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【人物の列伝】
| 道隆 |
（ ？ ） 民部大輔と称す。鎌倉幕府滅亡の時、北條氏の縁座により流罪。後に子孫は厩橋（群馬県前橋市）に住む。こののち数代は、家系図焼失により不明。 |
| 道元 |
（１５６０～１６３２） 桂之助・門太夫・刑部と称す。永禄三年上野国厩橋（群馬県前橋市）に生まれる。故あって高橋を姓とし、のちに小野寺姓にもどした。天正五年歳十八にして、再び小野寺家を再興しようと相模国に赴き、北条氏政に属する。同六年八月坂士山宿城攻めの時、一番槍の戦功をあげ、氏政より感状を授かる。北条氏直にも仕え、鉄砲奉行を勤めた。同年、北条家を去り、甲斐国へ赴き、武田勝頼に仕官。同年十月上野国善ノ城攻めにおいて、先陣をつとめ、首級をあげる活躍により、勝頼から感状を授けられる。のちに、真田昌幸に仕え、十年三月長尾瀬に於いて槍下の功があり、昌幸から感状を授かる。同年九月上野国岡谷に於いて海野能登守の家臣、浦野周防守某と組合い、これを撃退し、昌幸から感状を賜った。同年十月北条氏直と甲斐国にて対陣昌幸が上杉景勝との合戦の時はむ鉄砲奉行をつとめた。 また、真田家を去り、越後国上杉景勝に仕官。十八年六月沼田の一揆退治に及び戦功あり、慶長五年七月陸奥国川俣城攻めの時、旗奉行をつとめる。さらに出羽に赴き最上義光に仕官。鉄砲奉行をつとめる。道元の武勇は近隣諸国に広まったようで結城秀康からの家臣の誘いを受け、道元もその気であったが、旧友であった最上家親の家臣氏江三河守某の説得を受け最上家へとどまった。台徳院殿今村伝四郎正信を出羽使者として送り込み、最上家信の家臣の内武芸に優れた者七人を挙げさせ、一番に選ばれたのが道元であった。これにより、最上家を離れ、徳川忠長に仕え、禄四百石、物頭に任命される。寛永九年(１６３２)五月二十日死去。享年七十三。法号空山虚心、駿河町菩提樹院に葬る。妻姓氏不詳。寛永五年四月八日死去。法号花影月春。葬所は道元と同じ。 |
| 道白 | （１５９３～１６５０） 主膳正、桂之助、初め為綱と称す。文禄二年生まれ、元和九年父道元と共に駿河大納言徳川忠長に仕える。禄二百石を賜り書院番を勤める。忠長が乱心の時に及んでは、忠長の家臣物頭以上の者は諸侯に預けられ、書院番以下は関八州及び駿河、遠江、甲斐、信濃の居住を禁じられた、道白もこの例に倣い二子と共に堀丹後守直寄預けとなり越後村上へ幽閉される。寛永十九年、直寄が死去、嗣子がなかったため、同年十月出羽久保田藩主佐竹義隆へ預けられ、湯沢（秋田県湯沢市）に幽閉。三十人扶持を給う。慶安三年（１６５０）十一月八日、湯沢に於いて死去。法名駿邦院骨眼桂徹。嶽竜山長谷寺に葬られる。 |
| 道貞 | （１６３１～） 道白の次男。道定とも。十一郎、大学、桂之助。弥五左衛門。土屋忠兵衛知定の養子となる。母は朝比奈氏。 |
【久保田藩小野寺氏桂之助系】
【家紋】
小野寺桂之助系
釘抜
| 【旗印】 |
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【人物の列伝】
| 道國 | （１６２８～ ？ ） 太福、隼之助、桂之助。慶安四年父、道白の死により家督を相続。承応二年（１６５３）六月、大猷院殿大祥忌により大赦、佐竹義隆公に仕える。宿老席に列す。承応三年久保田へ移住。明暦元年（１６５５）禄高二百石、東根小屋に住む。寛文十一年（１６７１）大番頭、時に四十二歳。母は朝比奈氏。 |
| 道宴 | （１６６１～１７０１） 門弥、内匠と称す。寛文元年（１６６１）山方杢之助泰応の長男として生まれる。道国の娘を妻とし、小野寺家を嗣ぐ、元禄三年七月二十一日、三十歳にして大小姓の番頭を命ぜられる。乾徳公に近侍し、就封の供奉によって加恩百石を給わり、都合三百石。元禄十四年二月二十七日死去。享年四十一 |
| 女子 | （ ？ ） 道國の子。道宴の妻 |
| 道圓 | （ ？ ） 桂之助。文禄十五年大小姓番頭。 |
| 俊武 | （ ？ ） 四郎右衛門と称す。根田四郎右衛門俊明の養子となる。 |
| 女子 | （ ？ ） 渋江十兵衛光重の妻となる。 |
| 政懿 | （ ？ ） 七郎兵衛。戸村の家臣片岡七郎兵衛政秘の養子となる。 |
| 女子 | （ ？ ） 土屋蔵人主知見の妻となる。 |
| 道高 | （ ？ ） 隼之助 |
| 道昆 | （ ？ ） 道宴の四男、桂之助。享保五年（１７２０）百五十石を給わり家督を相続。十三年（１７２８）大小姓番頭を勤める。 |
| 道章 | （ ？ ） 桂之助。宝暦七年（１７５７）大小姓番頭、同十三年寺社奉行となる。佐竹義敦公の命により、明和元年（１７６４）十月六日秋田に於いて国相となる。禄三百八十石明和四年（１７６７）十二月一日、故ありて職を免じられ、禄二百石を没収される。 |
| 直興 | （ ？ ） 久右衛門。磯部万八郎直参の養子となる。 |
| 道孝 | （１７６１～１８０２） 歌人。幼名量蔵。桂之助が通称。父道章は明和元年（１７６４）十二月家老。道孝は安永四年（１７７５）八月十五日で太刀、馬を献じて 佐竹義敦拝謁。天明二年（１７８２）家禄百八十石を相続。。天明七年（１７８７）三月大番頭、寛政二年（１７９０）十月両右箪支配を兼ねる。六年二月六日、寺社奉行、家禄五百石、七年十一月評定奉行兼務、十二月同奉行は解かれる。歌は山方泰通編『月花 集』に載る。四十二歳没。悟山道入。妙覚寺。弟道清は分家道寛の末期養子に入る。 |
| 道清 | （ ？ ） 道章次男。長太夫。小野寺道寛の養子となる。 |
| 道慶 | （１７８７～ ？ ） 桂之助。天明七年（１７８７）生まれ。享和二年（１８０２）三月一日、寺社奉行。文政元年（１８１８）三月五日大番頭。文政十一年評定奉行。天保五年（１８３４）罪があり、横手へ預けられる。 |
| 道為 | （ ？ ） 門弥、桂之助と称す。文政八年（１８２５）六月二十八日出仕。天保八年（１８３７）六月二十六日家督相続。弘化二年（１８４５）八月九日大番頭。妻は岡本衛門の妹。 |
【久保田藩小野寺氏長太夫系】
【家紋】
小野寺長太夫系
丸に釘抜
| 【旗印】 |
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【人物の列伝】
| 道俊 | （１６４２～）百助。玄翁。十一郎。長太夫と称す。分家し長太夫系の始祖となる。義隆公に仕え、宿老に列し、湯沢に住む。明暦元年百石を賜り、寛永九年大番頭となる。母は朝比奈氏。 |
| 女子 | （ ？ ） 中村庄左衛門宗易の妻。 |
| 女子 | （ ？ ） 今宮伊織某の妻。 |
| 道丸 | （ ？ ） 幼名対馬。伝内、主水、長太夫と称す。真崎五郎左衛門広房の四男。宝永元年大番頭となり百石を給わる。 |
| 女子 | （ ？ ） 後藤理右衛門祐之の妻。 |
| 道行 | （ ？ ） 幼名弟助。紀五郎、伊右衛門と称す。遊庭、舟至の号。信太内蔵助勝郷の二男。小野寺家の嗣となり、佐竹義峯に仕え、享保十一年大小姓番頭。寛延元年十月八日国老。釆他二百石を賜う。 |
| 女子 | （ ？ ） 道行の妻。 |
| 道維 | （１７１６～１８０７） 『長野先生』の名で親しまれる。玄翁。称十一郎、主水。父道行。十一歳で元服し道該と称し、のち道維。享保十三年（１７２８）十三歳で佐竹義峰にお目見得、しばらくして出仕。明和二年（１７６５）七月大番頭、四年寺社奉行。七年家老、千石。安永三年（１７７４）辞職、翌年六月六十歳で致仕。梅津忠敬に武田軍学を学び、隠居後家塾を開き、塙守約、大山重憲、太田高達らを送った。塙は『長野先生夜話集』（新秋田叢書所収）を編んでいる。天明五年（１７８５）佐竹義和に重んじられ、多くの相談 に預かって、寛政六年（１７９５）城中茶室を作る。玉川遠州流の大悲寺樵峰と親しかった。九十二歳没。智徳院賢翁良雄居士、妙覚寺。 |
| 勝巳 | （ ？ ） 信太多七勝成の養子となる。 |
| 道政 | （ ？ ） 長七郎。二十五歳にして死去。 |
| 女子 | （ ？ ） 匹田斉定常の妻。 |
| 知水 | （ ？ ） 原蔵。土屋知宗の養子となる。 |
| 道寛 | （ ？ ） 十一郎。天明四年大小姓番頭となる。 |
| 女子 | （ ？ ） 和田掃部助為詳の妻。 |
| 女子 | （ ？ ） 長瀬左司馬直好の妻。 |
| 道清 | （１７７２～１７９９） 寺社奉行、歌人。幼名常吉、 のち長太夫。父は桂之助道章で二子。寛政元年（１７８９）四月、分家の道寛の末期養子、三十五石減で相続。八月二十二日佐竹義和に拝謁 し、太刀・銀・馬代を献じた。寛政四年（１７９２）四月大番頭。役料八十石、家禄は三百石になり、両右筆支配兼務。五年三月疋田柳塘の推挙で、異国船防備の兵三〇騎の備頭。八年六月、評定奉行。翌年六月寺社奉行、五百石。和歌は山方泰通編『月花集』（文化一五年三月。伊頭園茶話⑨所 収）に載る。二十八歳没。心原宗徹。墓は大悲寺、のち妙覚寺。妻は小野岡右衛門真意の女で、同じ年の十月九日二十一歳没。八代五兵衛長著の子道定が跡を継ぐ。武田流軍学の以斉で知られたのが道定である |
| 道定 | （１７８９～１８５９） 幼名吉之助、諱、道定、道済、通称孫十郎、長太夫、号以斎。八代五兵衛長著の長子。寛政十一年（１７９９）九月、道清没後、十一歳で末期養子。享和元年（１８０１）六月十三歳で元服、文化二年（１８０５）八月大番頭、八十石加増計三百石、両右筆支配も兼ねる。曽祖父道維の高弟塙守約、大山重憲に武田流兵学を習い、中山盛朝に統伝の要妙を受ける。弘化四年（１８４７）五十九歳致仕。七十一歳没。大行院に葬られたが、現在妙覚寺に移されている。今村不僧以来の秋田武田流最後の人。 |
【佐竹氏領知変遷】
| 藩 主 | 元号／西暦 | 領 地 | 知行高 | 備 考 |
| ①義宣（よしのぶ） | 常陸水戸 | 未詳 | ||
| 慶長七年／１６０２ | 出羽久保田 | 二十万五千石 | 転封 | |
| ②義隆（よしたか） | 寛永十年／１６３３ | 襲封 | ||
| ③義処（よしずみ） | 寛文十二年／１６７２ | 襲封 | ||
| ④義格（よしただ） | 元禄十六年／１７０３ | 襲封 | ||
| ⑤義峯（よしみね） | 正徳五年／１７１５ | 襲封 | ||
| ⑥義真（よしまさ） | 寛延二年／１７４９ | 襲封 | ||
| ⑦義明（よしはる） | 宝暦三年／１７５３ | 襲封 | ||
| ⑧義敦（よしあつ） | 宝暦八年／１７５８ | 襲封 | ||
| ⑨義和（よしまさ） | 天明五年／１７８５ | 襲封 | ||
| ⑩義厚（よしひろ） | 文化十二年／１８１５ | 襲封 | ||
| ⑪義睦（よしちか） | 弘化三年／１８４６ | 襲封 | ||
| ⑫義堯（よしたか） | 安政四年／１８５７ | 明治維新 | 襲封 |