ロロノア家の人々
  
 
“囲炉裏端にて”
 


 
 夏の盛りに降りそそいだ、健やかで溌剌としていた陽光を滋養に吸っての、それは豊かな収穫を喜んだ秋が通り過ぎれば、山野辺の小さな寒村にも じわりじわりと冬の気配が忍び寄る。足早に駆けてゆく秋に追い抜かれぬようにと、夏場に世話になった風鈴や簾、簀の子や花茣蓙をしまい、火鉢や綿入れ、冬用のお布団を出して。襖や衝立
ついたてといった建具や調度を冬物に取り替えて…と、冬支度もきっちり済ませて、さて。寒さについつい身の縮まる、凍える冬がやってくるのと向かい合う運びとなる訳だが。寒い季節には寒いなりのお仕事やお楽しみも沢山あって。コタツを囲んでのお部屋遊びに、それからそれから季節の美味たち。
「けんちん汁とか、ユリ根の玉子とじvv」
「お汁粉も好きvv」
「おでんvv」
 温かいメニューとそれからね、
「干し柿と凍み豆腐でしょ?」
「お餅の薄切りvv」
「大根も干すんだよね? お漬物のと切り干しと。」
 寒に晒して天然のフリーズドライ。陽に当てて、旨みをじっくり凝縮する保存食。そういうのを下げるのに使うワラを集めて、囲炉裏端にお膝を並べての縄綯いの作業もあったりし。お家の中でのことだから、自然と家族がお顔を揃えて勤しむものがあれこれと増えて。
「今日はツタさんとお母さんと、縁側でお豆腐いっぱい吊るしたんだよ?」
「あ、俺もやりたかったのに。」
「お兄ちゃんは道場でお稽古があったでしょ? それに、上手にワラ結べるの?」
「お前よか上手だもんね。」
「ウソ。お母さんと一緒で、すぐお団子結びにしちゃうくせに。」
「こらこら、どさくさに紛れて俺まで腐すかな。」
 作業の楽しさ、口々に語る、温かな囲炉裏端での団欒のひととき。静かに迫る宵の寒気を阻むため、雨戸で閉ざされた縁側廊下のお外の軒先には、ワラで綯
われて吊るされた、雁木のような乾豆腐の簾が揺れて、いかにもな片田舎の農家の冬景。

  “…ここは“DASH村”かい。”

 あいにくと八木橋くんもアヒル隊長も いませんが。
(苦笑) 風格さえある立派な梁がどっしりと据えられた天井は高く。落ち着いたつやの下へ深みのある黒っぽい色味の沈んだ、広々とした板の間には、中央の床に刳られた囲炉裏しか火の気はないというのにね。炭火の遠赤外線効果の素晴らしさで、囲む家族の頬にはほかほかな赤みが差しており、晩秋から冬へという寒い夜長の肌寒さも何のその。
「お団子も良いけど、お焼きも美味しいな。」
「ふかふか、お芋をくるんで蒸したのvv 昨日作ったよね? ///////
 幾つになっても食いしん坊なお母さんや食べ盛りのおチビさんたちへと、美味しいものをたんと提供する側、ツタさんやお手伝いさんにもね。最近になって力強い“助っ人”が現れて。まだまだ踏み台が要ったりするのだけれど、小さなお嬢ちゃんが一緒になって、お団子こねたり摺り鉢を押さえたり、頑張ってお手伝いをしてくれるようになった。お兄ちゃんが道場にて剣の習練を始めたもんだから、自分も何か習い事をしたくなったらしいのだが、村の中央からは少しばかり外れたところのあるお家なので、お習字やお琴の先生の住まうお家からはかなり遠くて。
『こんな可愛い子を、そんな遠くへ一人で行き来させるなんて。』
 行きはともかく帰りが心配。村にお住まいの皆さん方は、みんな良い方ばかりだと信頼してもいるけれど。村外れの、しかも何かと事情
ワケありな一家を付け狙う、他所から入り込む不届きな輩は絶えないもんだから。いつ何時であれ油断してはいけないという熱弁を振るい、
“…そんなこと言い出したら、遊びにって毎日のように子供たちだけで村の広場まで出掛けてるのはどうなるんだか。”
 暢気で大雑把な奥方でさえ“あれれ?”と矛盾を感じることだのに、娘かわいやは相変わらずな、父上で師範の大剣豪様が、絶対反対を一人で唱えてくださった結果の、お家でのお手伝い。おやつのお菓子や晩のご飯の下ごしらえ。お外に出掛けてなかったならば、進んでお手伝いする、家庭的なことの大好きなお嬢ちゃま。そんなに食いしん坊さんではなかった筈が、作る側になったればこそレパートリーの話題がつい出るらしい。
「クルミのお団子も美味しいよね?」
「そうですね。」
 ゴマ団子に黄粉のあべかわ。昔からのおやつは、どうしてだろうか…単純な作りなのに何とも言えない深みのある味わいがどの世代の誰にでも愛されて。だからこそ廃れずに、代々のお母さんから子供へと引き継がれ、今に至るのでしょうねと。お父さんには熱いお茶を、お母さんと子供たちにはちょっぴり甘くて温かいしょうが湯を淹れつつ、ツタさんが答える。自然の恵みに、人間の一手間一工夫。例えばお酒なんかは自然にあった訳ではなかろうもの。果汁を貯蔵していたものが発酵し、それが案外美味しかった。きっとそんな些細なことが始まりで、些細だけれど“人”が手を掛けたからこそ起こった変化や生まれた美味風味。
「それがお団子の始まりかどうかは知りませんが。」
 昔々の大昔。まだ稲作がやっとのこと始まったかどうかというほども昔に、人は森でたくさん採れるドングリの実を、晒して粉にして団子にして食べていたそうで。(饅頭の始まりはまた別で。こちらは中国から伝わった羊肉の入った饅頭を、されど肉を食うのはちょっとと懸念した人々が、小豆で作った餡をいれてアレンジしたのが始まりだとか。)
「あんなに渋くて不味いのに?」
 そうと訊いたルフィの言に続いて、
「そだよね。凄っごくニガニガなのに。」
 すぐ傍らに寄り添って、坊やがそんな声を上げたということは。この母子、ドングリを生のままで齧ったことがあるんだなと、ツタさんやゾロにはあっさりと伝わって。好奇心からのことではあろうが、何でもお口にしてしまう困ったところが似てどうするかと“やれやれ”という苦笑をしつつ、
「ええ、ですからアクを抜くんですよ。」
「アク?」
「あ、みお、知ってるよ。」
 家族で囲む、暖かい囲炉裏端にて。さらに温かくとばかり、こちらさんは大好きなお父さんの羽織る作務衣の懐ろへともぐり込んで、そのお膝に座っていた小さなお嬢ちゃんが、は〜いと、これまた小さな手を上げる。
「イガイガってしてて苦くて、お口の中に膜が張っちゃうの。」
 苦〜いのと、鹿爪らしく眉を寄せて見せ、
「前にシマさんがゆってたもん。」
 その時は栗のお話だったけど、木の実はアク抜きしてからでないと美味しく食べられないよって。
「そうですね。お野菜にも少しは含まれているんですが、木の実のそれはもっと強烈なので、灰汁につけておいたり、何度も煮たりしてそのえぐみを取るんですよ?」
 コンニャクいもも、そのままだと なかなかのアクだそうで。あと、やはり木の実の“トチの実”を使うお団子もそう。お餅に混ぜるトチの実はとってもエグくて、そのままでは到底食べられないから、何度も煮てはアクを抜く。それでも滋養が残ってるというから、どれほどの山の幸なのだかだよねと、思うと同時。そんな手間をかければ美味しく食べられると分かるまでは、苦いまんまで食べてたんだろうか。
「美味しくないのに、何で諦めなかったのかな?」
 無邪気に小首を傾げるお母さんやお嬢ちゃんへは、
「そうそう不思議なことではあるまいよ。」
 お父さんが穏やかそうなお声で答えてくれる。だって昔は、今ほどあちこちから物を取り寄せることは出来なかった。だから。手元にあるものでお腹を満たすしかなかっただろうしね。大人には我慢出来た苦みを、きっと…子供たちにも食べやすいようにって、そう思って。どうやったら美味しくなるのかなって、色々と研究したんだろうさと、懐ろネコになっているお嬢ちゃんの黒い髪を優しく撫でてやる。
「子供たちにたくさんご飯を食べさせたくて、しかも美味しいもので喜ばせたくて。大人たちが頑張って研究したんだろうな。」
 大切な人に美味しいものをたくさん食べてほしい。美味しいねって笑顔を見せてくれるのが嬉しくて、大事な人への想いを込めて御馳走を作るのであって。
「みおも、みおもっ。お父さんがみおの炒ったギンナン美味しいって食べてくれたの、すごい嬉しかったもんvv」
 蓋がついた金物のザルに入れ、火の上で炙っただけだったのだけれど。焦げないように、何より火傷をしないようにと。周囲の大人たちをハラハラさせた、初めての火を使った“おりおり
(お料理)”がそれであり、
「ああ、とても美味しかったぞ。」
 いい子いい子と頭を撫でてくれる、お父さんの大きな手の温かさへ。うふふんvvと嬉しそうに、愛らしい大きな瞳を細めての御機嫌なお顔をするお嬢ちゃん。そんなみおちゃんとさして変わらぬ造作の、しかも相変わらずの童顔なまま、
「そだぞ。ゾロも昔はな、そんな得意じゃないけど、自分しか居ない時はそりゃあ美味しい焼き飯とか、母ちゃんに作ってくれたんだぞ?」
 低いお鼻を高々と反らせて、ルフィ母さんが大自慢。
「え〜、ホント?」
「凄い凄いvv
 ………えっとえと。随分初期のお話になりますが
おいおい、ウチのゾロさん、確かお料理したことがあった筈でして。
「普段は何食っても同んなじって顔でいるのにサ。美味しいものの作り方、ちゃんと知ってたんだもんな。」
 にっぱしと笑ってそう言って。手びねりの湯のみを両手に抱え、ふうふうと口許を尖らせて冷ましながら、甘いしょうが湯をちびちびと堪能する。いかにも幼い仕草が、ご亭主のみならず、ツタさんの眸にも何とも可愛らしい所作として映る、相変わらずに稚い奥方であり、
「それを奥様にだけ披露なさったのは、大切な方にこそは美味しいものを食べてほしかったから、ですよね?」
 ほこほこ、温かそうに微笑むツタさんからのお言葉へ、
「………さあ、どうだったかな。」
 視線を宙へと泳がせて、白々しくも素っ惚ける旦那様だが。骨惜しみはしない働き者でありながら、所謂“家事”にはルフィ以上にとことん疎くて。直火の真上へ まんまかざして焦がした肉や魚や、かんかんに熱した鍋にいきなり冷たい材料を放り込み、鍋の方をお釈迦にした経緯も数知れずの、ある意味“強わもの”な父しか知らなかった子供たちにしてみれば、
「凄〜い。ねえねえ、みおもお父さんの“おりおり”食べてみたい〜vv」
 お膝の上にてお父さんを振り仰ぎ、向かい合わせになってまでして、素直におねだりが飛び出すお嬢ちゃんと、
「ホントに美味しかったのかなぁ?」
 怪訝そうに目許を眇めて、だってお母さん、割と何にでも“美味しい”って言うもんなと。こんなところにもライバル心が覗いちゃう、負けん気の強い坊やだったりしたりもして。ふぬぬと一丁前に腕を組んでの“怪しいな”のポーズを取った坊やへは。お母さんご本人が、お父さんとおそろいの緑の髪を乗っけた坊主頭をぽふぽふと撫でてやる。
「お前も知ってるだろうが。母ちゃんがたっくさん食べるのは。」
「う…ん。」
 こんなに細いのに一体どこへ入るやら、お米一俵分のおむすびだってあっさり食べちゃえる、恐ろしいほどの豪傑お母さんだというのは、この家の者にとどまらず…村中の人が知ってる恐ろしい事実であり。
「海ではな、うっかり食べ過ぎると食料が途中で無くなっちまう。そんな時に、こ〜んなでっかいウミネコって海獣が出たのへ、食いもんだから倒しちゃるって、刀を抜いてくれたりもしたんだぞ?」
 ………そいや、そんなこともありましたな。
「砂漠では、やっぱりこ〜〜〜んなでっかいオオトカゲやオオサソリを、一緒に倒して腹一杯食ったしな。」
 ゴムの両手を高い天井まで延ばして、途轍もない大きさを“こ〜〜〜んな”と表現するお母さんへ、
「うわぁっ。」
「凄い〜vv
 驚いた勢いで、お母さんがお腹空かせたならば、お父さんもお料理とかしたんだという事実をも納得したらしきお子たちだったが、
“何か、論旨が途中でズレとらんか?”
 まあまあ、ご亭主。気難しい師範様も、愛する奥方のためなら何でもしちゃう…という解釈なんでしょうよvv
(苦笑) そんな一方で、

  “そっか、お父さんてばお母さんのためだったら“おりおり”すんのか。”

 やはり一丁前に腕を組んだまま、ふぬぬと真剣に考え込むポーズを取ってる坊やな辺り。お母さんのハートを射止めるには、お料理の腕前も必須らしいと痛感した模様。日頃、荘厳なまでに取っつきにくい、厳しいお師匠様で通ってるお父さんが、フライパンを振っただなんて、とてもではないが想像力が追いつかないってもんなんでしょう。そんな話題にわいわいと、和んだ空気が満ちてたところへ、不意に響いたのが………。

  ――― きゅるる・きゅきゅるきゅる、ぐるるるる…。

 何だか奇妙な物音が、しかも長々と一声。
「…これって。」
「もしかして。」
 キョトンとしてから、皆の視線が集まった先。あんまり美味しいもののお話ばかりしていたもんだから。
「てへへ…。///////
 ちょっぴりと恥ずかしそうに小さく笑ったお母さんの、お腹がとうとう悲鳴を上げたようです。
「それでは、お焼きをお持ちしましょうね。」
 立ち上がるツタさんに、
「あ、みおもちょこっと欲しいですvv
「俺もっvv
 次々手を挙げるお子たちであり、こらこら寝る前にと思いつつ、でもね、お母さんだけという訳にもいくまいと。お父さんがしようがないなと苦笑をし、ツタさんがくすくすと笑いつつ席を立つ。どこまでもお元気で明るい、相変わらずのご家庭であるらしいです。










            ◇





 さてさて。そんな団欒から、時は流れて ン年後。それなりに腕を磨いたその末のこと、もっともっと強くなりたい、そのついでに世界の果てまで見て回りたい。そんな一念を発起させ、お友達の衣音くんと共に、魔の海“グランドライン”へと旅立った長男坊やであり。
「ああそうだったな。ルフィさんって一杯食べたから。」
 さらさらとした綺麗な黒髪を潮風になぶらせながら、可笑しそうにくすくすと笑った相棒が、
「暴走大イノシシの一件なんて、独りで倒した武勇伝だけじゃなく、その後どれほど平らげたのかまでが伝説になってるくらいだし。」
 懐かしそうにそうと続けて、随分と気温が上がって来た海域を船の周囲にぐるりと見渡す。まだ十代の、しかもほんの一握りという顔触れで、よくぞここまで無事に来たことと、誰もが感嘆するか胡散臭げに怪しむ、まさに奇跡の航海を続けている彼らであったが、
“暴走大イノシシねえ…。”
 上甲板に全員集合して、焼き立てパンとハムエッグにトマトサラダの朝ご飯を食べながら、これから向かう先とやらを眺めようぜと言い出した、緑髪の船長さん。船端に胡座をかいて腰掛けてる姿は、見る人が見れば懐かしいあの大剣豪の若かりし日のそれにさも似たり…な、どっしりと鷹揚としたそれであり。そのくせ、悪戯っぽい眸を隠さない表情豊かな面差しの雰囲気には、麦ワラ帽子がよく似合った、かつての“海賊王”の面影もあったりするから、
「それってホントだったらかなり派手な話じゃないの?」
 どこまで信じていいのやらという含みもありありで。世間から身を隠してた人がすることかしらと、彼らのお話、一応の常識から断じて怪訝そうな顔をして見せたのが、3人しかいない仲間内の紅一点、ベル嬢の反応だったのだけれど。
「陸(おか)ってのはね、土地によっては地続きな割に情報の伝播は海ほど早くはないんだよ。」
 衣音くんが苦笑をして見せ、
「都会の色々な賑やかさや、景気や世情の移り変わりなんかていう“新しいこと”は無条件でどこへでも伝えられるニュースだけれど、田舎の方で何が起こっても都会の人の関心はなかなか呼ばないからね。」
 だから。破天荒なことをやらかすルフィさんだったり、いつまでも強い人であり続けてた大剣豪の師範の噂は、それをこそ必要としていた輩たちの耳目に届くのでさえ、随分と時差を抱えてのことだったに違いない。

  「…で。そのでっかいウミネコってまさか…。」
  「そうそう。きっと“あれ”のことだと思う。」

 彼らの船の進行方向から見て二時の方向。突然盛り上がった海面の、大きく揺れてる波間から姿を現した、山のような海王類がいて。商売繁盛の置物の、招きキャットによく似た剽軽な姿ではあるけれど、ともかく………デカい。

  “これを見て、大変だ〜〜〜っと慌てずに、
   食いもんだ〜〜〜っなんていう反応になったご両親って、一体。”

 そうだね、ベルちゃん。破天荒な海賊王さんはともかく、沈着冷静で鳴らしてた筈の大剣豪…の卵さんまでが“それ”ってのはどうかと。
“そういや、パパが言ってたけれど。”
 大剣豪のロロノア=ゾロさんは、酒豪でもあって。お酒さえあればあまりご飯は食べなくても大丈夫だったという話であり、
“自分はともかくルフィさんに、それほど何か食べさせてあげたいって気持ちになったってことかしら。”
 考えようによっては、なかなか微笑ましいことでもあるのかも? でも確か、そんな反応をした顔触れの中には、サンジさんもいたらしいんだけれどもね。
(苦笑) それはそれとして、

  「あれって神聖な生き物だから狩っちゃいけないんだと。」
  「ふ〜ん、そうなんだ。」

 あんな大きな怪物を眺めつつ、そんな呑気な会話を交わしている坊ちゃんたちの神経だって信じられないと、目の前の現実へ口許をひくりと引きつらせ、
「馬鹿なこと言ってないで。一応は回避しなきゃいけないんじゃないの?」
「そうだね。波に躍らされては洒落にならないし。」
 やんわり笑って背後の柵に手をかけ、ひらりと身軽に眼下になる中央部の甲板へ飛び降りた黒髪の航海士くんが向かったのは、舵のある中央キャビンに違いなく、
「ベル、ノットの目視を頼む。」
「オーライ。」
 指示を出した船長さんも、食べかけのトーストを咥えたまま、索具からロープに飛びついて、そのままするすると器用にもバランスを保ちながら、主帆の横桁までを一気に駆け上がっている。
「帆を張れっ。」
「オッケーッ。」
 息の合った子らを乗せた、小さいが多機能な帆船は、大きなウミネコを横手に見ながら、そのまま夏島海域へと直進する模様である。はてさて、どんな冒険が彼らを待っているのやら。ご両親が必ず引っ掛かったような“食い道楽”系統の落とし穴には、くれぐれも気をつけるんだよ?





  〜Fine〜  04.12.15.〜12.19.

  *カウンター160,000hit リクエスト
     ひゃっくり様
      「ロロノア家設定で、子供達が焼き餅を焼くほどラブラブなご夫婦vv」


  *終盤、困った時の“月と太陽”へ逃げてたりしてすいません。
   みおちゃんの“お父さん好き好きvv”ぶりよりも、
   坊やの“お母さん好き好きvv”ぶりの方が、書いてて楽しいのですが、
   これがなかなか、いいネタが思いつけませんで。
   ご両親がラブラブ…なお話という点も、
   あんまり消化出来てないような。うう…。
   ただの食べ物ネタになってしまって、しかも収拾がついてないですよね。
   ひゃっくり様、本当に済みませんです。
(焦っ)

ご感想はこちらへvv**

 
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