ぼくたちの岸根保育園

 

佐藤真彦:『岸根保育園の民営化問題』

 

(「市民の会」ホームページ,「議論の広場BBS」No.284参照)

http://www8.big.or.jp/~y-shimin/wforum/wforum.cgi?no=284&reno=282&oya=272&mode=msgview&page=0

 


 

下記は,先月末に「市民の会」のある方から『岸根保育園の民営化問題』が通知され,これに
対して【市立保育園民営化に反対しているグループとの連帯の輪を広げ,中田市長の危険性
を多くの方々に出来るだけ早く知らせることは大変重要で,また,横浜市大問題を身近な問題
として一般の方々に理解してもらう契機ともなると思います】という長い「件名」で送付した5月2
8日付の返信メールです.

「市民の会」の方のメールには,「幼い子供達を犠牲にするという点で、読んでいて悲しくなって
しまいます。」「事態はかなり急速に展開しているので、・・・協力できたらいいな、と思ってま
す。」とありました.いずれ,その方からも紹介があるかも知れませんが,「中田市長の危険性
を多くの方々に出来るだけ早く知らせることは大変重要」と考えておりますので,平 智之氏の
投稿記事へのレスポンスとして投稿致します.

なお,関 美恵子横浜市議(港南区選出,日本共産党)のホームページhttp://www.seki-
mieko.jp/ にも『市立保育所の民営化計画をやめ、市立保育所として存続・充実を』というタイ
トルの記事http://www.seki-mieko.jp/zatukubaran/html/1051746795.html が掲載されていま
す.

また,中田市長の盟友(http://www8.big.or.jp/~y-shimin/doc03/yo-model.pdf参照)で,松下
政経塾出身の山田 宏氏(東京都杉並区長http://www.yamada-hiroshi.com/)が強行している
『杉並区の保育園民営化』に反対する運動が
http://members.jcom.home.ne.jp/tokakushin/saisin210/hoiku21001.html および
http://members.jcom.home.ne.jp/tokakushin/seisaku/seisaku4.html
にあります.


【5月28日付返信メール】
・・・・・・・・・・
○○○○様

「ぼくたちの岸根保育園」http://www.geocities.jp/madokakamen/ およびその中にある「民間
移管…尼保連の見解(ホームページより)」を見ました.

「横浜から日本を変える」というスローガンのもとに中田市長が強行しようとしている「改革」の
実態が,横浜市大改革よりもさらに強引な形で押し進められているのがよく分かります.

また,先行して保育園の民営化を行った尼崎市における現状を見れば,民営化が成功したと
はとても言えないと思われる状況も分かります.

私も先日,「市民の会」の「議論の広場BBS」No.260
http://www8.big.or.jp/~y-shimin/wforum/wforum.cgi?no=260&reno=no&oya=260&mode=
msgview&page=10 
で市立保育園民営化問題に触れて,『中田市長は,一方で,“市民の求める”・“市民のため
の”・“市民と一緒に”などのキャッチフレーズで“市民派市長”の幻想を振りまき,他方で,市民
が真実に気づかぬうちに一挙に事を進めようとしていると思われます.これも,中田市長自ら
が“ニュージーランド詣で”をして学んだ “市民にとって何が何だかわからないうちに急速に改
革を押し進める”という手法を忠実に実行しているということなのでしょう.このような市民を愚
弄するやり方がいつまでも通用するはずがなく,中田市長の手法や政策にはすでにほころび
が目立ち始めています.』と指摘しましたが,

市立保育園民営化に反対しているグループとの連帯の輪を広げ,中田市長の危険性を多くの
方々に出来るだけ早く知らせることは大変重要で,また,横浜市大問題を身近な問題として一
般の方々に理解してもらう契機ともなると思います.

なお,以前に松井先生(注:松井道昭横浜市大商学部教授)の紹介された『すり替えられた規
制緩和(内橋克人)』http://satou-labo.sci.yokohama-cu.ac.jp/page065.html にある内橋克人
氏の以下の指摘から,最近の「改革」「規制緩和」「民営化」が何を意図しているかがよく分かり
ます(「大学改革」はこれに,戦前にもない世界のどこにもない強力な国家統制・官僚統制が加
味された最悪のものです).

『・・・規制緩和をやらなければ日本は世界に遅れていく、国際競争力が弱くなってしまう、景気
は回復しない、新しい産業フロンティアも開けない、そういう雰囲気がどんどん作られておりま
す。・・・
 一言でいえば、何事も市場に委ねさえすればうまくいく、市場機能の働きによって最適の資
源配分が達成される、というもので、雇用・労働もまたその例外ではありません。・・・
 市民社会的規制も含むあらゆる規制の撤廃、つまり「例外なき規制緩和」という言葉こそ、以
上に述べてきたような事情の集約的表現であったことがよく理解できるのではないでしょうか。
 こうして「市民主義」に対峙できる「市場主義」が時代の思潮として、日本経済の主流をなすよ
うな財界人の世界に、激しく台頭することになりました。「市場主義」こそ、以上に述べてきたよ
うな、すべての条件に適合していたからにほかなりません。
 それはまことに力強い大衆説得力をも兼ね備えた学説であり、反官僚、自由、開放、自立の
代名詞として押し立てるのにもっとも好都合の思潮でもあったからです。
 加えてバブル崩壊後の、深刻な不況からの脱出を願う中小零細な企業家たち、また一般サ
ラリーマンの人々への説得性においても抜群の力を発揮する思潮でした。
 当初、規制緩和が見事な「万能論」として登場してきたのはこういう歴史的背景によっていた
ということができます。
 この戦列にただちにマスコミが馳せ参じたことは繰り返すまでもありません。規制緩和はマス
コミにとってもまたお誂え向きのスローガンでした。
 やがて運動は「改革」のキャッチフレーズのもとに集約化され、高揚し、結集されていくのです
が、いまにして振り返ってみれば「改革」の真意とは何であったのか。
 医療改革ひとつ、改革という名の国民負担の増大にほかならなかったことが、もはや見事に
証明されている、といえるのではないでしょうか。』

佐藤真彦