「横浜市立大学を考える市民の会」2003年9月7日アピール(2003.9.7)

 

http://www8.big.or.jp/~y-shimin/houkoku/030907appeal.html 

 

 

「市民の会」では、9月7日「市民の手による集い」にて、以下のアピールを発表いたしました。

「横浜市立大学を考える市民の会」2003年9月7日アピール

 

「横浜市立大学を考える市民の会」2003年9月7日アピール

 

 私たち「市民の会」は、2月に結成されて以来、大学改革の成果をすべての市民が享受するためには、横浜市立大学および附属2病院の存続・発展こそが必要であることを訴え、「市立大学の今後のあり方懇談会」の「答申」が唱える実質的な大学縮小案や、拙速とも言える「改革」のスケジュールを批判してきました。そして、これまで市長宛に要請と陳情、学長宛に二度の要請を行い、6月に行った学生アンケートの結果、さらには7月から実施し、5千人にのぼる市民に配布したアンケートの中間集計結果も、市長、学長に伝えて参りました。

 残念ながら、去る8月21日に大学が発表した「大学改革案の大枠の整理について」は、異なる分野の3学部を1学部に統合し、プラクティカルなリベラルアーツを目指すという、「答申」の思慮を欠く大学縮小案を、ほぼ全面的に受け入れた官僚的作文でした。また、「改革」のスケジュールについても見直される気配はまったくありません。さらに、5月28日に私たちが提出した市長宛の要請に対する返答が届いたのは、ようやく8月20日になってからであり、先日学長宛に提出した「大枠」に関する40項目にわたる質問書の回答もいまだ出ておりません。これまでのところ、市も大学も私たち「市民の会」の声に真剣に耳を傾けていないと判断せざるを得ません。

 しかし喜ぶべきことに、市民アンケートを含めたこれまでの活動を通じ、私たちのもとには大学改革に関する建設的意見が数多く寄せられています。また、本日の集会でも大学の発展的改革を求める多くの提言がなされました。そして、それら多くのご意見からは、横浜市民が、多様で高度な研究と自由な発想をはぐくむ教育を行い、市を活性化し、経済的にも文化的にも市民に貢献する大学へと横浜市大が発展するよう願っていること、そして、実に多くの改革に関する有効な具体的提案があることがわかります。私たちは、こうした提案を充分に検討し改革案作りに活かすなら、必ずや横浜市大が、市民とともに歩み、市民の生活をさらに豊かにし、市民が誇れる大学に発展するものと確信します。

 本日のこの集会において、私たちは、「市民の会」が市民の声を集約する場であることをあらためて確認するとともに、市および大学に市民の声が届くよう、さらにねばり強く活動を続けなければならないと決意を新たにしています。そして、今日この開場で発表された貴重な提言の数々、さらには市民アンケートや学生アンケートの結果をふまえ、市議会を通して市にはたらきかけを行います。

 はたして市民の声を反映させずに市民のための大学改革ができるのでしょうか。学生の声を聞かずに教育の場を改善できるのでしょうか。75年の長きにわたり市民によって育てられてきた大学の将来が、たった7人の「あり方懇」がわずか7回の会合で取りまとめた「答申」によって決められてよいものでしょうか。大学の示した、3学部を1学部にしてリベラルアーツを目指すとした「大枠」は本当に大学を発展させ、市を活性化し、市民生活を豊かにする改革案なのでしょうか。私たちの、そして市民の答えは「否(ノー)」です。私たち「市民の会」は、市および大学にたいし、私たちが集約する市民の声を真摯に受け止め、大学改革に反映させるよう要請し、この集会におけるアピールといたします。