【1】教員組合:横浜市会大学教育委員会報告
【1-1】2003年11月11日(岩崎執行委員)
【1-2】2003年11月14日(鞠執行委員)
【2】藤山嘉夫(執行委員長):全員任期制導入に関する文言について
【抜粋】
・・・
関美恵子議員(共産党):教授会の権限については学校教育法に「重要事項の審議」とあるが、学生身分等に限定する改革案はそれと矛盾しないか?
局長:「重要事項」の内容は設置者の判断となるので、矛盾はない。
関:改革案にある任期制、年俸制は法律から相当はみ出しているのではないか?
局長:任期法では大学の判断に委ねられている。独法化に伴い、私立大同様現行の労働法制でできる。
関:学生アンケートではリベラル・アーツ一般についてたずねている。市民の会によると、市大のリベラル・アーツ大学化には80パーセント以上の学生が反対している。アンケートには正確さが必要ではないか?
学長:学生にきちんと理解させればプラクティカルなリベラル・アーツの支持率はさらに高まるだろう。
・・・
関:今回の大学改革案は、大学審議会の答申、将来構想委員会、あり方懇などの議論を取り入れて、地域貢献などの大学像を打ち出したと思うが、その策定過程が非常に非公開で、重大な問題があるのではないか。プロジェクトRの議論が9回、幹事会が40回くらいあったと思うが、学生や市民のアンケートを考慮していないのではないか。
高井:いろいろな意見を伺い、公開を前提として評議会の議を経てやった。アンケートも考慮した。
関:国際文化学部の教授会が、大学改革案について遺憾であるとの反対決議に加え、10点以上の反対決議が行われたと思うが、それを反映しているか。
小川:いろんな意見が出るのは関係する。それらの意見に目を通している。しかし、10月までにまとめなければいけないと思って、反対意見があることを承知の上でやった。やむ終えなかった面がある。
関:何人か評議員から反対意見があり、採決の要求にも応じず、また理由も示さずに、拒否した。また、議事録に名前を残すこともしなかったという。なぜか。
小川:人事委員会などについて、法律の観点、学問の自由などの観点から意見がでた。いろんな意見が出るのは歓迎している。名前を載せないほうがむしろ自由に意見を述べることができると考えた。
関:民主的に評議会を運営するよりは、学長が一方的にやったのではないか。
小川:そう思わない。十分な時間を割いてやった。みなさんの意見を聞いた上でやった。
関:いろんな意見を勘案してまとめたとしたら批判は出ないはずではないか。
小川:みなさんの意見を聞いて実際修正した。聞かなかったとは思わない。
・・・
関:任期制について聞きたい。法律はどうなっているか。
高井:(この質問に対し、高井事務局長は、独立行政法人法の59条を読み上げる)
関:今回の改革は移行型である。今の法律に基づいて導入できると思うか。
高井:これから十分検討していく。新たな契約になるだろう。
関:参議院の解釈でも、教員の身分は自動的に引き続き守られることを言っている。
横浜市大へ任期制を導入することは、法にも違反する。
高井:(再び、独立行政法人法の59条に触れ)法の通り進めるつもりである。
関:教員の身分は守られるべきである。任期制、年俸制に、メリットが多いというが、デメリットが多い意見もある。
高井:職員、教員として、方針を守る限り、影響はない。
・・・・・・・・・・
【1-1】
大学教育委員会(2003年11月11日)についての報告
改革案「横浜市立大学の新たな大学像について」について小川学長より説明
改革案は臨時評議会の了承を得たものとことわった上で配布資料「骨子」にしたがって説明
質疑応答はその大半が関美恵子委員(共産党)の質問に答える形で行われた
関:教員養成課程廃止の理由は?
学長:免許取得希望の学生が少ない上、採用も少ないので基本的に廃止の方向で検討しているが、決定はしていない。財政状況など総合的に判断する。
関:教授会の権限については学校教育法に「重要事項の審議」とあるが、学生身分等に限定する改革案はそれと矛盾しないか?
局長:「重要事項」の内容は設置者の判断となるので、矛盾はない。
関:改革案にある任期制、年俸制は法律から相当はみ出しているのではないか?
局長:任期法では大学の判断に委ねられている。独法化に伴い、私立大同様現行の労働法制でできる。
関:学生アンケートではリベラル・アーツ一般についてたずねている。市民の会によると、市大のリベラル・アーツ大学化には80パーセント以上の学生が反対している。アンケートには正確さが必要ではないか?
学長:学生にきちんと理解させればプラクティカルなリベラル・アーツの支持率はさらに高まるだろう。
花上(民主党):改革案を学長が取りまとめる過程で論議を呼んだポイントは何か?
学長:3学部統合の是非について議論されたが、これは対立ではない。人事委員会、任期制についてもいろいろ意見があったが、最大限取り入れた。
花上:木原研再編の方向性は?
学長:生命科学分野での実績を活かして、市大の売りとして位置付け、発展させていく。
花上:改革案についての今回の学内の論議をどう評価するか?
学長:教授会でも、プロジェクトR、幹事会でもいろいろな意見が出たが、なるべく養分にしながらまとめてきた。できればもっと時間がほしかった。
花上:もっと時間があればという点は気になるので、改革案実施の段階で後悔しないようにしてほしいが。
学長:たとえば任期制について、これから制度作りなど教員の意見を聞く余地がある。元気の出る大学にしたい。
若林(ネット):学部統合、教員養成課程廃止の方向というが、大学の規模はどうなるのか?
学長:学生定員は従来の一学年710名を前提とする。教員についてはこれから判断する。
若林:学生から寄せられた意見も公開を求めたいが?
局長:学生からの意見はいずれまとめて公表したいが、プライバシーの問題もある。
梶村(自民党):あり方懇でふれられた繰入金の見通しは?
局長:現在、財政当局と交渉中だ。学府のコース設定はあくまで例示であり、これから精査する。
関(共産党):教員組合によると、臨時評議会後に改革案の文書が変更された部分があるとのことだが、道義に反するやり方ではないか?
学長:人事委員会、任期制については評議会で読み上げたメモから変更はない。行き違いで、組合の誤解だろう。若干の文言修正については学長に任された。
局長:私も評議会に出席したが、学長の言うとおりだ。変更は絶対にない。出席していない組合がどこから情報を得たか知らない。
なお、花上委員の質問に答えて、前田副市長が改革案についての市側の評価を以下のように述べた。
21世紀にふさわしい見事な案をまとめていただいた。財政状況は厳しいが、改革案を最大限尊重してバックアップしたい。できれば今月中に設置者の方針を固めたい。
(文責 岩崎執行委員)
・・・・・・・・・・
【1-2】
横浜市議会の大学教育委員会議題
横浜市立大学関係:
横浜市立大学の新たな大学像について
日時:2003年11月14日 午後2時ー5時05分
場所:市会第3会議室
市議会の大学教育委員:
委員長 飯沢清人(みらい)
副委員長 榊原泰子(公明党) 副委員長 梶村 充(自民党)
委員 和田卓生(公明党) 委員 吉原 訓(自民党)
委員 花上喜代志(民主党) 委員 藤代耕一(自民党)
委員 川口真江(民主党) 委員 小幡正雄(みらい)
委員 関 美恵子(共産党) 委員 若林智子(ネット)
(座席配置については市議会が配った別刷りがある)
*お断り
以下の内容は、上記の市議会委員会を映すモニターを見て聞いたことをまとめたものである。メモを取りながら聞き流したもの、聞き取れなかったものもあり、市議会の記事録とは一致しないところがあるかもしれない。また、全体を記録したものではなく、要点を中心に書いたため、その内容を詳細に伝えないところがあることをもご了承いただきたい。
大学教育委員会での議論内容
14:00−14:10
市大横浜センター病院側より、
大学センター病院が患者に酸素ではなく素を注入した事故について説明が行われた。
14:10−14:46
上記の事故に関する質疑と答弁が行われた。途中、
14:25、モニターの音が聞こえないトラブルがあったが、
14:28、モニターの音が聞こえるようになった。
その後、病院事故に関する質疑と答弁が継続された。
14:46ー17:00 横浜市立大学の新たな大学像ついて、上記の委員会が議論
まず、高井事務局長から国からの補助金について、詳細な市大の補助金がいくらとは明らかにしなかったが、日本の大学事業団からの総額が、781億円なのでそれを一校当たりに単純計算すると、35億円程度であると言及した。また、高井事務局長は、補助金の金額を正確な積算は難しいと言った。その際、補助には一般補助と特別補助があり、一般補助はある度計算できるが、特別補助の計算は難しいとのことも発言した。以上の補助金の件は前回の議題の答えの一つであったと考えられる。
以下は、議員達と大学当局(小川学長、高井事務局長、前田副市長)とのやりとりである。
藤代:大学改革案にある、理事は何人で構成されるのか。
高井:まだ、決めたことではない。学長、各部局長の一部などは含まれると思う。
藤代:教育基本法に定められている、学問の自由や大学の自治を考えると、学長が副理事長になるのはおかしい。
高井:学長選考機関が推薦し、市長が任命する。地方独立法人法に具体的に決められている。
藤代:人事委員会もおかしい。学問の自由や大学の自治が守られるのか。
高井:人事委員会は学長の諮問機関である。任期制や年俸制をも利用する。
和田:この改革案にあることが、大学の構成員である教授陣や学生サイドからどれくらい魅力があると思うかが気になる。それをどうアピールするか説明してほしい。
小川:受験生がどのように思うかが重要だ。受験生が大学を選択するとき、実用性も念頭に入れると考える。大学改革案では、総合教育と専門性という両方を重視する。学生達がはっきりした目的意識がなくても、入学が決まって、横浜市立大学で自分の進路を決めることができることをわかれば、学生にとって魅力があると思う。
和田:学生達は、良い大学に入れば、将来性があると思う学生もいるだろう。学生達がいかにして自分の力を発揮したいかも考えるだろうが、目に見えないものを提供しないと魅力がないと考えないのではないか。学生に資格試験がとれるようにすることについてどのように思うか。
小川:学生達が資格試験を通れることを求めているのも事実である。人間性や全学最適化の観点から考えていきたい。
和田:市大の教職課程の実体を見ると、受講生が少ないが、授業料のことや教職課程がないと受験する学生も少ないことを考えると、設置者側が考慮して、残しておくことも重要ではないか。
高井:現状では需要が少ないから、大学改革案では原則的に廃止という表現とした。教職の就職が厳しく、状況を見極めて決定する。
和田:国内大学との単位交換を広げることが必要だと思うが。
小川:現在、国内大学との単位交換はすでにやっている。これから、国内だけではなく海外にも拡したい。現在、国内大学との単位交換をしている大学は、神奈川大学、鶴見大学、横浜国立大学など、12、3校ある。横浜市大で入って受講しているのは40人くらい、市大生が他の大学へ出で受講しているのは5人くらいで、入る方が多く、出る方が少ない。
関:今回の大学改革案は、大学審議会の答申、将来構想委員会、あり方懇などの議論を取り入れて、地域貢献などの大学像を打ち出したと思うが、その策定過程が非常に非公開で、重大な問題があるのではないか。プロジェクトRの議論が9回、幹事会が40回くらいあったと思うが、学生や市民のアンケートを考慮していないのではないか。
高井:いろいろな意見を伺い、公開を前提として評議会の議を経てやった。アンケートも考慮した。
関:国際文化学部の教授会が、大学改革案について遺憾であるとの反対決議に加え、10点以上の反対決議が行われたと思うが、それを反映しているか。
小川:いろんな意見が出るのは関係する。それらの意見に目を通している。しかし、10月までにまとめなければいけないと思って、反対意見があることを承知の上でやった。やむ終えなかった面がある。
関:何人か評議員から反対意見があり、採決の要求にも応じず、また理由も示さずに、拒否した。また、議事録に名前を残すこともしなかったという。なぜか。
小川:人事委員会などについて、法律の観点、学問の自由などの観点から意見がでた。いろんな意見が出るのは歓迎している。名前を載せないほうがむしろ自由に意見を述べることができると考えた。
関:民主的に評議会を運営するよりは、学長が一方的にやったのではないか。
小川:そう思わない。十分な時間を割いてやった。みなさんの意見を聞いた上でやった。
関:いろんな意見を勘案してまとめたとしたら批判は出ないはずではないか。
小川:みなさんの意見を聞いて実際修正した。聞かなかったとは思わない。
(このとき、関議員の資料が何に基づいているかとの話が出た。)
関:教職員組合の文書に基づいて言っている。
高井:反対の意見は少なかった。
関:採択してもらいという意見や、また反対する人の名前を載せてもらいという意見が出たときそれをやらなかったこと、しかも直前なのに、結論を出したことは、結局、評議会の責任者である学長が、同意が得られない状況で、大学改革案をまとめたのではないか。
国内の他の大学や国際的なレベルと関連し、結果として、市大の質が問われている。市大の改革は、大学に市場経済原理を当てはめようとする。憲法23条大学の自治の基本精神をもって進めてほしい。その立場でやっていただきたい。
小川:人事委員会や他のことにも十分配慮している。私はその精神に乗ってやっていくつもりである。具体的に、大学改革をすすめるときもその精神を守っていきたい。
関:今後の日程は?
高井:今回の大学改革案は、あくまでも大学の中でのまとめである。今後、設置者として判断がないと、その改革案は進めない。したがって、具体的なことは、まだ決まっていない。
また、教員組合は、評議会に出席していない。(この発言は、だから教員組合の文書に重みを置かせないことをねらったものと考えられる)
関:組合のホームページにも載っている。
関:任期制について聞きたい。法律はどうなっているか。
高井:(この質問に対し、高井事務局長は、独立行政法人法の59条を読み上げる)
関:今回の改革は移行型である。今の法律に基づいて導入できると思うか。
高井:これから十分検討していく。新たな契約になるだろう。
関:参議院の解釈でも、教員の身分は自動的に引き続き守られることを言っている。
横浜市大へ任期制を導入することは、法にも違反する。
高井:(再び、独立行政法人法の59条に触れ)法の通り進めるつもりである。
関:教員の身分は守られるべきである。任期制、年俸制に、メリットが多いというが、デメリットが多い意見もある。
高井:職員、教員として、方針を守る限り、影響はない。
吉原:教育研究と経営面とを分けることが正しいか。大学が大学である限り、理事長と同格でなければならない。
高井:理事長と学長を分離する形となる。規定にしたがってやる。
吉原:そうじゃない形がよい。
小川:独立法人法の本規定は、理事長=学長であると規定しているが、但し書きではそうでないものも可能である。
花上:学長の自由を尊重する。大学改革案について、少数の反対意見はあったが、学長がまとめたことは評価できる。しかし、人事委員会の組織が漠然である。人事委員会の組織をみると、三つ機関が参加することになっているが、具体的な構成委員はどうなるのか。
小川:人事委員会の人数の構成はまだ決めていない。教員側が主たるメンバーであるべきことが主な考えである。しかし、教員だけでなく、外部から一人ではなく何人かを含めて構成し、その意見を聞いたほうが良いと思う。
高井:人事は、公正、透明、客観性という三つの原則に沿って行う。また、やる気を出している人を考慮するととともに、幅広い観点から、教員の質を高めていきたい。
花上:外部の方も入っていただいた上でやるのは良いと思う。
高井:設置者側の立場もある。
花上:教員の中には、立派な教員もいればそうでない人もいる。これから、独立性をもって生き残りをかけてやってもらいたい。その際、立派な先生、そうではない先生を区別する必要がある。人事の際には、大学の自由、学問の自由を考えた上で、公正性を保ってやってもらいたい。
(このとき、学長が上記で述べた人事委員会の構成について、高井事務局長が異議をつけるような態度をとった)
高井:人事委員会について、報告書に書かれているものが全てである。
花上:高井事務局長の言っていることと学長の考えと違いがあると我々も困る。我々は学長に重みを置く。
(この発言を聞いた後に)
小川:報告書に書かれているものが全てである。
市大の特殊事情を配慮する。今までの通りで良くないところは、是正していきたい。
花上:市長がどのような判断をするかに関心がある。市大は、永久に持続していただきたい。
花上:教職課程をとってもそれほどメリットがない状況であると思うが、しかし、これから少人数を考えると維持していてはどうか。
小川:学生の需要と財政事情が問題である。いろんなことを考えている。例えば、Eーランニングが最近重要視されている。
花上:将来のことを考えると、地域貢献は大事である。学長の基本的な考え方を聞かせてほしい。
小川:学長と知事との懇談会の時にも言ったが、市大は現在も高大連携をやっている。これからもっと広げていきたい。
花上:経営的な視点について聞きたい。改革案には学生納付金、外部の資金などについて書いてあるが、自主財源の確保についてどのように考えているか。
高井:授業料の場合、法律上の規定がある。設置者が大枠を決めると思う。また、科研費などの外部資金を獲得など、工夫をしながらやっていく。
花上:民間の寄付や、民間との共同研究についてはどのようなイメージを持っているか。
高井:現在も、たとえば、奨学寄付金、医学研究奨励交付金など、そのような財源がある。これら以外のものも獲得していきたい。財源に関することについて、それぞれの教員に知らせるつもりである。
小川:イメージとして、例えば知的財産が考えられる。特に遺伝子、バイオ、生命科学関係が重要である。医学部や木原生研などの研究で知的財産を生み出す。
短期的には、最近国のプロジェクト財源が公開している。規模も何億のものもあり、これから大学として力を入れていく。
花上:知的財産を活用して財源を生み出せるか。
小川:これから努力していきたい。
花上:横浜市からどの程度の財源をもらうことになるか。
高井:まだ確実に決まっていない。これからだと思う。財源は、国庫補助金、私立との授業料の格差、リカレント講座などもある。
花上:前田副市長の大学改革案に関する意見は?
前田:時代のことを考えると改革していく必要がある。今まで、6年かけてもできなかったことを現学長がやった。反対を乗り越えてまとめた。それを尊重して、やって行きたい。これから、市大に説明責任を果たせるようにしていきたい。経営的に責任感をもってやっていきたい。
川口:学長に確認したい。現在の改革案について研究の意欲がそがれるという声があると思が。
学長:(これに答える前に、市長から暖かい言葉をいただいたという発言もした。)
研究資金は外部資金だと思って、不安を感じている。しかし、これから研究費がゼロになるとは思わないし、外部資金がオープンにしているので、それほど心配していない。
外部資金獲得→研究の促進→外部資金の獲得という順循環が生まれることも考えられる。
川口:改革案は全体的にうまくまとまった。しかし、具体的になると、骨抜きにならように、きちんと検証しながら推進してほしい。
高井:改革案として、きちんと実行して行きたい。市大が独立行政法人になるとき、意見をどのようにまとめるかが重要である。
川口:これからが重要だと思う。その際市議会に報告してほしい。
小幡:改革案30ページの学長と理事長との分離のメリットがaからfまで書いてある。特に、e分離することによるメリットが書いてあるが、学長はどのように思うか。
小川:学長が教育研究に専念できることである。しかし、副理事長として入るので、完全には専念できるとは思わないが。私は50%くらい専念できるかな?
小幡:学問の自由が侵される場合は?
小川:教育と研究も重要だし、どうやって大学を豊かにするかも重要だ。しかし、私は性善説を信じる。理事長も学長も人格が優れて方を迎えればよい。
小幡:学問の自由は大事である。情報公開をしてもらいたい。また、性善説ではない所もある。
関:少数の学部教授の意見を尊重すべきである。再び、人事委員会の役割について聞きたい。
小川:それぞれの分野(ところ)から上がってくるものをみて、全学的に判断していく。
関:大学の自治を考えてそれが侵されないようにしてほしい。一方、教職課程が70−80人、司書課程については、20人くらいいるという現状なのか確認したい。
高井:(それぞれの数について資料を見ながら最近の数を読み上げる。)
関:これからのことを考え、司書教職課程を残してもらいたい。
大学院についてどのように考えているのか。
前田:学部4年生の進学、博士課程の就職ことを考えて検討していきたい。また、文系、理系が違う面がある。
関:理工学部には博士課程を残している。
小川:その理由は、研究的な要素が強く、基礎研究が強くなっている。また、最近応用との距離が縮まり、基礎と応用が近くなっている。理工学博士課程は市民に貢献できる。
関:理工学というとき理学と工学がともに入っていることを意味するのか。また、理工学博士を出すには、お金がかかる。保証できるか。
小川:工学というと土木学などが思い浮かぶかもしれないが、しかし、市大の理工学の場合は、理系の学問に工学の要素があるから理工学といった。生物学、数学などの学問と応用との距離が縮まっている。
関:他の大学にも工学部がある。今年4月の日立製作所との連携については?
小川:日立製作所との連携については聞いてない。
関:とにかく心配している「工」がついてあるから、入学性がわかるようにしてほしい。
関:木原生物研究所の財団の実体を調べてみると、第3セクターで資本金8億など非常に小さい財団であった。木原生物研究所に優れた学者がいるのに、それを財団のほうに移管していくことは大丈夫なのか。
(この質問の際、和田議員より議事進行の発言があった。上記の質疑・応答のときまで、病院関係者も参加していたため、病院関係者は退席して良いのではないとのことであった。了承され、病院関係者が退席した)
小川:木原生物研究所の再編には二つの側面がある。
1.理化学研究、生命科学を再編していくので、人材が活動できる場にしたいこと、
2.財団に移れるもの(ごむぎ関係など)はそこに移すこと、である。
関:現状のところで良くやっているのに、そのまま残してほしいという意見である。すなわち、現状のままで良いのに、同研究所を残せないか。
最後に、外部資金についてである。改革案では、それを教員の職務として入れている。また、研究資金の場合、競争的資金としている。
小川:外部資金を取ることは成熟した研究者であれば、それほど負担にならないと思う。
研究資金は、若手にはある程度に優先的に配分したい。また、地域貢献分野に優先的に配分したい。
関:分野によって、外部資金を獲得でしやすいところと、そうでないところがある。
小川: 文系と理系、理系の中でも差がある。これからどう支援することについて考えていきたい。
全学最適をはかっていきたい。
(以上のやり取りで17:00となった)
飯沢:近日中に設置者側から決定があると思う。そのときにもう一度議論する。
(その後、高井事務局長より、大学改革案が、市の改革プランの中に市大改革案が含まれているという説明が行われた。高井事務局長は、ホーム・ページにもあると言った。)
17:05に市議会の大学教育委員会議題が終了。
(文責 鞠執行委員)
・・・・・・・・・・
【2】
「横浜市立大学の大学像について」における全員任期制導入に関する文言について
「大学像(案)」を検討した10月22日の臨時評議会において、人事委員会と全員任期制の導入について、評議員からの批判的意見が強く出て、臨時評議会を中断し、その間、「プラン策定委員会」幹事会を開催し、この2事項に関して文言の修正提案を行うことになった。文言の修正が行われたが、評議会として文書でとどめることはなかった。
その後の商学部教授会において、訂正された文言が文書にて紹介された。29日に「改革推進本部」に提出された「大学像」においてはここに文書で紹介された文言とは異なるものであった。そこで、教員組合は「大学像」において示された全員任期制に関する文言が恣意的に改定されているとの批判を行った。その後、11月11日の市会大学教育委員会において、この点に関して当局は、文言の改定は行っていない旨の発言をした。
そこで、教員組合は、10月22日の臨時評議会で修正提案された文言に関する複数の評議員のメモの形での記録を比較検討した。その結果、概ねの趣旨は10月29日に提出された「大学像」の文言に沿った形のものであることが判明した。しかし、メモのなかには、教授会において紹介された文書や「てにをは」の異なるものなどが存在している。
問題は、臨時評議会で修正された文言についての最終確認が行われなかったとところにある。つまり、口頭で修正提案がなされたにしてもこれが文書で確認されなかったという点にある。口頭での提案は、それが、提案された側の記録として正しく残っていることが確認されない限り、相互に確認されたことにはならない。組織における文言の提案は文書で行うことが、理の当然である。重要文書における文言修正を文書確認し、これを保存すると言った基本作業が行われていないことは一般には信じがたいことである。
百歩譲って、文書確認がなされなかったとしても、全評議員のメモが提案文言と同じであることの確認がなされてしかるべきであった。この確認作業がないままの何が確認された文言かを確定することはできないのである。「てにをは」ひとつの異同でも本質的に重要な意味持ってくるがゆえにこのことは看過しがたい。
然るに、臨時評議会では、口頭提案のあったものを文書で示すようにとの評議員からの提案を受け入れず、口頭提案のままとしたうえで、これに関する評議員側の記録字句を確認することを怠った学長の評議会運営に極めて重大な責任がある。
11日の市会大学教育委員会で、事務局長は「私も評議会に出席した・・・出席していない組合がどこから情報を得たか知らない」ときわめて重大な発言をしている。横浜市立大学教員組合は横浜市人事委員会に登録団体の登録をしている正規の職員団体である。その構成員は横浜市立大学の教員である。教員は評議会における審議を知る権利があり、評議会は教員にこれを知らせる義務がある。したがって、評議会における審議過程に関しては当然のことながら教授会で報告もされている。従来、評議会議事に関する報告は学部教授会における重大な報告事項として取り扱われてきたのである。大学関係者にとっては、このような事情は言わずもがなであり、きわめて自明なことである。
このように自明な事柄をあえてゆがめる発言がなぜなされたのであろうか。事務局長のこの発言は、公正を旨とすべき市議会に対して、教員組合はあたかも評議会の審議過程を知り得ないかのようなバイアスを意図的に与えるものといわなければならない。これは、正規の職員団体としての教員組合を貶価するものである。
さらに、事務局長は評議会に「出席」したと述べていることは、重大である。横浜市立大学評議会は、「学長及び・・・評議員をもって組織」されている。評議員は教員から選出されている(学則第46条)。したがって、評議会に「出席」するのは学長及び評議員であり、評議会の構成員ではない事務局職員は、評議会に事務局として陪席するのである。これまた、市議会に対して重大なバイアスを与える軽率な発言であるといわなければならない。
2003年11月18日
横浜市立大学教員組合
執行委員長 藤山嘉夫