日本共産党横浜市会議員団:

市民の立場に立った「学問の府」にふさわしい大学改革をすすめるための申し入れ

 

日本共産党横浜市議団ホームページ http://www.jcp-yokohama.com/index.html  

 

http://www.jcp-yokohama.com/seisaku/article/030829-173425.html より

 

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市民の立場に立った「学問の府」にふさわしい大学改革をすすめるための申し入れ(03.08.29)

2003年8月29日


学長  小川 恵一 殿


日本共産党横浜市会議員団
    団 長   大貫  憲夫

 

小泉内閣が、「構造改革」の一環として打ち出した「大学改革」は、「競争的原理の導入や効率的運営」など、大学に企業経営の論理を持ち込み、およそ「学問の府」とは縁遠い大学に変質させようとしています。
 本市における「大学改革」も「あり方懇答申」と「地方独立行政法人化」をふまえた検討が「市立大学改革推進・プラン策定委員会」ですすめられ、「大学改革案の大枠の整理について」(以下「大枠」)という中間報告が発表され、10月末には「改革案」が出される予定です。

 しかし、「あり方懇」答申、「大枠」ともに、「大学の運営形態を独立行政法人」を有効としています。「法人化」については大学自治の侵害、教育・研究への成果主義導入による基礎研究の形骸化、法人移管による公的責任の放棄、経済効率優先の経営、学費の大幅値上げなど、多くの点で問題が指摘されているものです。

この間、「2学部1研究科委員会」の批判決議をはじめ、市民団体、教員組合、職員組合、労働組合、教員有志が、それぞれの立場で、アンケートやシンポジュウム、宣伝に取り組み、市長や学長などに対し何度も申し入れや交渉を繰り返し行っています。市大学生有志は、市会議長も含め市長に「市大在学生に対して説明会を開催してください」との要望を出しています。しかし、今回の「大枠」をみるかぎり、それらが反映されたとは思えません。

 「市立大学改革推進・プラン策定委員会」は、幹事会を中心に十数回の会議を持ち、ホームページや今回の「大枠」でみるかぎり、「法人化」に向けての検討に入っており、極めて重大な局面を迎えています。ところが、会議は、すべて非公開で進めており、内容について、市民はもちろん、関係者にも解らないという異常な状況は変わっていません。
このような事態を直ちに改め、「学問の府」にふさわしい大学改革を市民の立場ですすめるため、以下の点について強く申し入れるものです。

 


1、大学改革の方向については、学外者で検討が進められた「あり方懇」答申によるのでなく、「大学の自治」の立場から、教員、職員、学生、留学生、院生など市大関係者の総意を結集し、市大自身が決めること。

2、学生の父母、卒業生、同窓会、地域住民や各界の代表、教育関係者なども参加して、意見や要望を述べることができる制度をつくり、大学改革に反映すること。

3、「市立大学改革推進・プラン策定委員会」等への市民の傍聴を認め、会議の論議を広く公開すること。

4、次の点を「大学改革」に反映すること。

(1)「あり方墾」答申や「独立行政法人」を前提とした改革検討はただちにやめること。

(2)教育を重視して学びがいのある大学にするため、学生の実態にかみ合った教育内容と方法の改革、一般教養教育の重視、少人数教育の本格的導入、教育条件の充実をはかるものにすること。

(3)大学自身が研究と教育の成果を市民に公開し、学生の父母や地域社会の代表、教育関係者等が参加して、大学への意見や要望を自由に述べ、大学の研究・教育・運営に生かしていく場の設置・審議機関等を設けること。

(4)「学問の自由」を保障し、大学の目標や計画は大学自身が決め、民主的で効率的な大学運営のもとに、自由で創造的な研究を振興するため「自由に使える教育研究費」の充実を図ること。

(5)誰もが高等教育を学べる条件として学費の大幅軽減、奨学金制度の充実を図ること。

5、小泉内閣の「大学の構造改革」の撤回を求め、国による大学への財政負担の責任を果たさせるよう働きかけること。