***** 体感温泉リポート 参拾壱 *****

(秋田県)乳頭温泉郷(にごり湯の秘湯)

■今回秋田・青森の有名な温泉を初めて廻ってみた。その初回は、東北で人気No1のにごり湯の「乳頭温泉郷」。全国的にみても、草津、黒川に次いで3番目位にランクされている。                                                             
■”乳頭温泉”という名前の温泉はない(以前「休暇村田沢湖高原」をそのように呼んでいた時期はあるが)。秋田県の田沢湖北東部の田沢湖高原にある山奥の温泉、7ヶ所を総称して「乳頭温泉郷」と呼んでいる。今回はその中で(旅行時間の制約もあり)人気上位の3湯に入ってきた。いずれも最奥部に位置する”秘湯”の「黒湯」「孫六」「鶴の湯」の3ヶ所です。

■上記3温泉以外の乳頭温泉郷の温泉は、「(上記)休暇村田沢湖高原」「蟹場温泉」「大釜温泉」「妙乃湯温泉」で計7温泉となる。       

乳頭温泉郷の地図(「週間日本の名湯No3」:昭文社、03.10刊より)



黒 湯 温 泉

  
         露天風呂(混浴)・・・pH 3.28  泉温41-42℃(気温:20-25℃)掛け流し式
                内風呂(事務所横)・・・pH 3.38  泉温43-44℃ 掛け流し
                       外来入浴:7〜18時 500円
      泉質表(源泉名「黒湯温泉」H17.11分析)・・・pH 4.2、泉温43.1℃?、?g/分・自然湧出、
                           白色の浮遊物あり。硫化水素臭とわずかな渋味がある
                      溶存物質 120mg/kg、単純硫化水素泉
                           入湯日・・・06年8月29日 (pH、泉温は当日の実測値です) 

秋田県泉北市(05.9合併)田沢湖町      


■上記地図を見て、最初大釜温泉まで行き、右折して黒湯に向かったが、車止めがあり行き止まり。休暇村まで戻って東進して、黒湯駐車場へ。

■ここ「黒湯温泉」は20年位前までは乳頭温泉郷で一番の人気だった。しかしその後、「鶴の湯」に人気が移っていっている。ここ黒湯は昔、「鶴の湯温泉」に対して「亀の湯」と呼ばれていた時代もあるらしい。今も湯治場としての利用客も多い。

■左図、休暇村から黒湯駐車場への道路、下段で見る「鶴の湯」への道は、途中から砂利道だったが、ここの道は舗装されていた。霧のかかった林の中を10分ほど進む。
*画像クリックで拡大画面へ、以下同じ



■終点に開けた駐車場(30台位か)があり、右図の看板があった。後で分かったがその先道路は、孫六温泉まで通じている(但し駐車場は狭い)。

 

■車を置いて、谷沿いにある黒湯へ下っていくと左図の看板。正面が黒湯の旅館で、左へ行くと孫六も近い。

■右図が管理事務所、ここで外来入浴料を払う。すぐ右の建物が内湯のひとつ、その山側に露天風呂がある。


■きれいに白濁したにごり湯だ。浴槽、床とも昔ながらの木造で歴史を感じさせる。この日、平日の朝方の為か、入浴客はまばらだった。

■もちろん掛け流し、泉温が熱い(源泉78℃)ため沢水でいくぶん加水している。それでも泉温43-44℃と高めでゆっくりと入っていられない。

 

■左図が黒湯を代表する露天風呂。東屋のついた、半露天風呂だ。向こうの山まで人が通る道、建物が無く、自然のままのロケーションで快適だ。かすがい付きの柱も、自然の枝を利用してそれに当てている珍しいものだ。

■泉温41‐42℃で内風呂よりは低めでよい。つかっているのは当該HP管理者で〜す。

 

■左図、自炊棟には古い木造宿舎や、かや葺き屋根のものがある。古にタイムスリップした趣がある。

■右図、沢沿いの源泉湧出地帯。硫黄ガス臭の強い湯煙があがっている。なお、麓の田沢湖高原温泉へはこの黒湯から3-4km引湯している。 

 

■”下の湯”の男女別浴舎。とその内部、浴槽。

 


 

孫 六 温 泉

 

       「唐子の湯」内風呂・・・pH 7.80  泉温42-43℃ 単純温泉
                 外来入浴:7〜17時、400円
       泉質表(「孫六温泉」H17.1分析)・・・pH 7.4、泉温49.9℃、?g/分、自然湧出
                           溶存物質 560mg/kg、単純温泉
                                           無色透明、微弱な硫化水素臭とわずかな渋味あり
                   
              
                            入湯日・・・06年8月28日 (pH、泉温は当日の実測値です) 

秋田県泉北市田沢湖町             

 

                                                                 ☆終戦直後か戦前にタイムスリップしたかのような粗末なバラック(木造板張り建築)が続く。


■黒湯の標識に沿って下ること5分で左図、孫六温泉を望める先達川の板橋に出る。そこからの景色が上図です。今頃こんなバラックが残っているのか?遠い昔にタイムスリップしたかの感。これもウリなのか?そういえば阿蘇の地獄温泉清風荘にもこんなバラックの自炊棟が残っていました。

■右図、こんな建物でも内部はきれいなのだろうか、そうでなければ泊まるのはいやだなあ・・・。



■上左図、板屋根の湯小屋「唐子の湯」男女別浴室。上右図はその浴槽。無色透明の単純泉、乳頭にも透明な湯があったのか。温泉が底から湧出している。

■左図、もうひとつの湯小屋、「石の湯」の内風呂。写真では少し青く写っているが、無色透明だ。そしてその扉を排した外側に、右図の露天風呂が川に向かってある。

■孫六の湯、効能はあるかもしれないが、無色透明で、pHも中性で特徴が無く、入っていて癒される要素がない。ロケーション以外はつまらない。それと、古い建物の建替え、資金とか、防火建築基準とか気になるところだ。



 


                   

鶴 の 湯 温 泉

          

       露天風呂(鶴の湯)・・・pH 6.81、泉温 38-39℃ 
    泉質表(源泉名「鶴の湯」H17.1分析)・・・pH 7.1、泉温39.4℃、湧出量?g/分、Na-塩化物-炭酸水素塩泉
                                   無色透明 無味無臭、 溶存物質 2530mg/kg
        (源泉名「滝の湯」H17.1分析)・・・pH 6.7、泉温53.3℃、湧出量?g/分、Na-塩化物-炭酸水素塩泉
                                      溶存物質 2200mg/kg
                  (源泉名「中の湯」H16.12分析)・・・pH 6.6、泉温46.8℃、湧出量?g/分、溶存物質 2920mg/kg
                               含硫黄ーNa-塩化物-炭酸水素塩泉 
            
                           入湯日・・・06年8月29日 (pH、泉温は当日の実測値です) 

秋田県泉北市田沢湖町        

                                                                           

                           黒湯温泉各湯の案内。黒湯パンフより転載                   


■乳頭温泉郷の中で「鶴の湯」は麓に一番近いが、他の6湯とは違った別の沢沿いの最奥部に位置している。1981年より「鶴の湯」の当主となった佐藤和志氏の手腕で20年前頃から黒湯を抜く人気が出だし(黒川温泉のリーダー後藤哲也氏が連想される)、現在”秘湯へ向かう砂利道”が車の渋滞を起こすまでの人気を博してきている。

■その人気の秘密は何なのか、興味津々で訪れてみた。平日の午前中、人が少なめだったが、黒湯や孫六の3〜5倍の人出はあった。シーズンの休日だと渋滞になるのだろう。

■入り口、いきなり時代劇の撮影用集落セットに遭遇したかのような感じ。茅葺の建物も何だが、入り口の個性的な”関所の門構え”みたいなものは何だ?「諸国いで湯案内」(美坂哲男・著、88刊)によると、「カヤ葺長屋は本陣と称し、その昔藩主警護の士が詰めていたといわれ200年前のたたずまいをそのまま保存している」と、厳めしい門構えをそのまま残しているのだ。

■古い木造の建物は黒塗りにされている。黒川温泉もほとんどがこの黒塗り、何か格調の高さ感じられる。20年前の写真では、上記孫六のような安っぽい板張りであったが、”防腐・防虫用の黒いタール”を塗ると、鄙びた感じを損なわずに、宿・建物のグレード感を高める効果があるみたいだ。

 

■前出、当主佐藤和志の温泉経営にかける情熱は、山奥の秘湯のイメージ、鄙びてはいるが古臭くなく、清潔感の醸成にそそがれているようだ。

■左図の丸太塀、火の見櫓、茅葺の公衆電話ボックス。この他、杉茅葺屋根の保存、電線の地中埋設、近隣の大型ホテル進出の阻止等も佐藤氏の努力で。


■左図は案内板。

■右図は本陣の建物内部のお食事処に使われている部屋。各部屋ごとにいろりが切られている。

■ところでここの露天風呂も混浴ですが、人が多く写真は1枚も撮りませんでした(下右図は週間日本の名湯からの転載です。


■右図が鶴の湯を代表する大露天風呂です。あの入浴剤投入の白骨温泉がうらやましがる、きれいな白いにごり湯、泉温も38-39℃と私好みでゆっくりとつかっていられ、人が少なければ、周囲の自然の風景が楽しめる絶好のロケーション。

■女性専用の露天風呂あるのですが、やはりこの露天風呂(混浴)が良いので、女性も2人入っていました。バスタオルは禁止らしく、普通のタオルのみです。そのうちの1人は若いカップルで、二人で立ち上がって裸で写真を取り合うなど目のやり場に困りました。酸ヶ湯温泉のように女性用湯着でも着けてもらったらよいに・・・           
                   以上  


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