魁!アサシン商事



 ミリア「貴方、さっきは無言で誤魔化したけど、やっぱりぴょん吉に頼ったのね?
     (そういう人間だとわかっていたけど)呆れた…」(わざとらしい大きな溜息)
 ザトー「し…仕方ないだろう?!このコンペには我社の社運がかかっていたし…!」
 ミリア「そこなのよ…そうじゃなきゃ、このコンペはどうにかしてでも捨てたのに…
     で、何を頼んだのよ?おかしな事じゃないでしょうね?」(睨)
 ザトー「いや…実はぴょん吉が何とかしてくれると言うので任せたから知らない」(きっぱり)
 ミリア「……貴方って本当にどうしようもない人ね…」(呆)
 ヴェノ「さっきから黙ってれば、お前随分な言いようだな!
     ザトー様はきっとぴょん吉さんが信用出来ると思って任せられたんですよ!」
 ミリア「…前から思っていたけれど、貴方…思考回路を治した方がいいんじゃない?
     どこをどう見たらそうなるのよ?」(冷やかな眼差し)
 ヴェノ「ザトー様の側に毎日居ればわかる!」
 ミリア「…貴方絶対理解出来てないわよ(本当にこの男が出てくると話が前に進まないわ…)」
 ヴェノ「な…っおま……」

  ゴォォォォ…………
 
 ミリア「何、この地響き?」
 ザトー「さぁ…な…んなっ!」(突然身体が宙に浮く感触)
 ヴェノ「ザトー様…っぅあ?!」(同上)
 ミリア「い…いや…ち…近付かないでっ!」(全力疾走で逃げる)
 3人の前に現れたエディはジャスティスより一回り小さい位の大きさになっていた。
 エディ「相変ワラズ腹ノ立ツ女ダナァ…マァイイ。サテ私ノ実力ヲ披露シヨウ…
     オ前ニハ生キテイテ貰ワナイト困ルカラ、ソコデ高ミノ見物シテテイイゾ」
 ザトー「…その前にひとつ尋ねたいのだが…」
 エディ「何ダ?」
 ザトー「服から抜け出す術を知っていたなら、何故さっきまで付いてたんだ?」
 エディ「ソンナクダラナイ質問ニハ答エラレナイ。追求スルナラバ命ハナイゾ?」
 ザトー「(赤い眼光にびくっ)…いえ、全てお任せします」
 ヴェノ「ザトー様……」
 エディ「サテ、久シ振リノ運動ヲスルカ」


 ジョニ「あぁ、俺の事務所がボロボロ。今月は赤字決定だなぁ…こりゃ」
 ミリア「自業自得よ…。招待状にちっちゃーく『尚、選考会では我がJFの制服を着て
     曲をフルコーラス踊りつきで歌って頂きます』って書くんですもの」
 ジョニ「そりゃ〜ミリア君が来るんだ。君のオーディションも兼ねないと…勿体無いだろう?」
 ミリア「私は芸能界には興味がないっていっているでしょう?」
 ジョニ「ほぉ、芸能界に興味がないっていうよりも"アサシン商事が好きなの"って
     言ったほうが可愛げあるぜ?」
 ミリア「違うわ…誰があんな会社」
 ジョニ「素直じゃねーなー。でもま、そういうところが魅力なんだろな、ザトーにはさ」
 ミリア「いちいち五月蝿い男ね…モテないわよ?」
 ジョニ「他人の女に手を出すほど野暮じゃねーさ」
 ミリア「誰がザトーなんかと!!」
 ジョニ「ザトーな〜んていってねぇぜ??」
 ミリア「嫌味な男」

 ザトー「またあの二人がいい雰囲気に…」
 エディ「ハハッ…アノ二人モ邪魔ナノカ?ナラバアイツラモ纏メテ消シテヤロウ」
 ザトー「待て!!ミリアはミリアは!!」


 エディはザトーの声等聞く耳も持たず、眼光を二人に向けて飛ばす。
 ジョニ「ぅわ……!」
 ミリア「え……きゃ…きゃぁあ!」
 ザトー「ミリア…!」
 エディの放った眼光の方に全力疾走で駆けつけるザトー。
 ヴェノ「…ザトー様…(涙)」

 ザトー「ミリア、大丈夫か?」
 ミリア「………」
 ザトー「ミリア?おい、しっかりしろ。ミリアッ!」
 ザトーはミリアを抱きかかえ、彼女の頬を叩く。
 ミリア「………」
 ザトー「…まさか……おい!ミリア!!」(気が動転して更に叩く)
 闇医者「そんなに叩いたら逆効果ですよ?」
 ザトー「…?!お前はあの怪しい医者!」
 闇医者「怪しいとは失礼な。実験結果を見る為にわざわざこんな辺境地まで
     やってきた心優しい私に対して…」
 ジョニ「…どこが心優しい…だ。…ゴホッ。人の事務所…弁償しろよ」
 闇医者「あの眼光を喰らってこれだけ喋れるとは貴方凄い精神力ですね。
     一度私の病院で精密検査受けてみませんか?」(瞳キラリ)
 ジョニ「え…遠慮しておく…」
 ザトー「そんな奴はどうでもいいだろう!早くミリアを何とかしてくれ!」
 ジョニ「…そんな奴…?もうアサシン商事とは今後一切取引しないぞ?」
 ザトー「そんなものこちらから願い下げだ!ミリアがこうなったのも元はと言えば
     お前が変な事を招待状に書くからだろう!」
 ジョニ「仕方がないだろう?ミリア君はあんたには勿体無さ過ぎるから」
 ザトー「五月蝿い!それより、医者。ミリアはまだ助かるよな??」
 闇医者「…何とも言えない状態ですね…」

 
 AXL「こういう場合、王子様のキッスで目が醒めるもんじゃないの〜?」
 ザトー「なぬ?」
 AXL「ってことっで頂きま〜すv」
 ザトー「貴様!!」
 一筋の閃光がアクセルの前を過ぎる。
 AXL「わわっとと★」
 ジョニ「おぉっと…そいつは役者が違うんじゃねぇか??」
 AXL「かといって真剣抜くんじゃないよぉ、ジョニーの旦那」
 ジョニ「じゃないと止められないだろうが…。だいたいお前さんはいっつも俺が手を
     出そうと思っている女に目をつけたがりやがるから…」
 メ イ「ジョニー?」(怒)
 ジョニ「ん?なんだ、メイ??」(冷や汗)
 ディズ「ジョニーさん」(涙目)
 ジョニ「あぁ、ディズィー…」
 AXL「子持ちは大変だねぇっと…さっ、気を取り直して」
 ザトー「直さんでいい」(闇カカト)
 闇医者「となるとザトーさんしかいないんですよねぇ…」
 ザトー「というか、口付けで治るものなのか…コレ?」
 闇医者「愛は無敵ですから★」
 ザトー「いや、あんたさっきは治る手立てはないみたいなこと言ってなかったか?」
 闇医者「愛があれば大丈夫!世の中そういうもんです!!
     ってことで、ジョニーさぁぁん、是非、貴方を解剖させてぇぇ」
 ジョニ「寄るな!!てめぇ…」

 ザトー「まぁ、邪魔な奴らは消えたことだし…ミリアこれも君のためだ!
     仕方がないよなぁ。こんなことは本来なら本意ではないんだが…」
     (ちらちらとミリアの唇をみるザトー)
 ヴェノ「その口付け待ったぁぁぁ!!」
 ザトー「何故、邪魔をする!!」(睨み)
 ヴェノ「あぁ、睨んだお顔も素敵★ってそうじゃなくて!!
     王子様といえば、世間的には金髪碧眼の騎士様ではないかと思うのですが…」
 ザトー「なんだ?私は王子様ではないというのか?」
 ヴェノ「いやそういうわけでは…ただ…あそこの坊やの方が世間的に…
     ほんと世間的に王子様なんじゃないかなぁーっと」
 ミリア「五月蝿いわねぇ…静かにしなさい貴方達」
 ザトー「ミリア、無事だったのか…」
 ヴェノ「よ、良かったなミリア」(ザトー様がキスしなくて良かった事に喜んでいるが、
                      ライバルが蘇ってしまってちょっと微妙な心境)
 鰤 子「ご馳走様でしたv」
 ザトー「はい?」
 鰤 子「綺麗なお姐さんはやはりいいですねvうちも見習わないと…」
 ザトー「医者!!愛がないと蘇らないんじゃなかったのか??」
 闇医者「はて?貴方の汚らわしいヨコシマに満ちた愛よりもこの子ような純粋に
     美しいものに惹かれる愛の方が綺麗ではないかと思いましてねぇ。
     それに、本意ではなかったのでしょ??」
 ザトー「それは言葉のあやで」
 ミリア「あら?私と口づけるのは嫌だったってこと?まぁいいわ…こちらも願い下げですもの」
 エディ「ゴチャゴチャ、五月蝿イゾ!!マァ、イイ…俺ハコノ女ノ身体ヲ頂クカラナ!!」


 エディ、ミリアに襲い掛かる。
 ミリア「な…何っ?!」
 ミリア、とっさに横に居た人間を自分の目の前に引っ張り出す。
 エディ「………え?」
 カ イ「ハハハ。コノ身体ヲ乗ッ取ッタゾ」
 エディ「私の身体が変な喋り方を…確か王子様と呼ばれて……」
 ザトー「乗っ取る…って入れ替わる事だったのか」
 ソ ル「いい格好になったな」
 エディ「く…人を馬鹿にするな!」
 カ イ「狙ッテイタ身体トハ違ウガ、最悪トイウワケデモナイカライイトスルカ」
 エディ「その言い方聞き捨てなりません!」
 ソ ル「その格好で何言っても迫力も説得力もねぇ…」
 入れ替わったエディの身体は人形サイズに戻っている。
 エディ「く…っ。今すぐ元に戻して頂けませんでしょうか?」
 カ イ「ソンナ願イ入レ、聞キ入レル訳ナイダロウ?」
 エディ「く……っ」
 ザトー「別にそのままでもいいんじゃないか?(ミリアも自分も無事だったし…)」
 ミリア「案外、似合ってるわよ?」
 エディ「……貴方達、自分が助かったと思って……!」(怒)


 カ イ「ヤッタ!ヨウヤク身体ヲ手ニスルコトガ出来タゾ!!!コレデ好キナダケ…」
 エディ「私の身体で暴れないでください!!」
 ジョニ「てめぇ!俺の事務所を壊すんじゃぁない!!聖騎士団宛てに請求書送りつけるぞ?」
 エディ「え?なんでうちになんですか…??」
 ソ ル「しゃあねぇだろ、お前が悪いんだしな…ま、がんばんな」
 エディ「なんでです?それに皆、私があんなおかしな行動をするとは・・・」
 クリフ「相変わらず正義という名のもとに破壊活動をおこなっとるのーカイ君は」
 エディ「へっ?」
 ザトー「自業自得だな…」
 カ イ「人の勝ち台詞をパクらないでください!!」
 ミリア「緊張感足りないんじゃないの、貴方…このままだと戻れないんでしょう?」
 ジャス「キシャヤァァァァァ」
 カ イ「ウットシイヤツダナ。ドレコノ身体ノ力ヲ思イ知ラセテヤロウ」
 エディ「人の身体でそれ以上遊ばないでください」


 カ イ「ソコノ異性物!私ガ相手シテヤロウ!」(剣を構える)
 ジャス「…キシャァァァァア!」
 エディ「やめて下さい〜!」
 カ イ「スタンエッジ!」
 雷光がジャスティスの腹部を直撃。ジャスティスに若干のダメージ!
 ザトー「剣から雷飛ばすとは流石だな」
 ミリア「あいつのやりたかった事って戦う事なの?」
 闇医者「…そんなはずはないのですが…」
 エディ「呑気に話してないで止めて下さいよ!」
 ザトー「五月蝿いな、お前。ソル氏の態度の意味がよくわかるよ」
 ミリア「えぇ…同情するわね…」(微笑)
 ソ ル「け…っ。そう思うなら、この坊やを何とかしてくれ…」
 エディ「な…!何て言う事を!幾ら何でも今の台詞は聞き捨てなりません!」
 ザトー「…とその身体で言われても…なぁ…」
 ミリア「……ふ…っ(鼻で笑う)」
 エディ「あ…貴方達まで私を……」
 闇医者「そんな所で口喧嘩してると、元の身体がボロボロになって戻れなくなりますよ?」
 エディ「…え??」
 カイの身体を乗っ取ったエディとジャスティスは激戦を繰り広げていた。
 闇医者「あの調子ですと、5分も持ちませんねぇ…」
 エディ「他人事だと思って呑気な事言っていないで医者なら助けて下さいよ!」
 闇医者「…そうですねぇ…もう少しデータ取らせて頂ければ…(ニヤリ)」
 ザトー「……(この中でこいつが一番の腹黒だな…)」
 エディ「早くして下さい!(半泣き)」
  



一部修正を加えて掲載しております。ご了承下さい。