン学会、日本タイポグラフィ協会および情報通信学会の会員。1995年デジタル・カラー・システム用チャートで特許取得。主な著書に「新・編集レイアウト」「新・印刷技術概論」(ともに日本印刷技術協会発行)がある。

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