***** 体感温泉リポート ]V *****

(鹿児島県)紫尾(しび)温泉(上質アルカリ泉)

  紫尾区営神ノ湯(共同浴湯)・・・男女別内風呂:pH 9.4、(単純硫黄泉)
  くすの木荘(外来入浴)・・・男女別内風呂:pH
9.4、男女別露天風呂(寝湯付):9.45 (単純硫黄泉)
      入湯日・・・03年12月30日 (各温泉のpHは当日の実測値です) 

鹿児島県薩摩郡鶴田町   

「 神 ノ 湯 男 子 浴 室 」

明かり窓のデザインが美しい(男子浴室)。


■昨年末、建替新築後5日目のまっさらな浴室で極上のアルカリ温泉を味わった(神ノ湯の)感激が忘れられず、今回中・南九州で20数湯入った温泉の中(すべて初めての所)で、ここだけは昨年末に引き続き再度訪れた。03年のお正月、大混雑でたいへんだったらしいが、04年正月はどうだったのか、1月末再度区長の中野さんに電話取材した。(1年前のリポートは、X強アルカリ泉・紫尾温泉 参照)

■また今回、共同湯「神ノ湯」を囲むように位置する3軒の旅館のうち、一番大きな「くすのき荘」の露天風呂等にも外来入浴してみた。 


■紫尾温泉は鹿児島県の北西部、宮之城温泉のある宮之城町からさらに山手に入った所にある。古くから紫尾神社の境内に湧いていた温泉を紫尾区営の共同浴場に引湯している。その区営浴場が平成14年年末建替えられ、その横の交流棟(ふれあい館)と共に新装された。紫尾地区には、他に共同浴場を囲むように数件の宿が並んでいる。


■左端図は紫尾温泉地区入口の道路端に立てられている看板。(画像クリックで拡大)

■中図は紫尾神社拝殿(赤い屋根)。この床下から温泉が湧くという。拝殿と共同湯神ノ湯は10m位しか離れていない。



■左端図、左が拝殿、右が神ノ湯。拝殿側の地中から温泉のパイプが出ている。今は付け替えられ使っていないが、過っては使われていたのだろう。(拡大なし)



■左中図は新設の泉源揚水パイプ。左端図の場所のすぐ横にある。(拡大なし)


■紫尾温泉神ノ湯の玄関。門松、しめ縄が飾られていた(12月30日)。

■玄関の右側の建物が浴室棟。

■玄関の右にピンクの旗が立っていますが、温泉水販売の旗です。神ノ湯の温泉を業者に委託して、健康温泉水「紫尾温泉水」として売っているとの事です(区長談)。
                            

■左図は、神ノ湯の左にある「ふれあい館」。昨年末にはまだ建設中だった郷土の物産即売所兼地域住民の交流館です。

■物産の販売は第3セクターではなく、入札により一般の業者が運営しているそうです。

■神ノ湯の男子浴室。明かり窓のデザインがきれいです。右側の女子浴室と相似形となっています。

■浴槽は、昨年のリポートでも触れていますが、3槽あり温度で分けています。今回の入浴時の温度は、熱め槽:45.5℃、普通槽:44.5℃、ぬるめ槽:43℃と全体的に熱めになっていました。

■各浴槽に温度調節用にお湯と水のカランが設置されています。勝手知ったる小生は、ぬるめ槽を10分位かけて41℃まで下げ、湯質を楽しみました。

■ただのぬるぬる感ではなく、やわらかく肌にまとい付くような感触のお湯で、(温泉の色は無色透明で愛想のないものですが)触感はとても気持ちが良いものです。単純泉ですが硫黄分が入っているので、温泉の質を高めているように思われます。

 



■ここは洗い場のシャワー付カランのお湯にも温泉を使っているのですが、昨正月のお湯不足の反省から、男子浴室にある12組のカランのうち、半分の6つが蛇口をはずして閉栓し、お湯の確保を図っていました。浴槽の切り込み(湯尻口)にも木がはめ込まれ、湯量の確保を図っています(区長談)。

■pHを測ると、脱衣室に掲げてある温泉分析書通り、気持ちのいいくらいぴったり9.4を測定器は示していました。温泉を使用とされているカランのお湯も9.4でした。正真正銘、カランにも源泉そのまま使っている、という事です。

■ところで、1月30日区長の中野孝喜さんにTEL取材しました。今年(H16年)のお正月の入浴客は昨年より減り、お湯不足の事態も起こらず、区長さんは安堵されているようでした。昨年は、新装になったばかりで地元のマスコミにいろいろ取り上げられたのが入浴客の急増のようでした。なお、入り口に掲出されている日経新聞の記事(「新・日本百名湯、紫尾」03.2.1掲載)の事を尋ねたら、大阪の日経新聞社より、記事の載った新聞が送られてきたので掲出している、との事でした。

■という事で、紫尾人気過熱で大混乱、の私の心配は杞憂に終わり安心しました。

■神ノ湯のすぐ前にこの「くすのき荘」はあります。昨年訪れたときは、どうせ神ノ湯のおこぼれの温泉を少し分けてもらい加水して使っているのだろう、と勝手に考え、入らなかったのですが・・・。(左図は12月30日撮影)(拡大なし)

■所が今回、試しに外来入浴して(館主のご主人に話を聞いて)分かったのですが、源泉は神ノ湯とは別で、pH値は神ノ湯を凌ぐほどの名湯だったのです。

■新しい源泉は、紫尾神社前の当旅館より300mほど上流の地点で平成5年に掘削した。湧出深度は150mで一度出たが、温度が低いのでさらに掘り進み250m地点で泉温46℃、の紫尾神社と同じ泉質の温泉を掘り当てた(館主:楠木園靖男氏談)。新しく温泉を掘削する場合、既存の泉源位置より300m以上離れた地点でなければ許可されない事を、氏の話でこの時初めて知った。

 

■これが宿泊棟の本館とは別棟の(くすのき荘の)温泉棟です。本館から渡り廊下でつながっています。

■向かって右側が女性用、左が男性用の内風呂があり、各々を屋外に出た川沿い(夜星川:5月20日頃から6月初めにかけてホタルが飛び交うという)に男女別の露天風呂があります。

■男子内風呂は、pH 9.4、泉温43℃。


■左端図が男子露天風呂。写真の右側に写っているのが、竹を渡し、寝た姿勢で入れるようにしてある、寝湯。

■この日は天気もよく、神ノ湯の内風呂とは違って、上質の温泉をすがすがしい自然の中で楽しめ、至福のひと時だった。

■泉質は神ノ湯とほとんど変わらないが、硫黄分が少し少ない感じで、さっぱりとしている。

 

■pHを測ると、9.4と9.5が交互します。私のpH器は小数第1位までしか測れませんので、交互するということは、概ねpH9.45と考えてよいのでは、と思います。

■神ノ湯よりpHは高いということになります。

■湯量が豊富で、温泉入浴用、洗濯・洗い物用以外、大半のお湯(温泉)がすぐ横の夜星川に中図のように捨てられているのです。何とももったいない話です。


     以 上