天上の海・掌中の星

    “ある意味 余裕?”


今年の冬も、またまたとんでもない積雪と寒さがやって来て。
豪雪地帯の人でさえ音を上げてるくらいの、
際限のない積もりようなんだとか。

 「テレビで見たのがサ、
  おばさんが、朝の4時から雪かきしてて、
  屋根もそうだけど
  新聞屋さんとか入れるようにって道も通してやれやれって、
  朝ご飯食べて洗濯やお掃除して、
  それから10時くらいにはまたスコップ持って出て来ないと、
  玄関先が埋もれて出入り出来なくなっちゃうんだって。」

大通りに面してる市街地のお宅でもそんな感じで。
住宅街とか少しでも奥まっちゃうと、
家の脇に降り積もったのと屋根から迫り出してるのとがくっついちゃってて、
遠くへ放らないと横からも潰されかねないんだってと。
親戚のお家の災難のように、
困るよなぁ大変だよなぁと口にする坊やへ、

 「そんでも行かねぇからな。」
 「何だよ。まだ何にも言ってねぇぞ?」

期末考査が来週から始まる話とか、
せめてそこまで聞いてからだろがと。
話を振るつもりはあったらしい坊ちゃんが、
むむうとやわやわな頬を膨らませる前へ、
もう8枚目のパンケーキを、
ほれとフライ返しでもって すべり込ませてやって。

 「去年だって、雪かきに行きたいってさんざん言ってたからなぁ。」
 「うう…。」

体力には自信があるし寒いのには強い方。
身も軽いから、なんぼでも手伝えるのになぁと
しきりと残念がってた坊やであり。
破邪様の不思議な力を頼りにしないのは見上げたもんだったけれど、
それでもね、
慣れのない子が行ってもそれほど力にはならないかもだから、
結局、もっと大人になってからにしとけと諭されたのだった。

 「第一、期末考査を
  さりげなく どうでも良いこと扱いにしてやがるが。」

久々のいいお天気になりそうな兆しか、
ダイニングへは明るい陽射しが目映いほどに降りそそいでおり。
そんな中、ひとくぎりついたとフライパンを置いたゾロお兄さん。
トレーナーの袖を腕まくりしていたそのまんま、
やや手荒に濡らした手をタオルで拭っておいでの所作の精悍さに、
こちらさんはついついフォークを咥えたまんま、
ほややんと見惚れてしまってたルフィ坊っちゃんだったものの、
そんな相手の持ち出したことへ理解が追いつき、

 「ううう…。」

そのままフォークの先へと前歯で咬みついてしまったり。

  だってよ、今度のは出題範囲がエグイんだもんよ。
  そうか? お前の場合、どんな試験でも難癖つけてないか?
  うううう……。

自分の足元がしっかり固まっとらん身で、
よそ様の心配なんて100年早い…と。
そっちの理屈も重々判るので、
やっぱり歯切れの悪いルフィさんだったりし。
判っているらしいからこそ口ごもるのが
大した進歩だと、内心でほくほくしつつも。
なんだどした、何か言いたいかと
挑発気味なお顔をわざとらしく構える、ちょっと意地悪なお兄さん。


  来週といえば、期末考査の後だか最初だかに掛かってのこと、
  日本の思春期の男女が、チョコレートを巡ってドキドキする、
  毎年恒例のイベントもあったような気がするなぁと。
  どこか暢気に思い出し、
  チョコレートがらみの何か、
  聖封さんから聞いておこうなんて、構えておいでの破邪様で。
  何だかんだ言いつつも、春はもう間近という頃合いでございますvv





  久し振りのおまけ☆☆


  「よお、久蔵。寒かったけど、元気にしてたか?」
  【 みゃうにぃ、みゅうvv】
  「クロも元気か?」
  【 なんなん・なぁんvv】
  「こないだ七郎次さんが送ってくれたメールで
   やっとクロがどんな奴かも見れたぞ。
   凄んげぇ小さいのな、赤ちゃんじゃんか。」
  【 にゅうみゅvv】
  「そか、久蔵も面倒みてやってんのか、偉いな。
   ……………なんか、
   遠くから ぱたぱたとんとんとんって音がすんのは何だ?」
  【 なぁうみゃ、みゃにゃうみぃ。】
  「萌えの音? ふ〜ん?」(笑)
  【 みゃうにゃうみゃんvv】
  「んん? あ、そうそう来週はバレンタインデーなんだよな。
   凄いな、久蔵はそういうことも判るのか?」
  【 みゃうにゃんにゃvv】
  「そかそか、
   島田さんとか七郎次さんが にうすの話とかしてくれるからか。」
  【 みゃうにゅうみぃ……。】
  「それはしょうがないだろう。
   確か犬や猫はチョコレートを食べちゃいかんのだし。」
  【 にゃんみゅうみゃおぅ。】
  「そか、いいによいするから、我慢が大変なのか。
   それは困るよなぁ、うんうん。」


  ……またぞろ、判る人の限られる変なおまけですいません。
  そして判る人なら、
  残念がってる誰か様、
  お仲間の暗示を借りて、
  お家の人に、久蔵ちゃんはチョコ食べても大丈夫と
  二月限定で刷り込む予定なことも御存知かと……。(笑)




   〜Fine〜  12.02.10.


  *日本海側はまだまだ雪が降り積もる日々だそうですね。
   寒いのも大変ですが、
   中2日とかで、5度近く気温が上がる日もあるのが
   却って困りもんです。
   小姫ちゃんが汗かいて、そのせいで風邪引いたらどうしてくれる。

  *それはさておき。
   ウチは女子高生が出て来るコーナーが出来たせいか、
   他のお話では
   バレンタイン熱が
   一頃ほど弾けなくなってるようでして。(当社比 −36%)
   こちらの坊やも、山ほど貰いこそすれ、
   “ゾロには…あげた方が良いのかなぁ?”と、
   まだ微妙に小首を傾げてる段階のようでございます。
   おやすみのちうとか既にしてるクセにねぇ?(大笑)

ご感想はこちらvv**めるふぉvv

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