荻原昭英(昭和37年卒) 「横浜市大同窓会の開催」 (2003.6.10)

 

荻原昭英氏ホームページ 続 横浜市大大学改革論

http://yoogi53.hp.infoseek.co.jp/essay295.htm より

 

横浜市大同窓会の開催

平成15年6月6日(金)、横浜市大の同窓会の打ち合せ会が横浜で開催された。
議題は同窓会の開催と大学改革問題である。
会議の状況は次ぎの通り。

(平成15年6月10日)


同窓会会長 馬場 彰 ( 昭和33商)あいさつ

市大同窓会の開催と75周年募金の状況について説明。大学改革についてはいっさい触れない。

議題

T横浜市大同窓会 司会・説明  坂本 忠歳 (昭和33商)

2年に1回開催される横浜市大同窓会である。
今年は、横浜市立大学創立75周年記念式典と同時開催になる。

時期、11月7日(金)
場所、ロイヤルパークホテル
式典 16:00
同窓会 18:00
会費 12000円(女性10000円)

U 緊急議題、「横浜市立大学の大学改革」

出席者

横浜市大学長 小川恵一
進交会理事長  野並 豊( 昭和14Y・16専)
同窓会会長・副理事長 馬場 彰( 昭和33商 )
シーガル会 黒津貴聖(31商)

市民の会代表 長谷川洋(32文)

議題の司会進行、 シーガル会 黒津貴聖(31商)

(横浜市大学長の経過説明)

1、平成15年2月27日 あり方懇答申の説明 資料1

2、平成15年5月7日 市立大学の市長メッセージ資料2

3、平成15年5月13日 (臨時評議会)資料3

大学検討体制 

学内:市立大学改革推進・プラン策定委員会(教員21名、事務局18名)

幹事会(教員7名、事務局員7名)

市側:横浜市大改革推進本部 (本部長 前田副市長)

4、私の大学像 −変革する社会からみたー

 小川学長は、「横浜市立大学の大学改革」とタイトルした資料をもとに説明する。
冒頭、この議題がスムースに終わることを期待する旨の発言があった。

 説明は、平成14年度進交会評議員会・通常総会の場合とまったく同一である。

@先進国、先進都市の大学A大衆社会の大学、B成熟社会の大学、Cまとめ レベルアップ教育の充実、教養と専門知識の保証、大学院の充実、教育都市横浜の実現を内容とするもの。
ごく一般的総論的内容で具体的なものは何もない。
延々と時間をかけて説明する。
持ち時間の大半を資料説明にあてる。質疑の時間をできるだけ短くしようとする狙いのようである。
 問題になっている@プラクティカル・リベラルアーツカレッジA独立法人B非公務員C公募・任期制D実践的な教養教育E3学部の統合(医・看・教養T学部)にどう考えるかの説明はいっさいない。

しびれを切らした出席者から「そんなことなどうでもいい。もっと具体的なことを話してくれ」という要求があった。

質疑の段階になると、熱心な質問が学長に相次いでなされた。

主な意見
@大学改革について類似の公立大学の取組の比較はどうか。
Aこの大学改革は3回目。起きるべくして起きた改革である。きちんとした改革が必要(32年)。
Bよりよい大学づくりのために協力したい(32)
Cやたらに英語を使うのはおかしい。「プラクティカル・リベラルアーツカレッジ」「プロジェクトR(市立大学改革推進・プラン策定委員会の愛称)」など意味不明、曖昧な外国語を使うべきでない(37)。
D市民の会代表 長谷川洋(32文)氏から「あり方懇答申」の見過ごすことのできない問題点を指摘。 

 学長の回答の前に馬場同窓会会長がたちあがり、「学長は真剣に大学改革に取り組んでいる。10月にはその報告もまとまる。それまで待とうではないか。その段階にならなければわからない。その案ができてから同窓会の態度を決めればよい。私のところへいろんな人が訪ねて来たり、手紙を貰ったりしているが、私は今はじっとしているほうがいいと思う。案ができた段階で、場合によっては強硬に申し入れることにすればいい」と発言する。
 同窓会会長は、声を荒げた強圧的、ワンマン的発言で学長を擁護し、同窓生の意見を聞こうとしない。
学長を擁護する態度で一貫している。

 シーガル会の大学改革論は、大学改革への「あり方懇」の答申や中田市長の方針とほぼ同一である。
そういった立場から、シーガル会 黒津貴聖(31商)氏は、「あり方懇」の答申や中田市長の方針に反対する同窓会の取り組みに消極的である。
黒津貴聖氏の議事進行も、参加者の発言を制限し、抑える態度に終始している。
市民の会の長谷川洋氏が「あり方懇答申」の問題点を指摘し、参加者が熱心に聞いているとき、「もっと発言を短くしてほしい」と注意する。
学長への質問も学長に答えさせない。
結局、学長は、資料を延々と読み上げただけ。
次ぎの大学同窓会も開く気がない。
これで横浜市大同窓会への説明は終えたというつもりのようである。

 改革推進・プラン策定委員会の構成を見ると、教員21名、事務局18名、幹事会では教員7名、事務局員7名と事務局の人数が異常に多い。
 大学自治の原則からすれば、大学改革に関して、事務局は本来メンバーとならないはずである。
これは、「あり方懇」の答申を前提に、数の力で、教員の意見を抑え、事務的に具体的な詰めをしていこうということである。
「あり方懇」の答申を具体化するための作業を迅速に実現するための体制である。

 同窓生の意見を無視したり、抑えたりしている場合ではない。
大学が事実上廃校の方向に進み、自分の母校がなくなるかもしれないときにそんなことをしている場合ではない。
総力を結集して難局に立ち向かわなければならないときである。

 しかし、同窓会は、大学改革問題がどんどん既成事実を積み上げられながら、改悪の方向に向かって進んでいるのに何の意思表示も行動もしない。市民の会の行動も無視している。
何の意思表示も行動もしないということは市長の改革を容認し、支持しているということに気が付かない。
 聞けば、馬場同窓会会長は、同窓生有志が大学改革問題で会いに行っても会わないという。
今回の同窓会の打ち合わせも秋の75周年記念式典と同時開催の同窓会の件がなければ開催しなかったろう。
同窓生の意見を吸い上げ、総意のもとに行動する気がない。
一部卒業同年次のグループですべてを決める同窓会の運営である。

 要するに大学改革について、現段階では馬場会長は何もする気がない。
したがって、同窓会としてなんの意思表示も行動もしないということである。
現状に対する理解が浅く、先行きへの読みが甘い。
しかも同窓生の意見を抑えようとする。
このままでは、市長の思い通りの大学改革が進められる。
 この馬場会長のリーダシップに不満を持つ人々も増えている。
同窓会の役員の任期、改選を検討する時期に来ているという意見も出ている。


 市立大学改革推進・プラン策定委員会幹事会

出席幹事

教員側
小川学長、柴田副学長、奥田副学長、藤野商学部教授、南医学部教授、金子国際文化学部教授、小島総合理学研究科教授

事務局側
中上総務部長、宇賀神附属病院管理部長、葛西部次長(総務課長)、伊藤部次長(企画課長)、白鳥研究推進課長、佐野大学改革担当課長、中山大学改革担当課長

 大学改革推進・プラン策定委員会は、2層構造。
実質的方向付けは幹事会で案を作り、委員会がそれを承認する。
主要メンバーは両方の構成員である。
従って、委員会は翼賛委員会である。
幹事会の構成は、教員7名、事務局員7名。
その氏名、役職は上記の通り。
 事務局の意見は一枚岩、教員側は、学長、副学長、その意を体する教員である。
この構成を見れば、今後の大学の改革は明らかで、「あり方懇」の答申を権威づけするだけのことになる。