「しんぶん赤旗」2003-6-1付

「横浜市大改革問題」を手際よくまとめた記事

 

 


 

独行法反対首都圏ネットワーク

http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/web030602akahata-1.htmlに,「横浜市大改革問題」を
手際よくまとめた記事(「しんぶん赤旗」2003-6-1付)が載っています.下記はその部分の抜粋
です.

また,同上のページには,「大阪府立大学統廃合問題」に対する教職員組合の取り組みや「公
立大学法人化問題」一般についても紹介されています.市大問題と併せてご覧下さい.

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諮問機関が市立大縮小案

意見聞けと「会」奮闘
「廃校」を含む座長私案発表後、緊急に開かれたシンポジウム。その場で市民の会が発足し
ました=2月8日、横浜市金沢区・横浜私立大学瀬戸キャンパス

 横浜市では、公立大学として七十五年の歴史を持ち、各分野に多彩な卒業生を送り出してき
た横浜市立大学の廃校や縮小を迫る行政側の動きが、大問題になっています。教職員や卒
業生、学生、市民が、市大の存続・発展を求めて運動に立ち上がっています。

廃校も選択肢

 中田宏市長の諮問機関である「市立大学の今後のあり方懇談会」座長の橋爪大三郎東工
大教授はことし一月、「廃校も選択肢のひとつ」とする私案を発表。二月に発表した懇談会の
答申では、「改革の具体策」として、「大学の経営形態は、独立行政法人とする」「三学部(商学
部、国際文化学部、理学部)を一学部に統合する」とし、「学費を値上げする」「市費による研
究費の負担は、大学が精選した分野を除いて、原則として行わない。外部資金が得られた場
合に、研究を進める」などと打ち出しました。

 こうした動きに対し、関係者、市民は、いち早く二月八日、大学のキャンパスで緊急シンポジ
ウムを開き、その場で「横浜市立大学を考える市民の会」(市民の会)を結成。シンポを重ね、
はがきを含めて卒業生約二万人に協力をよびかけ、ポスターも作製、インターネットのホーム
ページも立ち上げ、反響を呼んでいます。市大の存続・発展を求める署名は、すでに約一万人
分が寄せられています。

 市民の会代表で、市大の卒業生でもあり、現在名誉教授の長谷川洋さん(69)=横浜市金
沢区在住=は、「私たちは大学改革そのものに反対しているわけではなく、答申の中身に重大
な矛盾点があると考えています。答申では、研究から教育に重点を移すとしていますが、大学
にとっては研究、教育、学生の人材育成が骨格であり、そこを弱めてしまっては、市民ニーズ
にこたえることや生涯教育も十分にできなくなります」と指摘。「市長も大学側も、私たちの指摘
を受けとめ、検討し、そこをクリアした改革の方向を示してほしい」と訴えます。

 東京在住で、ホームページやシンポを通じて市民の会に加わった、商学部卒業の会社員の
女性(30)も、「大学の改革を半年ぐらいの期間でやってしまうというのが信じられません。学
生の意見が全然反映されていない」と疑問を投げかけます。

7日に「夕べ」

 会では、六月七日に作家の井上ひさしさんを招いて、市大の存続・発展を求める市民の夕べ
も開きます。

 日本共産党は、横浜市議団が、緊急シンポにかけつけ、二月十二日に見解を発表。「廃校」
や「法人化」を許さない大学人と市民の運動をよびかけ、市議会の本会議や大学教育常任委
員会で答申の問題点をただすなど、市民と力を合わせて頑張っています。

 (神奈川県・岡田政彦記者)