「保呂羽館跡・保呂羽大神をゆく」

保呂羽館跡・保呂羽大神
宮城県登米市登米町寺池道場

住所をクリックすると地図がでます。



【保呂羽館跡】

文治五年奥州総奉行に任ぜられ、近郷七郡三十万石を領した葛西氏によって造られたとみられる山城である。
標高104メートル、東西1キロメートル、南北2キロメートルにわたり、県下有数の規模と称される。現在も本丸、二の丸、土塁、空堀、腰廓などの遺構が残っている。
『案内板より』

保呂羽館は草飼山(くさげやま)の中腹にあります。現在は浄水場があることから通称水道山と呼ばれています。

古くは登米地方に入った登米小野寺氏がこの館を築城したものと考えられます。1520年〜30年代に、葛西氏が当地に入植するにあたり、小野寺氏は保呂羽館を譲り渡し、葛西氏の手により大改修がおこなわれたものと考えます。現在遺構の規模から言うと、「館」というよりも「城」というのが適当です。「館」というのは長期に渡る小野寺氏支配の名残でしょうか。

こののち小野寺氏は、美濃館(豊里町山根)に移住したと考えます。この頃の人物は小野寺美濃守道茂が相当します。
道茂が保呂羽館に勤めたのは、小野寺氏支配から葛西氏支配確立までの一時的なものだったのでしょう。

保呂羽館での政務を終え、道茂は石越あるいは一関に領地を賜り移住したと伝わります。
【土塁のような段差を登ります。】
【本丸跡地。】
広々としています。
さらに奥に進みます。本丸から二の丸へ降ります。
【本丸と二の丸の段差】
【二の丸跡】
【三の丸跡から本丸方向を望む。】
三の丸は、現在浄水場になっています。
あいだに大きな谷があります。
    【登米家一族之慰霊塔】
    本丸跡の竹林の中に登米氏の碑があります。
    【保呂羽城趾の碑】
    山頂付近に登米氏の御子孫様が
    建てられた石碑があります。
   
    【山頂付近からの眺め】
【登米神社】
保呂羽館の麓にあります。
むかしは八幡神社と呼ばれていました。
【登米神社本殿】
【登米神社前より保呂羽館方面を望む】
かつては保呂羽山と呼ばれていたものと想像できます。
【桁淵山龍源寺】
こちらも保呂羽館の麓にあります。
小野寺氏の系図を伝えるなど、関係が深い寺です。
【龍源寺葛西家供養塔】
【登米の街並みより保呂羽館方面を望む】
    【保呂羽大神入口の看板】
    保呂羽城には保呂羽神社があると
    確信していましたが、二回目の訪問の時、
    保呂羽城から下りた北上川沿いの
    金谷揚水場の標識に「保呂羽大神」の
    看板を見つけました。
    【金谷揚水場】
    奥に白杭が建ってますが、風雨により
    字が消えてしまってます。
    この方向にあるようです。 
    【保呂羽大神入り口】
    二枚目の看板。固定されていた棒から外れ
    地面に落下してしまったようで、
    方向が特定できません。
    
    【揚水場の奥の谷】
    立入禁止地区になっていましたが、
    所有者の方のご許可をいただいて
    入ってみました。長年人が入ったことが
    ないようで、倒木が道を遮り断念しました。
    水が湧いてきてます。
    二回目(’09年)の訪問はここで断念しました。
    【大神の山】
    三回目(’10年)の訪問で城跡から川方面へ
    下ってみたり、浄水場跡から
    下ってみたりしましたが、見つかりません。
    地元の方に神社はないかとお聞きしたところ、
    神社はないが、揚水場奥の谷ではなく
    山に石碑があると
    聞きました。目指して登ります。
    【保呂羽大神】
    長年探していたものが、やっと見つかりました。
    確かめていないのですが、上は二の丸跡へ
    繋がるようです。
    これで保呂羽山には例外なく、保呂羽様が
    祀られていることになります。
    【保呂羽大神の石碑】
    明治十六年三月二十五日と刻まれています。
    江戸時代にはお社があったのでしょうか。
    【保呂羽城遠景】
    県内最大級の城跡と言われています。
    北上川対岸からの眺望です。
    保呂羽大神は
    揚水場(川面に反射している白い建物)
    の奥の山にあります。
保呂羽城跡
【参拝難易度】★★☆☆☆
【参拝危険度】★★☆☆☆
保呂羽大神
【参拝難易度】★★★☆☆
【参拝危険度】★★★☆☆
【コメント】
城趾は登米神社への道を車で登り、浄水場を過ぎた左側に案内板があります。
保呂羽城趾の石碑は、もう少し先の右側、公園の中にあります。
保呂羽大神は、北上川対岸から見て金谷揚水場の左の山中にあります。揚水場に車を止めて
徒歩になります。明確な道がないので、注意が必要です。

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