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「オマーン旅行記」〜遠い昔に忘れてきたもの〜

                      広島市立安東小学校校長  藤浦 忠司

 12月24日〜12月30日にかけて、かねてからの念願であったあこがれの国オマーンに行ってきました。今までに訪問された多くの方々から話をお聞きし、ビデオを見せて頂いておりましたので、だいたいの様子を知っているつもりでしたが、実際にいって見て、そのすばらしさを実感し、オマーンへの思いを強めることとなりました。
 砂漠が国土の80%を占めることから、我々の想像を絶する暑い国であろうと思いながらマスカット空港のタラップをおりました。が、迎えに来て下さっていたスワーダ校長先生によると、冬期(11月〜3月)は、気温が25度前後で過ごしやすく観光には、最もいい季節だとのことでした。

 広大な砂漠(砂地ではなく小石。南の方に行くと砂地の砂漠らしい)と延々と続く砂浜と紺碧の海。その中で、緑と白のコントラストを演じる椰子の木と建物。道路のほとりに美しく咲いた花(ぺチニアや日々草が主)まるで、おとぎの国に来た感じでした。
 目を遠方に転じると、広大な茶色の世界。草一本として拒否しているがれきの砂漠。更に、そのはるか後方は、これまた全く緑の無い茶色の高い山々。眼下を忘れ、彼方だけを見つめていると宇宙の惑星に自分一人が立っている感じすらします。

 

 そんな自然の中で暮らす人々は、きわめてのんびりとし、誰もが同じオマーン衣装、穏やかで温かい笑顔、礼儀正しい振る舞い、タバコも吸わず、酒も飲まず、町にはゴミ一つ無い。暴走族もいない。洗濯物も見えない・・・私たち日本人が遠い昔に忘れてきた『人間らしさ』を思い起こさせます。
 4日間の滞在で、一番強く印象に残ったのは『オマーンは、今、カブース国王を先頭に230万人の国民が心を一つにして、大自然への挑戦中』という感じでした。目に輝きを失いつつある我々には、オマーンの人々が羨ましく、新鮮に映りました。