さすがにあと数日というほども日が迫れば、
テレビでもクリスマスを冠した特別番組が増えており。
アニメやドラマの場合は、
お話の中に、クリスマスにちなんだエピソードが入っているとか、
バラエティや情報番組でも、
可愛らしい動画のダウンロードサービスがありますvvとか、
視聴者の皆様へも素晴らしいプレゼントが当たる
スペシャルクイズを用意しておりますとかいうのはまだ判る。
クリスマスや年末にロードショーという
ドラマの続編映画の宣伝が多いのも、
百歩ほど譲って まあまあ判らんではない。(何様?)
だけどもね、
「この、
歳末だクリスマスだよ、
密着! 交通警察24時っていうのは
どこがクリスマス特番なんだろうね。」
「う〜ん。」
「運転とか注意してねっていうのは、
何もクリスマスに限った話でもないしねぇ。」
「う〜〜ん。」
新聞のラテ覧を眺めていたイエスに、
そうと訊かれたブッダ様が…何とも応じられなくてのこと、
唸ってしまうしかなかったのも もっともなお話で。
単に枠がワイドになっただけなのに、
クリスマス3時間スペシャルとか銘打ってるものもありますしね。
女子高生の“カワイイ”とか“イケてる”とか“ヤバイ”じゃあないんだから、
何にでも付けりゃあいいってもんじゃありません、
そっちの業界のお方々。(笑)
※もーりんは おばさんなので、例えも微妙に古いです・笑
さても
いよいよのクリスマスです、おのおのがた。
その発祥が西洋であるキリスト教。
日本に於いては…まずはの原始宗教に根付いた神道、
それから 大陸の文化に寄り添うて伝来していた仏教が、
先んじてそれは深々と浸透していたが故、
随分と後世になって到来し、あんまり定着しないまま鎖国に突入。
何がそんなに怖かったものか、
徳川の時代には、迫害により殲滅の限りを尽くされてしまわれ、
在ってはならぬもの扱いをされていた歴史的背景のせいもあり。
現在も 率にしたらば微々たる絶対数しかおいででない
クリスチャンの皆様なはず、なのだけれども。
そんな日本でも、クリスチャンであろうとなかろうと関係なく、
いやむしろ、クリスチャンでない方々のほうが熱心に、
クリスマスはどう過ごそうかという話題で盛り上がっておいでのようであり。
日本の関東地区、立川市の小さな下町でも、
同んなじムーブメントは健やかに胎動中。(そんな大仰な)
冬至を迎え、より一層冷たい北風が吹きすさぶようになった今日この頃。
あまりの寒さから、ついつい身を縮こめてしまうそんな中でも。
どこからかクリスマスソングが聞こえて来たり。
どちらかのお宅の門前や公共施設のあちこちなんぞに、
青々としたリースや キラキラしたオーナメントが下がっていたり、
赤と緑のリボン飾りがはためいてたり。
陽が落ちての宵になり、
駅前からの大通り沿いや商店街なんぞに
綺羅らかなイルミネーションが目映く点灯されたりすると。
肌にチリチリと細かい針が刺さるよな寒さは変わらないはずが、
だのに何とはなく、胸躍り楽しい気分になるのも、
日本ではやたら華やいだ印象の強い、クリスマスの効用ではなかろうか。
「…うん、楽しみな日だってのは判るんだけどね。」
でもねぇと。
何とも不可解と言わんばかり、
その眉を微妙にきゅうと寄せておいでの
他でもない イエス様だったりするものだから。
「何か引っ掛かっていることでもあるのかい?」
さすがに“これは様子が妙だ”と気づいてのこと、
コタツのお向かいから、
ブッダ様もまた眉根を曇らせて案じてしまわれる。
雑貨屋さんでのアルバイトもそろそろ佳境で、
クリスマス直前の、週末からの連休にかけては、
明らかに大切な人への贈り物用という
慎重な品定めにおいでのお客さんが増えていたそうで。
『まま、そういうお客様は、
包装の関係もあって店内へ入ってっちゃうから、
私には、どういう傾向のが本格的かっていうのは
まったくもって判らないんだけどもね。』
店の前のスタンドに提げられた、小物を中心に扱ってる担当のイエス様。
まま、お友達同士のプレゼントには丁度いいかもという、
お値打ちながら見栄えも可愛らしいのが揃っているのと、
売り子がイケメンだからということで。
若くて華やいだ雰囲気の人垣は やはり絶えなくて、
売り上げもなかなかの成績を記録しておいでだそうだけど。
そんな中で、何か気になったことでもあったものか
バイトを終えて帰って来たそのまま、
それじゃあ暖まりに行こうかとブッダと共に銭湯へ直行し。
ほかほかになって帰って来ての、
さあ夕ごはんだと、コタツに落ち着いて、
今日は、ナスとキャベツのピリ辛味噌炒めに、
カボチャと高野どうふの煮染めとインゲンのごま和え、
イエスも大好きな茶わん蒸しに、
そうめんとおぼろ昆布を具にしたお澄ましという
ブッダ様渾身のお献立を、
ふうふう・あちちっと
美味しく楽しくいただいていたお二人だったのだけれども。
BGM代わりのように点けていたテレビ番組の中、
クリスマス・イブは仕事入れてませんよ、当たり前でしょーなんて、
女性芸人さんが 半分くらいはネタとしてのお言いようを口にし、
案の定、ドッという笑いを取っていたタイミング。
『…。』
ふと、お箸が止まったイエスが、
“楽しみな日だってのは判るんだけど”と
何を思い出したか、
先の一言を妙に感慨深げに言い出したため。
バイト先で何かあったのかい?と
案じたブッダもまたお箸が止まってしまっていたのだが、
「うん、それがね?」
懸念がありそうな雰囲気だった割に、
問いかけられれば、あっさり口を開いた彼であり。
「顔馴染みの子たちから、バイトはいつまでかって訊かれてさ。」
それで、25日の夕方までだよって答えたらば…。
『あ、じゃあ、イブの次の日も此処でお仕事なのかぁvv』
『? そうだけど。』
『彼女さん、寂しいとか言ってませんか?』
『(ドキ☆)いやまあ、
クリスマスの晩はずっと一緒にいられる訳だし。』
『え? でもでもイブの晩だって、
此処での5時までのお仕事の後で待ち合わせるんでしょ?』
『え? あ、いやまあ・あのその。/////////』
待ち合わせも何も、
一緒に住んでて毎日のように逢ってて、
しかもその上、毎日イチャイチャしてますが…と。(おいおい)
本命の“恋人”が誰なのかまで わざわざこっちから言っても詮無いこと。
つか、暴露しちゃってどうするという ナイショごとだと、
口許をうにむにと たわめかかったイエスだったそうであり。
「…そ、そりゃそうだよね、うん。////////」
心遣いをありがとうと、
何故だかブッダ様がお礼を言ってたりする余話はともかくとして。
「ただ、妙に“イブが、イブが”って言うもんだからサ。」
相変わらず、
螺髪がほどけちゃったブッダのことを指して
(女性の)恋人だと勘違い(?)されているのは まま良しとして。
イブも仕事かとか、イブの晩には逢うんだとか、
24日のことをばかり、妙に熱心に訊かれてサと。
そこがどうにもよく判らないらしくって。
「日本では、実は24日がクリスマスだったのかなぁ。」
そういや、天皇誕生日っていう祭日が23日だものねぇと、
クリスマスに比すれば ずんと最近定まったものを
一緒くたにしたいかのよに持って来るものだから、
「いやいや、
それへ合わせて広まったとするのは順番がおかしいって。」
相変わらず、
柔軟というかとっぴんしゃんというかな発想のイエスなのへ、
ついの苦笑がこぼれたブッダ様。
“…これはやっぱり、
自分の誕生日のことだとは、気づいてないままなようだよね。”
というか、気がついても知らされても、
年越しとか、はたまたセカンドBDの復活祭(イースター)辺りで
すっぱり忘れ去っちゃうのかも知れませんが。(こら)
どうにも理解不能なことへ、
無駄に凛々しくなって見せつつ
む〜んと眉を寄せておいでのヨシュア様なのへ。
ほら、ご飯よそおうかと、
空になってたお茶碗へ 貸してちょうだいと手を伸ばしつつ、
「あのね、何ていうのかな…。」
実を言えば、ブッダもまた、
少し前までは
何でまたイブの方での約束が大事なのかを怪訝に思っていたらしく。
買い物先で顔馴染みの皆さんから
クリスマスの思い出などが持ち出されるのを聞いていて
朧げながら判ったのが、
「20年ほど前の景気が良かったころはネ、
クリスマスっていうと
本命同士の恋人は皆して、
てぃふぁにーのオープンハートのあくせをプレゼントして
競い合うよにリッチなホテルでディナーして。
そのまま、年越しならぬ、
クリスマスへのカウントダウンなんてことをしながら、
夜明かしをしたらしいんだって。」
おやおやぁ?
ところどころがたどたどしい上に、
内容もちょおっと微妙なようですが。(苦笑)
まま、そこはさすがに、
いくら家事のカリスマで嫋やかな雰囲気の人であれ
ブッダ様も男性だしということで、
奥様がたも露骨な話は出来なかったのかもしれぬ。
「カウントダウン?」
そういう方向で詳しくはないからこそ戸惑っていたその上、
ブッダの語りようが
当然のことながら、後ろ暗さなぞ一点もない自然なそれだったからだろう。
イエスもまた
説明そのものへは引っ掛かるものはないままの素直に聞いており。
ほかほかのご飯を盛った茶碗を差し出しながら、
ブッダもうんと頷くと、
「ほら、おたおめメールとか あけおめメールとか、
日本人て、日付が変わる瞬間に送り合ったりするじゃない。」
「? うん、そうみたいだけど?」
ありがとうvvと ご飯を受け取りながら、
自分のことは棚に上げ、
宵っ張りな子が多いからねぇと頷いて見せるイエスなのへ。
さもありなんと口許をほころばせた如来様、
そのまま続けて紡いでのいわく、
「日付が変わった瞬間、
クリスマスになったその瞬間に
一等賞で一緒にいる身だってことが、
仲良しの最上級、
本命同士の証しというか
ステータスだったんじゃないのかな?」
「あ、そっかぁ。」
何かすごく言葉を選んだ解説でしたが(笑)
ブッダ様も又聞きなその上、
一応は含羞んだらしい奥様がたから
やや遠回しな説明をされたらしいのだからしょうがない。
それの名残りで、今時の子らもまた
クリスマスよりイブをこそ、
本命と過ごすのが勝ち組の証しだとしてるんじゃないのかなと。
お二人揃って納得に至られたようであり、
「日本人て、やっぱり前倒しが好きだねぇ?」
「だよねぇ。」
しかも何と、若い人であればあるほどに、
もらったメールには3分以内に返事をしないと
誠意がないって言われるらしい。
ええっ?
そんなに忙しいのに、
その上へ ついったーやラインなんてものまで持て囃されているなんて。
「日本人って学生からして勤勉なんだねぇ。」
「ホントだねぇ。」
…それはちょっと誤解だ、最聖のお二人様。(う〜ん)
ともあれ、一応の納得を得られたイエス様だったようで。
なぁんだという得心の表情もほこほこと穏やかに、
その頬をほころばせると、
大好きな茶わん蒸しに匙を入れ、美味んまぁいvvと堪能なさる。
ユリネもほくほく、ギンナンが コリムチしていて格別で、
「こりむち?」
「うんvv
歯ごたえはコリッとしてて、
でも実はムッチリともしてるでしょ?」
イエスの分へは
縁が桃色のカマボコが目印のように入っており、
それもプリプリで美味しくて。
「寒いからこそ、
猫舌な私でも食べたくなるメニューがいっぱいあるんだもの。
日本の寒寒な冬もまんざらじゃあないねぇvv」
勿論、ブッダが美味しく作ってくれるからこそだけどと、
そんなお言いようをするヨシュア様なのへ、
「もう、何を言ってるかなぁ。////////」
色白な頬がたちまち カァッと真っ赤になっちゃう、
愛しくも かあいらしき伴侶様であり。
イブの宵だって、クリスマスへのカウントダウンだって、
もしかしてもう寝ているかもではあれ、
一緒に過ごせるのが今から待ち遠しかったり。
“ああでも私、
ブッダからの明けてからの元旦メールが、
一番嬉しかったけどなvv”
こっそり、今年のお正月の年明けのメールを思い出していたりする。
まずはイエスが夜中に打ったメールに、起きてから気づいた彼で。
ほんのすぐ傍、
声をかければ届く相手へのメールなんて変だというお顔をしながら、
それでも…律義にもお返しにと
コタツの差し向かいに座ってたイエスのお顔をちらちら見つつ、
“今年もよろしくね”というメールを返してくれて。
“含羞みながらポチポチ打ってたのが、本当に可愛かったものなぁvv”
ああ、あの頃はまだ 絶賛片想い中だったしね。
いつもいつも こんなにも間近にいるのがクラクラするほど嬉しい反面、
腕へ抱えてのぎゅうも加減が要ったし、
突発的なの以外はダメって決めてたから、
こうまで近いのが却って苦しいときも多かったかな…と。
ついついその手が止まってしまい、
愛おしい人をじいっと見ほれてしまうヨシュア様なのへ、
「? イエス? どうしたの?」
視野の中、そのご本人様がかっくりこと小首を傾げ、
再び“様子が変だよ?”と尋ねて来たものだから、
あ、そうそう、あのね? クリスマスカラーってあるじゃない。
ああ、うん。赤と緑と金と白、かな?
あれはどうして決まった色なのかなぁって。
確かに、鮮やかというか派手なコーデュネイト向けの彩りだけど、
黄色と紫でも、オレンジと青でもいいところだろに、
「何で冬場に緑と赤なのかなって。」
「それはあのあの…。」
イエス様、誤魔化すに事欠いてそれって…。
もしかせずとも、
判らないことはお母さんに訊いてみようパターンだぞ、それ。(笑)
to be continued.(もちょっと続く)
NEXT→
*実際の話、
イエス様はクリスマスをちゃんと理解されてるんだろうか。
『もろびとこぞりて』が賛美歌の1つというのは
何とか認識されてるようですが、(無礼者?)
クリスマス自体はまだ、
自分とは微妙に関係のない日扱いなのかなぁ…?
…と思いつつ書いていて、最後のおまけに至った途端、
これをネットでググっていたら、
一発で“何の日”かも判ってしまうよねと、
ますますのこと、微妙感が増したのでございました。
※ちなみに、
緑は雪国の冬場でも葉を保つ常緑樹の緑、転じて不変とか永遠とか長寿を。
赤は諸説ありますが、
キリストが生まれた奇跡でリンゴの実がたわわに実ったことから生命力を。
白は雪から転じて無垢とか純粋、
金はベツレヘムの星の輝きを表しているとか聞いたのですが…

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