永岑三千輝氏:「怒りの日誌&メール」第2弾

大学人の屈服ぶりに愕然

 

 

永岑三千輝氏ホームページ

http://eba-www.yokohama-cu.ac.jp/~kogiseminagamine/Nisshi.htmより

 

(タイトルは佐藤による)

 

 


 

----- Original Message -----
From: Nagamine Michiteru
To: 事務局長 高井禄郎様 ; 小川 恵一先生
Sent: Tuesday, August 19, 2003 10:35 AM
Subject: 大学人の屈服ぶりに愕然


学長 小川惠一先生

(事務局長 高井様)

 プロジェクトR委員会資料を入手した最初の感想を大学問題日誌に書きましたので、お送りし
ます。

 悲しさと怒りをもって書いております。



 商学部

 永岑三千輝

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2003年8月19日(3) 昨日「第3回プロジェクトR委員会次第」およびその審議事項(「プロジェク
トR資料」)を入手した。やはり、学部解体縮小という官僚主導の経済主義的改革案に教学側
が屈服した内容となっている。これで市大のランクは一段階、いや数段階落ちるだろう。文科
系においては博士課程を全廃している。これまで、経済、経営、国際文化にも博士課程はあっ
た。それを発展させるというのではなく、廃止するという堕落ぶりである。大学基準協会の市大
評価:「4学部への分離や大学院の設置・拡充は時代の要請に応えたもので、評価できる。し
かし、4学部間の連関が不十分である。大学院の実態を充実すべきである。」とあったことなど
は、新しく来た事務局責任者などは眼中になく、情報が発信されていても勉強もしないというこ
とだろう。

研究者養成をあきらめたということであるが、同時に、高度教養人を多数抱える横浜市・神奈
川県の公立大学として、定年退職後の市民・県民の学術研究への専心の可能性をとざすとい
うことである。ある市民は、「定年後、余生をかけて、道祖神の研究をまとめ博士の学位を取り
たい」と希望し、またある市民は「本当は考古学に興味を持っていた。定年退職後は、この本
当にやりたかったことを大学でやりたい」といっている。このような高度教養人の市民社会の中
核となるべき横浜市の公立大学において、博士課程を廃止するなどという無教養の構想が出
てくるというのは、愕然とするほかない。

傲慢横柄な事務局責任者のひねり出した案であろうし、それに抗し得なかったプラン策定委員
会の軟弱ぶりに対して、怒りを禁じえない。

そのようなプラン策定委員会の屈服ぶりからして、独立行政法人化の場合、国立大学法人法
や公立大学法人法の本則ではなく例外規定にすがりつき、学長と理事長を分離するという屈
辱的案を飲みこみ、飲みこまされた案となっている。これまで、学則のもとで、職務分掌上、学
長の指揮下にあった甚句局長や総務部長が学長をないがしろにし、評議会を無力化すること
をやってきたとすれば、そのシステムを公然と大学のシステムとして制度化するということであ
る。これは、大学であって大学でないことになろう。事務局独裁、経営独裁は、この体制では強
化され、大学の生き生きとした発展は望めないだろう。経営と研究教育を文理出きるなどとい
う発想こそが、大学の本当の発展を考えたことのない人々が考えることだろう。


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永岑三千輝
横浜市立大学大学院経済学研究科・商学部
236−0027 横浜市金沢区瀬戸22−2
Tel.045-787-2125、  Fax.045-787-2413
E-Mail:nagamine@yokohama-cu.ac.jp
http://eba-www.yokohama-cu.ac.jp/~kogiseminagamine