帯広での長い昼休みを経て、いよいよ後半の旅立…
この間にふるさと銀河線の北見行・快速『銀河』を併結した池田行きの普通列車が
出発したので2429Dの乗客はほんの数えるほどに減った…
とりあえず2駅走った幕別でスーパーおおぞら8号との交換のために、また5分ほど停車。
運転士さんは友達同士なのか?手を挙げ挨拶を交わす。
幕別を出てしばらく走ると十勝川を渡る…9月下旬のこの時期、川の中は遡上する
サケであふれているのだろうか?
やがて列車は利別へ…昔は十勝川水運で栄えたらしいが鉄道でさえ斜陽の昨今、
車窓から見える町並に往時の活況は無く静寂に包まれている。
ここでは滝川からずっと一緒だったお年寄りのグループが下車してしまい、
車内もいよいよ閑散となる。
利別川を渡ると列車は大きく右に曲がり、北海道にしては短い駅間で池田に着く…
車内からもワイン城と観覧車が見えるが相変わらず人の気配は薄い。
広大な十勝平野も浦幌で終わり、短いトンネルで峠越え…上厚内では日に
3往復の貨物列車と交換し、厚内で初めて海に出る。
今日の太平洋は冬の日本海を思わせるような鉛色の海だ。
直別・尺別・音別と『別』が付く駅名が続く…いずれもひなびた寒村の風情
音別の先で再び5Kmほど海とダート道が並走するが、やがて線路は馬主来沼の北側へと
逸れ、秘境駅とも紹介された古瀬に着く。
仮乗降場のような板張りの短いホームでスーパーおおぞら10号との交換で10分停車。
2429Dはここまですでに7時間余を要しているが、特急はここから4時間も
かからず札幌に達する。
ところで、この2429Dは普通列車同士の交換のほかに特急3本と貨物1本の交換退避があるが、
ノロノロ走っている割には追越退避は帯広の長時間停車時に1本だけという、意外に追い越されない
鈍行でもある…
16:48白糠に着いた。
帯広・釧路間の街らしい町といえば池田・浦幌・白糠程度だろうか?国道沿いに町並みが続く。
滝川からの料金も¥5000を越え¥5250に達した。
この先、釧路までは時間的にも通学列車としての様相を見せ始め車内にも活気が満ち始める。
庶路から先は煙突が立ち並ぶ工業団地のような風景の中を進む。
大楽毛・新大楽毛とベットタウンの駅が過ぎ新富士の先で新釧路川を渡れば
左手に283系やノロッコが休む釧路運転所が見える。
そして終着の釧路…
特急列車到着時のような華やかなアナウンスも無く、観光客の記念撮影も無い…
乗り合わせた乗客はあっという間に散り散りになり、代わって車内清掃の方が事務的に乗り込む。
旅は静かに終わった…
ちなみに根室本線・鈍行完乗を目指すなら32分ほどの待ち合わせで5639Dという列車が残り
135Kmを2時間30分で根室本線の終点、根室へと運んでくれる。