***** 体感温泉リポート 参拾五 *****

(熊本県)人吉温泉(レトロ地元共同湯)

■人吉温泉の事をはじめて知ったのは、小京都の町並みを解説した本か、郡司勇の「新版 一湯入魂温泉」(山と渓谷社・04.10.30刊)のどちらかであった。鄙びた公衆浴場が掲載されていて、湯質も良さそうで、行ってみたいモードをここ数年あたためていた。そしてやっと今回実現の運びとなった。
                                                             
■今回市内の国民宿舎「くまがわ荘」(ここも温泉)に泊まり、のべ2日間で、市内7温泉を訪れた。今回その内、「くまがわ荘」と「堤温泉」を除く5温泉についてレポートします。

■人吉市内の観光は、人吉城址を中心とするいわゆ小京都の町並み散策と球磨川の急流下り(冬場もこたつ船で運行する)が中心であるが、現地を訪れてみて、この時期(12〜2月)盆地特有の濃霧(11時頃まで消えない)と隣接宮崎県えびの市との峠越えで霧島連山の雲海が見える事を知り、そちらの方も(運良く)体験できた。                       

                       *人吉城址の中段台地にある杉林の霧景   * 人吉市とえびの市を結ぶR221号の峠、えびの展望橋付近よりの雲海

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(しん)温泉

  
        共同湯「新温泉」・・・男子浴槽 pH 8.26  泉温42℃(湯口47℃) 掛け流し式
      泉質表(源泉名「新温泉」年月日?分析)・・・pH?、泉温?℃、50g/分、
                           溶存物質400mg/kg、アルカリ性単純温泉
                                                 無色透明、ほとんど無味無臭
                 営業:8-9、13-22。300円、休:第一月 駐車:5台位
              
                            入湯日・・・06年12月24日 (pH、泉温は当日の実測値です) 

熊本県人吉市紺屋町80      


■この日早朝宮崎にフェリーで到着、綾町の大吊り橋に寄った後、熊本県人吉市内に到着したのが午後1時過ぎ、早速一番マイナーで地理の分かり難い鶴亀温泉に行ったら、2時からとの事で、新温泉が最初の入湯となった。午後の開業10分前に着いたら、ちょうどこの温泉を世話する(オーナーではない)2人の婦人の1人が、ひとふろ浴びて玄関から出てくるところだった。それで時間前だったが、もう一人の婦人に声をかけて早めに入らせてもらえる事になった。

■道路から少し入った所にあり、地元の人でも知らない人(近所のブティックの女将さん)がいた。酒屋さんで聞いて教えてもらい分かった。温泉前の月ぎめ駐車場の一角が新温泉の駐車場にもなっている。

■新温泉の建物、資料によると、昭和初期の建築らしい。帰りがけ、銅?の樋の修理やさんが来て直していた。屋根はトタン?、建物の維持費もたいへんだろう。

■左図の幟旗、「青井さん1200年祭」は市内にある青井阿蘇神社が昨年10月に1200年祭を迎えた時のもので、イベントは終了したがまだ方々に建っていた。

 


■左図は玄関入口、番台の方向。この時ご婦人はまだ準備で忙しくされて、番台に座っていなかった。

■右図は左手が浴室への入り口、右手は坪庭に面したガラス戸。ここの建物はこのような透明のガラス戸が多い。男子浴室の窓側には4階建てのビルが建っており、覗こうと思えばビルから丸見えだ。


■左図の料金表(平成5年のもの)や壁に貼られたポスター、どれも古めかしいものばかりだ。右図は手書きの泉質表、オーナーの実直さが感じられる。翌日再度訪れた時50前後の紳士が2人の世話役の婦人と話していたが、その方がオーナーのようだった(話が聞けなかった)。人吉の銭湯は商売抜きで、地元の名士?がこれらの温泉を維持されているようだ。


■左図のように実にレトロな室内で、あの松田忠徳氏がここを訪れたとき、感動のあまり、写真・ビデオの撮影に夢中になり、入湯を忘れかけた(列島縦断2500湯p237)くらいだ。

■右図が浴室の全景。2つの浴槽があり、左がメイン、右はぬる目のお湯がそそがれていた。左に女子の浴室がある。このように周りがほとんど透明なガラス張りだ。


■左図、ガラス戸からお日さんがさんさんとふりそそいでくる。まるで風呂場で日向ぼっこをしている気分だ。内風呂でこれだけ日が差す温泉も珍しい。

■温泉につかってみる。お湯はほんの少し褐色かかっている。すべすべとする感じの良い泉質だ。特徴的な特色はないが、この浴室・浴槽のシチュエーションがユニークで感動ものだ。


■左図、ここにはシャワーはない。かかり湯、上がり湯はこの蛇口だけ、と簡素だ。体を洗った後は浴槽のお湯をくんで洗い流す。昔(昭和2〜30年代)はそんな銭湯が都会でも多かった。

■右図、脱衣室にこのポスターがかかっていた。95年と10年前のものだ。ここ新温泉の玄関の建物前で村仲ともみ(人吉市出身)をモデルに撮られている。「人吉・球磨 旬夏秋冬キャンペーン」、とある。人吉市内の諸共同湯、観光スポットの中でも、ここの風情が一番旅情を掻き立てるのだろう、この写真に選ばれているくらいなのだから・・・。いつまでも存続し続けてほしい。



鶴亀温泉

 

     共同湯「鶴亀温泉」男子浴槽・・・pH 7.73   泉温43℃ 掛け流し式  
     泉質表(「鶴亀温泉」H17.12分析)・・・pH 7.7、泉温53.9℃、160g/分・動力揚湯、
                           溶存物質2180mg/kg、Na-炭酸水素塩・塩化物泉
                      微淡黄褐色透明・微甘味、微硫化水素臭
      営業:14-21、200円、駐車 7台位、オーナー:外山胃腸病院
                   
              
                            入湯日・・・06年12月24日 (pH、泉温は当日の実測値です) 

人吉市瓦屋町戸亀1120−6      

■2番目に、先ほどまだ閉まっていて、出直しの鶴亀温泉へ午後2時すぎに到着した。


■ここの建物も相当古い、資料によると、昭和12年創業当時のままらしい。
 
■もちろんかなりの部分に手が加えられている(右図)。

■最近お湯の温度が低くなってきたという事で、一昨年(H17)に泉源を再ボーリングして、やや高温の新泉源を獲得している。オーナーの外山胃腸病院ではここの温泉を療養ではないが、院内の風呂用にも利用している、という。(1年近く休業の後、H18.3月リニューアルオープン・外山病院担当者・談)


■左図、番台には80位のおばあちゃんが座って、テレビを見ていた。

■右図は脱衣室、ここもレトロ感があるが、新温泉ほどではなかった。後で分かったが、新泉源開削時、一部リフォームを行ったらしい(地元入浴者・談)。その時看板、ポスター類もはずされたみたいだ。


男子脱衣室にはなんと、あの日本温泉協会の「天然温泉」の証明額が飾られているではないか。わざわざ申請して、お金を出して取得したのか?そこまでしなくてもいいのに・・・。

■右図、浴室風景、浴槽、壁と総石造りだ。これなら100年持ちそうだ?。 奥に大黒様の顔をデザインした湯口があり、浴槽は2槽に区切られている(0.5℃の温度差)。もちろん掛け流しで、手前に流れている。


■入ってみる、やや褐色かかったモール泉のようだ。すべすべ感はあまり無い。やや硫黄臭がする。特色のある泉質ではない。

■入浴客に教えてもらったのだが、休業中、新泉源開削に合わせて、天井の張替え(右図)を行った。この日(日曜午後2時台)入浴客は私を含め3人だった。



                   

人吉温泉 元湯

          

       共同湯「元湯」男子浴槽・・・pH 8.00 、 泉温43℃(湯口45℃)、 掛け流し式
   泉質表(源泉名「元湯温泉」H13.3 分析)・・・pH 8.00、泉温48.1℃、湧出量121g/分、アルカリ性単純温泉
                              溶存物質1085mg/kg  Na-炭酸水素塩・塩化物泉、 無味無臭
                     飲泉可、 夏:20%・冬:10% 加水  駐車 20台位 オーナー:内田耕平 
  
            入湯日・・・06年12月25日 (pH、泉温は当日の実測値です) 

人吉市麓町9−4   


■人吉市内の在来銭湯(共同湯)の中では泉質が一番良い、との地元の人の話で、元湯に入ってみた。

■立地は城址地区に隣接し、入り口付近の庭には、左図の石ゴケむした重厚な案内石碑があった。

■右図、建物も立派だ、前2館のように古さはない。

■前に駐車場があり、平日の午前中にもかかわらず10数台がとまっていた。男子の方には他に1人しかおらず、番台で尋ねると、ほとんど女性の入浴客の車だそうだ。主人が働いているとき、ここの奥さん連中は朝風呂に来ているのか?

■左図、浴室、窓が少し開けられていたせいで湯気が多く、うまく撮れなかった。4m四方位の浴槽がひとつあるだけで、造りがシンプルだ。

■泉質はすべすべ感が少しあり、無色透明だが、湯の花が少し見られ若干にごっている。薬湯、と言われている所以か。


■脱衣室も建物同様、比較的新しく、清潔な感じだ。よく掃除、整頓され壁に張り物も少ない。

■右図、右端が番台、右側は女子脱衣室。



(はな)まき温泉

          

      共同湯「華まき温泉」男子浴槽・・・pH 8.38、泉温39℃(湯口43℃) 掛け流し式
   泉質表(源泉名「華まき温泉」H7.7分析)・・・pH8.52、泉温34.9℃、湧出量260g/分、Na-炭酸水素塩泉
                              溶存物質1916mg/kg 、飲泉可
    営業:10-22:30、300円、家族風呂 1H 1500円(4室)、駐車:30台位
  
            入湯日・・・06年12月24日 (pH、泉温は当日の実測値です) 

人吉市下原田町字横田1518   


■今回こんな街外れの田んぼの中まで来る気は無かったのだが、市内の共同湯で地元の人と話している中で、ここの泉質が一番良い、と言う人が2人いたので入ってみた。「華まき」は山形の花巻温泉にかけているのか(・_・?) 。

■道がややこしい、小さいが、この案内板がなければ初めての客は行けないような、田んぼの中に1軒建っている。

■泉質は、評判どおりのもので、すべすべ感が強く、温泉臭も少しあって気分が良い。加温の掛け流しだが、泉温39℃のややぬる目で、私好みでゆっくつかっておれる。pHは8.38でそれほど高くないが、純重曹泉ということで、つるつるの元になる炭酸イオンが多く含まれている為かpHの値以上につるつる、すべすべ感がある。


■ここの温泉は10年前位ここの主人が器用な人で、自分で指図して泉源を掘り当てた、らしい(入浴客・談)

■日曜日の夕方、という事もあり入浴客は多く、家族風呂(4室)も満杯だった。

 

■建物の右手に温泉汲み場がある。
その蛇口の上には温泉の神様がまつられている。温泉に感謝するオーナーの心意気が感じられて好感が持てる。

■もちろん飲泉可のお墨付きのある温泉で、皆が良い、というので、私も持参のポリタンクではるばる大阪まで持ち帰り、九州の焼酎のお湯割に使っている。味はどうちゅうことは無いが、温泉や九州の旅を振り返って味わえ、酔い心地が良い(自己満足)(^^;)

 


人吉旅館

          

     「人吉旅館」外来入浴 男子浴槽・・・pH8.02、泉温41℃ 掛け流し式
   泉質表(源泉名「?」時期?分析)・・・pH ?、泉温37℃、湧出量40g/分、微弱アルカリ炭酸泉
                         溶存物質?mg/kg  微弱アルカリ性 淡褐色
    外来入浴:12-21、年中無休、500円
  
            入湯日・・・06年12月24日 (pH、泉温は当日の実測値です) 

人吉市上青井町160   


■銭湯(共同湯)ばかりでなく、老舗旅館の”ちゃんとした?”温泉にも入ってみたい、という事で、ここ人吉旅館の外来入浴に行ってみた。先に触れた1200年祭の青井阿蘇神社のすぐ近くにある。

■玄関はきれいに清掃、まき水されており、さすが老舗旅館の風格がある。

■右図、館内の廊下、新しくは無いが、年期の入った感じだ。

 

■右図が男子浴室、浴槽ひとつだけ。老舗旅館と期待して行った割には、普通の浴槽で、泉質も特徴が無い。ただ浴槽に木製のベンチが沈められており、それにゆっくり腰掛けて入浴できる珍しい仕掛けがされていた。

■左図は細長い形のかかり湯を貯めた湯槽。泉温38℃。

 

                                      以 上

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