不誠実極まりない「学長返信」

"部外秘資料"公表への弾圧事件,その後の経緯

 

2003年3月10日

 

商学部 永岑三千輝

 

(タイトルは佐藤真彦による)

 


 

【永岑三千輝氏が公開した学長との往復書簡とそれに対する永岑氏のコメント】

 

 

 以下は,学長からの返信である。

 いくつもの論点に関して、きわめて簡単なものであり、私の提起している問題に関する真正
面からの返信ではない。

 返信をいただいたこと自体は、公開書簡で質問している以上、多くの人にお知らせして置き
たい。

---学長から永岑宛て(2003年3月8日付:2003年3月10日朝、確認、読了)------------ 

 下記資料の情報ありがとうございます。
 参考にさせていただきます。

 2月27日にはあり方懇談会の答申が市長に提出されました。

 

 大学改革については評議会に図った上で、時機を失し無いように学内の体制を整え、検討
に入りたいと考えています。

 部外秘資料の件については返事が遅れ申し訳ありません。

 

大学改革戦略会議の資料を部外秘にした経過は親委員会の席上で次のような議論を踏まえ
たうえで、部外秘扱いが委員会承認事項[1]となりました。

 大学戦略会議の内容は本学大学改革の方向性を独自に打ち出したもので、それが実現で
きるかどうかは大学内部[2]の今後の取り組み次第にかかっています。

したがって、この資料は本来市立大学関係者が考慮すべき資料[3]であると判断し、部外秘[4]
扱いとしました。

 その方が大学改革に対して柔軟に対応する自由度[5]が大学側に確保できる[6]と判断しまし
た。

 今日のシンポジウムにはご案内をいただきましたが、出席することができませんでした。

 公開される資料が手に入るようでしたらご案内いただければ幸いです。

小川恵一

----- Original Message -----
From: "Nagamine Michiteru" <nagamine@yokohama-cu.ac.jp>
To: "小川 恵一先生" <keiogawa@yokohama-cu.ac.jp>
Sent: Monday, March 03, 2003 9:01 AM
Subject: Fw: [Weekly Reports 105] 国立大学行政法人化問題週報105号

学長
小川恵一先生

 「あり方懇談会」答申の一つの重要な基底には、その「独立行政法人化」の提言に見られる
ように、国立大学法人化法(案)の動向があります。

 

 大学人として、本腰を据えて、この問題を検討しないならば、それこそ、国家百年の大計を誤
るということになると思います。


 国立大学法案に関連しつつ、公立大学法人化法問題も出て来るはずであり、それに関して、
事務局の事務的発想に追随するだけでは、伝統ある横浜市立大学をだめにしてしまうことに
なるでしょう。


 下記の最新情報(是非これは提起的に読まれることを期待します)をお伝えし、全国の大学の
動向をしっかり踏まえられますよう、また、全国的見地にたった改革検討の先頭にたたれるよ
う、期待します。

商学部
永岑三千輝


----- Original Message -----
From: mag2 ID 0000031268 <mag2from@tegami.com>
To: <nagamine@yokohama-cu.ac.jp>
Sent: Saturday, March 01, 2003 5:30 PM
Subject: [Weekly Reports 105] 国立大学行政法人化問題週報105号

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[1] 責任は「委員会」にあるようになる。委員会の長はだれか? 委員長責任は?

 委員会承認と言う以上、だれかが提起したはずである。だれが提案したのか? だれが追
随したのか? 部外秘にする責任の軽重、所在は?

 「委員会承認事項」ということなら、各委員にも責任がある。これまで、個々の委員から責任
ある態度表明を聞いたことがない。これはどうしたことか? このように重大な問題で個々の委
員は態度を表明しないでもいいのか?匿名性の陰に隠れるのか?

 学長のこのような返信に異論はないのか?

[2] 大学内部と言うが、大学を構成するのは、全教員、全職員、そして、学生・院生である。そ
のどこまでを考えているのか?

 学内だけでも広く、万機公論に決すべしの精神でなければならないが、その精神はどこにあ
るのか?

[3] 「市大関係者」には、最初、学部教授会は入っていなかった。学部教授会には、部外秘資
料2は、ことが問題になってから配布された。教授会議事録で確認できる。

[4] 「部外秘」の定義も明確ではない。

 「部外秘1」と「部外秘2」の相互関係、配布先の範囲も明確ではない。

 市長の「議論の段階からの資料公開」の方針などとの整合性についても、言及がない。

[5] 議論を秘密にしておクことが、なぜ自由度が増すのか?

 ここの部外秘資料のどの部分が明らかになると、自由度は減少するのか?

[6] この間、「部外秘資料」が公開されることによって、自由度はどのように削減されたか?

 その検証は?


 

【佐藤真彦 補足意見】


 小川学長からの永岑氏に対する返信は,永岑氏の公開書簡にある多くの質問事項や「部外
秘資料が語る横浜市立大学独裁官僚・・・」)で指摘された問題に対して,誠意ある回答にまっ
たくなっていない.

 このような"はぐらかし答弁"的な回答を今後もつづけるなら,小川学長は責任あるリーダー
として失格であるだけでなく,論理を重んじる科学者としても失格であることを自ら証明すること
になるだろう.