月夜見  “月の沙漠”


 陰謀の暗雲が渦巻いていた砂漠の国に、三年越しの雨が降った。人々を苦しめ抜いた悪意が露見し、正しい人々、善良な人々の間に張り巡らされた誤解や齟齬もほどけて、ようやっと明日を、未来を、安んじて見つめることが出来るまでになった。それぞれに軽くはない傷を負ったけれど、軽くはない心の負債を抱えたけれど、でもでも大丈夫。そのままではいないから。露を含んだ野の草花がすくすくと伸びゆくように、これから築かれるものも生まれるものもあるのだから。だから、大丈夫。


"…んん?"
 腹を貫通するほどの大怪我を負い、失血状態になりながら、何度も水分を吸い取られ、加えて毒まで注入されながらも、粘って粘って戦い抜いた彼だから。それら以前の何よりも、疲労困憊してのこともあろう。三日三晩という長い間、高熱に魘
うなされて眠り続けた我らが船長も、やっと回復して目を覚ました。そこでようやく一心地つけた面々へ、こんな時だから大したことは出来ないがという国王や皇女のはからいから、豪勢な食事の宴へと招かれて、それからそれから豪華な風呂を堪能し、それは贅沢なもてなしを堪能して部屋へと戻るその途中。…ふと。ルフィが、廊下を行くそのコースからふらりと外れたのに気がついた。
"戻れるのか? あいつ。"
 他人のことは言えないが彼もまた迷子になる天才だ。一応は回復したとはいえ、彼には珍しい"発熱"の後でもある。山ほど食っても体力への変換には時間も掛かろう。そんなこんなな何やかやという言い訳よりも正直なところ、訳もなく気になって後を追う。
"………。"
 まるでここで生まれ育った人間であるかのような颯爽とした足取りで。人気のない静けさのせいでか、どこか整然とした印象の真っ直ぐな廊下をたったかと歩き続けた彼は、やがて通廊の突き当たりにあったアーチ状の刳り貫きをくぐり抜け、見晴らしのいいテラスのようになったところへと出てゆく。あてずっぽうで辿り着いたに違いないと頭では分かっていても、この成り行きには少々…感嘆を禁じ得ないゾロでもあった。もう夜は更けていて、久方ぶりの雨にしっとりと冴えた夜気が風呂上がりの肌には涼しい。ぺたぺたと、新しく用意してもらったサンダルを小さく鳴らしながら、石敷きのテラスの中程まで進み出てゆく小さな背中。空には上弦の月。風や陽射しに長く晒されたそれだろう、白い敷石をなお白く濡らして降りそそぐ月光。
「………。」
 ぴたっと。足元から伸びる小さな影と共に立ち止まって、だが。何か戸惑っている背中だと分かる。道に迷ったからではなくて、行き止まりになったのが不満なような。だが、ただ歩き続けていたかった彼でもないような。行動派の彼には珍しく、ここからどうすれば良いのだろうかと方法を見失って戸惑っているような。それで立ち尽くしている、そんな背中だと思った。そんな様子をつい見かねて、
「…どうした。」
「ゾロか。」
 掛けられた声に、特に驚きもせず肩越しに振り返って来て。そのまま"にひゃっ"と笑うと、
「夜になると少し寒いんだな。忘れてた。」
 エルマルからユバへ。最初の砂漠を越えた時の野営を思い出したのか、両腕で抱くようにした二の腕をこすって見せるから、
「ほら。」
 胸の前に軽く上げた手で"来い来い"と招いて見せる。こっちから寄らずに呼んだことへ、
「………。」
 何だか、何か言いたげに開きかけた口と眸をぱくぱくと瞬かせて。それから…張り付いたようになっていた足を敷石から剥がして。くるりと身を返すとパタパタ駆けて来た小さな体が、待ち構えていた広い懐ろへと"ぽふっ"としがみつく。
"………。"
 どちらかと言えば"落ち着きのない元気な子供"な彼であり、立ち止まって何かに見入るより、その中へと同化せんとしてか飛び込むことの方が多い行動派。そんな具合だから飛び抜けて風流な奴ではないが、絶景を目の前にすればそこそこ感じ入ることはあるのだろうし、感受性もこれで豊かな方だろう。ただ、
「どうしたよ。」
「…うん。」
 しがみついたままで口数少ない彼の神妙さの中に。消え入るような風情ではなく、訴えかけてくるものの気配があると、何となく判る剣豪だ。何かの。気配がある。その気色のどこかに、むず痒そうな、駄々とも違う何かの気配。
「………。」
 彼には確かに豊かな感受性が備わっている。他人の痛みをよく理解し、ともすれば即物的な見栄やら虚栄に紛れてしまいそうな"誇り"とか"矜持"とか、今時の慌ただしい時流の中にあっては鼻先で嘲笑されかねないようなものへの理解も深い。
「………。」
 腕の中の小さな温みが持て余している何かに気づいて、剣豪は声を出さずに小さく笑った。そして、


  「…ビビは心配症だよな。」


「………。」
 ルフィの手が、ゾロの着ているお仕着せの胸元にしがみついていた手が、きゅうっと力を込めた。折り曲げられた関節が、まるで牙を剥いたように白く浮かび上がる。気づいていながら、ゾロは淡々とした言葉を続けた。
「他人の痛みに心から感情移入しちまうとこがある。人の上に立つ人間には、他人を思いやれるところも必要なんだろうけどな。それが国ひとつ束ねる立場ともなれば、条件ってのかな、色々違って来るって聞いてる。」
「?」
 顔を上げて小首を傾げる幼い顔へ、ゾロはありふれた"セオリー"を敢えて口にした。
「何万人を守るために、泣く泣く一握りの人々を見殺しにしなくてはならない判断を必要とされることもあるってこったよ。」
 王ともなるとそういう英断も当然必要とされる。というよりも、そんな非情さを、他の者に託さず、敢えて自ら担う責任を負い、多くの人々に代わって罪深き苦汁を飲まねばならない立場だというところだろうか。なればこそ、王や統率者は時に傲岸に見えることもあるほど、強く逞しい心の持ち主であらねばならない訳だが、逆に…それをそうと意識出来る部分があまりに敏感で、すぎるほどに心優しい人物であった場合の悲劇はいかばかりか。
「ビビはそういうのが出来そうにはない性分だから、先々で苦労しそうだよな。」
 世の中はそうそう理想や正道だけで回ってはいないから。理想は夢物語として語られ、正道は、だが、必ずしもセオリーではないものだと、誰もがいつしか苦く噛みしめる。1+1は2だけれど、その"1"には、4から3を除いた1もあればコンマ以下をこつこつと掻き集めた1もある。大人になるにつけそれが判って来るものだから、良く言って融通とか慣習とかいうものが、正道からは外れた間違ったものと判っていながらも大手を振って通用するのだという歪んだ"現実"を呑まざるを得なくなる。
「…今回の騒動も、王やあいつや民衆の大半が善良すぎたから、そこんところへ付け込まれて起こったようなもんだしな。」
 その誠実さへの信頼が深かったからこそ追った傷も深かった。曖昧なその場しのぎの言い訳はせず、厳然とした態度を保った王は立派だったが、その正攻法の隙を突かれて、民からの不審も疑惑も際限無く深いそれへと掘り穿たれた。全ての悲劇の始まり。あくまでも悪に屈しない高潔さがあまりに過ぎたがために招いた、底の見えない疑心と悪夢。
「………。」
 剣豪殿の頼もしい胸元へやわらかな頬をくっつけて、何とも答えず黙りこくっているルフィ。そんな彼にこちらも構わず、
「けどまあ。」
 ゾロはふっと息をつくと、こう付け足した。


   「ビビは我慢強い奴だから、ただのお姫様じゃあないから、
    俺らが心配してやらなくても、もう大丈夫なんだろうけどな。」

   「…っ。」


 まるで濡れた黒耀石のような。目映いまでの闇の輝きをたたえた眸を大きく見開いて、小さな船長がそぉっと顔を上げた。その眸を少しばかり高いところから、こちらもそぉっと覗き込んでやり、
「頑張ったけどそれでも失くしたものも沢山あってさ。それが悔しくて哀しい筈なのに、俺たちには"良かった良かった"って顔して笑ってる。あれって無理からねじ伏せてんじゃなくて、良い意味での"我慢"をしてる顔だよな。」
 諸悪の根源だった"王下七武海"の一角、クロコダイルを叩きのめし、奪われていた雨も戻り、人々の誤解もわだかまりも解けてほぐれて、国を揺るがしていた反乱もようやく終結したけれど。忠臣たちや民たちの大切な命や負った傷。失ったものの存在を決して軽んじる事なく、新たな深い傷としてその胸にそっと抱えたままでいる。だが、
「ただでさえ敵地の真っ只中に潜り込んでた姫さんだしな。その上、俺たちと一緒に修羅場をくぐって来たんだ。そうそう簡単には萎
しぼまねぇだろさ。」
 ここへ到達するまでの破天荒な航海の中。襲い来た数々の敵や刺客たちによって、どんな窮地に追い詰められようとも、諦めの悪さ、粘り強さを示した彼ら麦ワラ海賊団の面々で。ある者は悪あがきにも似た抵抗をするために自分で自分の脚を切り裂きかけたし、ある者は全身が沸騰しかねないほどの高熱をおしてまで豪雪地縦断敢行に同行した。力では敵わぬまでもと巧みな演技力で捨て身の囮になって、ロウによる就縛から仲間を救い出した者もいれば、あくまでもフォロー役に徹して自らを犠牲にし、雪崩から仲間を庇った者もいる。その雪国で何年もの間、心ない権勢者と戦い続けていた小さな勇者もいるし、そんな彼らからの絶大な信頼を集める小さな船長こそがまた、諦めるという言葉を、不可能という言葉を知らないかのように、一度倒すと決めた標的からは決してその眸を逸らさずに突き進む、桁外れの強かさを秘めた"剛の者"だ。
"…まったくだよな。"
(おいおい)
 そんな仲間たちの凄絶な姿を間近に見て来た彼女は、自らもそれは粘り強く奔走をし続けた。そのか弱い抵抗をどんなに撥ね除けられようとも、過ぎるほどの周到さに意気地を挫かれそうになろうとも、唇を噛み締め、何度も何度も立ち上がり、嵐に真っ向から立ち向かった。それほどまでに強い皇女様だから、きっと大丈夫。
「………。」
 深みのある響きの良い声は、音としてだけでなく頼もしい温みも伴って、その胸板から直接小さな船長殿へも届いた筈で。何かを掴みたいような、目に見えない何かを必死で読み取ろうとしていたような眼差しを、剣豪殿の顔へと真っ直ぐに向けて来ていた彼は、

  「…凄げぇな、ゾロ。」

 大きな眸を真ん丸に見開いたまま、心からの驚きを込めたからだろう、掠れかかった声でそうと呟いて見せる。
「どうして俺が思ったこと、そうやって言葉に出来んだ? 俺、自分のことだのに言い方とか判んなくて"ううっ"て思ってたのによ。」
 誰かに言ってほしかった。きっちり形にして上で"大丈夫さ"と。この国がもう大丈夫なのは、さっき国王さんと話してちゃんと確かめられた。だけどでも。ビビが抱えた沢山の辛さとか失くしたものとか。推測してやるどころじゃない、判ってるだけに知っているだけに、何だか…何だかで。それだけの犠牲を払ってまでして得たものの価値を、真価を、ちゃんと知っている彼女だと、ちゃんと前向きで、ちゃんと"大丈夫だ"と判ってはいるのに何だか落ち着けなくって。叫んで気を晴らそうにも何と言えば良いのだか判らないような、そんなムズムズが胸のどこかにうずくまってて。だかだかと歩き続けても、見えて来なくて消えてくれなくて。とうとう夜陰の中に行く手を見失ってしまって途方に暮れていたら………ゾロが声を掛けてくれた。
「なあ、何でだ?」
 懐ろの深みに打って変わって嬉しそうに頬を擦り寄せながら、心からの感嘆を込めた顔を向けられて、
「さてな。何でだろうな。」
 ゾロは珍しいくらいやわらかく微笑って見せた。本来は寡黙な彼だ。そういう物静かな性分だから…などではなく、ただ単にあれこれと言葉を探すのが面倒だから。行動で示した方が早いとばかりに何も言わないまま駆け出していたり、あまりにも足りない語彙で言い捨てた挙句に、それで判らないならそれでもいいさと、ズボラを通していた彼だのに。自分の上を行くほど向こう見ずなルフィの周囲を見回す役どころへ落ち着いてからこっち、まあちょっと待てやと自分で自分にブレーキを掛けられるようになったし、自分よりも不器用で拙いルフィへ、何かと言い聞かせる必要も出て来たし。
(笑) それらとは別に、
"…本音だからかもな。"
 失ったものは少なくないながら、得たもの、確かめられたものも多くあるのは、ビビやこの王国に限ったことではなく。極限状態に追い込まれたことで、鋼鉄さえ斬ることが出来る"呼吸"を会得した自分。そして、
"あれだって…ホントは意に添わなかったさ。"
 レインディナーズの外れ。サンドラ河へと続く広大な砂漠のその取っ掛かり。直接クロコダイルへと迫ろうとして、だが、敢え無く果たせなかった彼らは、対抗策を次へと進め、いよいよの決戦地・首都アルバーナへ乗り込むこととなった。そののっけに、執念深くビビへと延ばして来たクロコダイルの魔手を自分へと振り向けさせて、ルフィは"これから"を仲間たちに託したのだ。

   『ビビをちゃんと家まで送り届けろよっ!』

 自分もここを片付けたら追い着くからと、そういう含みのあった言いようだったのだろうが。名前を顔を堂々と晒して、このグランドラインを行き交う荒くれたちを易々と叩き伏せることが出来る"王下七武海"の一角が、そんな容易く倒せたら苦労はない。
『…何が何でも生き延びろ。この先、ここにいる俺たちの中の、誰がどうなってもだ!』
 ビビへと厳然と言い置いたあの覚悟は、ルフィに代わって言い聞かせたというよりも、自分へと重々言い聞かせたものであった気がする。
『………。』
 本当は。後で散々非難されてもいいから、あの場に残りたかった。だが、それでは同じだとぎりぎりで堪(こら)えたゾロだった。あの場面でこの彼を守るためにヒッコシクラブの背中から飛び降りていたなら、正道が夢だと、現実ではそうはいかないよと断じる輩と同じだったから。だから敢えて毅然と、敢えて黙って別れなければならなかった。かつてルフィに"二度と敗けない"と宣言した不可侵の誓いと同じ、崇高で、だからこそ苦しみや痛みを伴わずにはおれない、厳しいまでの英断。だが、それを幾つも乗り越えることで、自分たちはより同じ人間へと昇華を成すことが出来る。同じ誇りを同じ価値観で把握出来る、より一層"絆"の深い同類項になることが出来る。
"そんな勿体ぶらねぇで、もっと簡単に言えよ。"
 …は?
"同じ大馬鹿野郎になれるってな。"
 ありゃりゃ、それは言い過ぎだろうと遠慮しましたのに。
(笑)
「………?」
 彼なりの感慨に浸っていた間、ちょこっとばかり放り出されていた格好になって。どこかキョトンとしている小さな船長の大きな眸に、満点の星が映り込んでいるのが何とも綺麗だ。それを見下ろして、
「ありゃあ先々で頼もしい女王様になんぞ。」
 にんまり笑って見せる剣豪の言葉に、
「だよな!」
 こちらも満面の笑みを見せる、未来の海賊王である。



  ◇◆ おまけ ◇◆◇


"…ん?"
 さてそろそろ部屋へと戻ろうかいと、廊下に入ってふと、匂いに気がついた。覚えのあるクセのある匂い。正体に気づいて、
「………。」
 苦笑が洩れる。
「ゾロ?」
 どうした?と小首を傾げて見やってくるルフィに、
「何でもねぇよ、ほら、行こうや。」
 笑い返して歩みを進める。何が幸いするか分からない。その"匂い"のお陰で、珍しくも迷わずに皆の待つ部屋まで戻れた。入った途端、中央のベッドが並ぶ辺りに陣取っていた面々が一斉に振り返って来て、
「おう、ルフィ。お前"ボンちゃん"て奴、知ってっか?」
「ボンちゃん? なんだ、そりゃ。」
 正体不明の相手からかかって来た電話へと、皆の注意は集中していて、遅れて帰って来たことをとやかく聞かれることはなかったのだが、
「…。」
 戸口傍の壁に凭れて、煙草をくゆらせている人物へちらりと視線を向ける。ウソップに呼ばれてパタパタとそちらへ向かったルフィを、何げに目線だけで追っていた彼は、ゾロからの視線に気づくと、
「なんだ?」
 さして面白くもない無表情を向けてくるから、
「いいや、何でもねぇよ。」
 こちらも多くは語らない。自分がルフィを追ったように、方向音痴二人を心配して追って来て、二人のテラスでの会話を聞いていた彼であるらしいこと。もしかして…自分がそれと気がつかなかったなら、ルフィのあの気持ちのむずがりはこの彼がもっと上手に宥めていたのかも知れないこと。色々と思い浮かぶものがあるのだが、それこそ言わぬが花だろうと思った剣豪殿である。………さてとて。
「とりあえず、出てみようや。」
ということになって、運ばれた電伝虫からあふれ出した高らかなオネェ言葉に、色々な意味からだろうムカッと来たサンジが思い切り良くマイクを切る。まだまだ騒動は続くらしいが、ここからの成り行きはどうやらエンディングへと動き始めたらしい模様。裏の仕掛けを突き崩す働きをした彼らが、そのままこっそり姿を消すためのエピローグ。はてさて、どんな騒動で幕が下りるのか。当然に生半可なことではないだろうと判っていながら、何となく…。
"………。"
 けろんとしたいつもの顔に戻っている幼い船長を見やっては、口許へ苦笑が浮かんで止まない剣豪殿でもある。窓の外には大きな月影。広大な砂漠はまるで、時間が止まって波も止まった、耳鳴りがするほど静かな沈黙をたたえた海のよう。その空に浮かんで平板な夜を見守っている、至って無口な夜空の守護神の横顔は、やがて出発する彼らに向かってやはり小さく微笑っているようにも見えたのだった。


   〜Fine〜  02.5.21.



  *アニメ組にはこれからが正念場のアラバスタ篇です。
   本誌&コミックス派の方々には"何を今更…"なお話でしょうね。
   まま、感想文みたいなもんだと思ってくだされば。
   で、その第一弾がこれでございます。

   "――― 諦めの悪さなら船で教わった。"

   小さなその身で果敢に打つ手打つ手のことごとく、
   周到なワニ野郎の段取りに踏みにじられて。
   それでも挫けないで、
   体も心もぼろぼろになりながらも文字通り身を呈して、
   戦場と化した愛する母国を駆けずり回った皇女ビビ。
   どんなにか辛かったか、何度絶望を感じたかの、
   壮絶な戦いのクライマックスへの導入部の、のっけからこれですもの。
   やはりここは何か書かずにはいられなかったのですが、
   それにも増して、ゾロルが書きたかった、と。
(笑)
   そしたら何だか『沙漠U』の双子のような話になってしまって、
   いやはや、速攻手書きだとこんなもんです、はい。
(苦笑)
   ビビちゃん、何だか"ダシ"にしたようでごめんなさいです。


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