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野遊び通信


第5信(2000.3.3)

くぎり

友人の案内で、渋沢丘陵を散歩。初めて歩くところなので、期待でワクワクします。

むかし、大山講のお参りの人たちが通った道筋には、古い民家や小さな石仏などがあって、歴史の名残を感じさせます。
ニワトコが少し芽吹いただけで、まだ灰色に眠っているような雑木林は、よく見ると細い枝先がどこか紅くて春の兆しです。

このころの林は静かで、やわらかい感じがして好きです。
コウヤボウキのガクだけになったのが、光ってゆれています。
笹がすくないせいか、とにかく明るい雑木林の中の道を歩いていくと、自然に笑みがこぼれてきます。

くぎり

尾根道に出ると、展望の良さに、本当にもう驚いてしまいました。
すぐ目の前に丹沢の大山、塔ノ岳、大丸、小丸、鍋割山が連なって大きくそびえています。

歩いたことのある山々を久しぶりに見てうれしい。
左手に真白い富士山。そしてその横には箱根の山々。思わず、深呼吸。

くぎり

上から見ると、この丘陵地帯の周りは全部住宅地で、丘だけが島のように残っていることがわかります。東海自然歩道のような発想で、もっと誰でも歩ける、里山や川辺をつなげたグリーンベルトができるとよいと思いました。(動物たちの為にも)

遠くの山や観光地まで行かなくても、まず身近な所に、親しみやすい、でも思いの他、深い自然があったらどんなに良いでしょう。


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