http://www.jcp-yokohama.com/seisaku/article/031119-124747.html

 

市立大学改革・「横浜市立大学の新たな大学像について」の批判見解

2003年11月19日
日本共産党横浜市会議員団
団 長  大 貫 憲 夫



 市立大学の改革案を取りまとめていた「市立大学改革推進・プラン策定委員会(略称プロジェクトR)」は、学内の検討を終えて10月29日、「横浜市立大学の新たな大学像について」(以下、「大学像」と略)とする報告書を市長に提出した。


 「大学像」では、「教育に重点を置く国際教養大学」を明確な目標とするとし、本学が行う教育を総称して「プラクティカルなリベラルアーツ(実践的な教養教育)」と定義している。


 市立大学の運営形態を地方独立行政法人とし、経営組織と教育研究組織を分離して、経営組織に強い権限を与える一方、大学の最高の意思決定機関である評議会を廃止し教授会の権限を弱め、教職員は非公務員化する。


また、学部構成は、従来の商学部、国際文化学部、理学部の3学部を統合して国際総合科学部を設置するとし、医学部との2学部制に改編している。


 教育組織と研究組織を分離するとして、教育組織としての学部は時代のニーズに柔軟に対応できるよう2学部とし、病院に所属する教員以外の教員が所属して研究を行う研究組織として3つの研究院(人文・社会科学系、自然科学系、医科学系研究院)を設置し、その研究成果を学部教育に反映するとしている。


 また、国際総合科学部には国際教養学府、理工学府、総合経営学府の3つの学府を置き、国際教養学府には国際教養、多文化・地球社会、人間科学、都市・環境の4つのコース、理工学府にはナノ科学技術、環境生命、数理情報の3つのコース、総合経営学府には経営戦略、会計法務、金融エコノミクス、公共政策、地域産業創業再生の5つのコースを設置。


 さらに、医学部には医学府と看護学府を設置し、看護短大を廃止し4年制化を図るとしている。


 大学院については、医学研究科については当面は現状のままとし、現在の国際総合科学部に関連する大学院を改組し、グローバル地域・文化研究専攻、理系2専攻(ナノ科学技術系専攻、環境生命系専攻)、総合経営専攻の3つに改組するとしている。博士前期課程(修士課程)が中心であるが、博士後期課程(博士課程)は「厳選する」として、当面、ナノ科学技術系専攻に置き、生命科学系は医学研究科の再編の時期を考慮に入れ設置するとしている。


 リベラルアーツ(人文科学・社会科学・自然科学など、近代に生まれた諸学問の総称としている)教育を徹底するために、全学生が1年次にリベラルアーツに集中的に取り組み、2年次以降、専門が分かれるとしても、組織間の連携をとり、卒業時までリベラルアーツの理念が徹底する教育システムとするとしている。


 全体的には、市長の諮問機関である「市立大学の今後のあり方懇談会」答申を土台にして、国の大学審議会答申「21世紀の大学像と今後の改革方策について」(98年10月)や中央教育審議会答申「新しい時代における教養教育のあり方について」、市大自体の将来構想委員会の報告書「本学の中期目標・中期計画(案)について」等をそれぞれつまみ食いした折衷案ともなっている。入学者選抜、学生への支援策や地域貢献など、一定の新味・魅力を感ずる試みも示されているものの、策定過程の閉鎖性、地方独立行政法人による運営、評議会・教授会自治の後退、外部資金に依拠した研究など、さまざまな問題を内包している。


 以下、主な問題点を指摘し、全学的な再検討を求めるものである。


1、大学の総意とはいえない閉鎖的な「プロジェクトR」の運営


 「大学像」を策定した「市立大学改革推進・プラン策定委員会(略称プロジェクトR)」は、学長を責任者として副学長、学部長など教授21名、事務局長、理事、総務部長など事務当局18名、計39名で構成し、幹事会は、学長、副学長など7名、総務部長など事務当局7名の計14名で構成し、ごく少数の幹事会を中心に運営している。幹事会は44回開催したのに比べて、全体会議は7回開催したとしているが、すべて非公開であった。「大学改革案の大枠の整理について」や「大学像(案)」がまとめられて各学部の教授会、附置研究所教授会、評議会等に諮られたものの、本質的な諸論点について厳しい批判が相次いだと言われている。6ヶ月という短期間に10件の反対決議や教授会見解が出されるなど、学内の総意を結集したものとは認めがたいと言われている。特に、最高意思決定機関である評議会では、多くの評議員から反対意見や疑問の表明がなされ、採決を求める提案や反対者の議事録への記載等を求める提案がなされたにもかかわらず、合理的な理由もなく拒絶する運営を行ったと批判されていることは、由々しき問題である。


 また、市民や学生に対するアンケート調査でも、その具体的な詳報は一切公表されず、断片的な結論を「大学像」の附属資料として掲載していることも重大である。
 こうした状況は、全学の教員、学生の総意として策定されたとは到底いえないものとなっている。


2、「学術の中心」となり得るのか疑問な3学部の統合と大学院の縮小


 学校教育法では、大学の目的について「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用能力を展開させることを目的とする」と明記され、市立大学学則でも、同様趣旨が目的に謳われている。


 果たして、3学部を統合することや大学院を縮小することが、「学術の中心」としての大学の目的が達成されるのでしょうか、はなはだ疑問といわざるを得ない。


1)、プラクティカルなリベラルアーツ(実践的な教養教育)を目標としたことの是非


 大学教育での教養教育の重要性の指摘は、中教審答申の「新しい時代における教養教育のあり方について」に限らず、各方面からなされている。真に豊かで幅広い教養教育は、各学問分野の専門的な、高度な研究・教育と結びついてこそ保障される。


 市大自体が、市大生、高校生(予備校生)、高校(予備校)教員を対象にしたアンケート結果については、一切、公表を避けていながら、「リベラルアーツを専門にする大学の設置」に対して、「よいと思う」「わりとよいと思う」を合わせた合計が過半数を超えたと報告している。


 しかし、その設問自体がきわめて誘導的なものであったことは否めない。「アメリカの大学の中には、学部4年間はどの分野にも共通する教養教育(リベラルアーツ)を総合的に学び、さらに専門分野を学びたい人は各分野の大学院やロースクールなどの専門大学院に進学するシステムがあります」と紹介した上で「日本でもこのようなリベラルアーツを専門にする大学があればよいとあなたは思いますか」と質問したもので、教員組合からは、「このような一般的な質問に対してよく思わないと回答する人がどれだけいるでしょうか」と疑問視されているもの。「3学部を統合して横浜市立大学をリベラルアーツ・カレッジにすることはよいと思いますか」と言う質問をした場合は、「みなさんは自分の問題として考え、賛成と回答する人は少数でしょう」と批判されている。事実、「市大を考える市民の会」が6月に実施した「市大生アンケート」では、83%の学生が反対していることからも、うなずけるものである。また、「プラクティカル(実践的)な」とつけた場合は、どのような回答となったであろうか。


2)、学部・学府・コースとする学部構成について


3学部統合も「時代の変化に柔軟に対応するため」として、従前の3学部を統合して国際総合科学部とし、そのもとに国際教養学府、理工学府、総合経営学府の3つの学府を置くとしたことが苦肉の策とされている。


 ところが、大学の設備、編制、学部及び学科に関する事項や教員の資格に関する事項等、大学の設置に関する事項は学校教育法のほかは「大学設置基準」によるものとされている。


 学校教育法では「大学には、学部を置くことを常例とする」とされ、「大学設置基準」では「学部には、専攻により学科を設ける」とされている。さらに、「大学設置基準」では、「学部の教育上の目的を達成するため有益かつ適切であると認められる場合には、学科に代えて学生の履修上の区分に応じて組織される課程を設けることができる」とされている。


 「大学設置基準」で許容されているのは「学科」「過程」であり、「学府」とする法的根拠は全くないことになる。市当局も、「文部科学省と交渉事項」であるとしている。


3)、「中期政策プラン」に反する大学院の縮小と外部資金導入による研究


 「大学像」では、原則として現存の文系大学院博士後期課程を廃止し、前期課程(修士課程)に改組するとしている。中田市政下で策定されたばかりの「中期政策プラン」には、「大学院の拡充・再編等により、社会の高度化・専門化に対応した人材の育成に取り組むなど、教育・研究の充実」を謳っている。まさに、「大学像」は「中期政策プラン」に反するものとなっているだけでなく、後期課程への進学を前提に学んできた前期課程に在学する大学院生への契約違反とも批判されている。同プランで「看護学部の設置」とされていることが「看護学府」にされたことも全く同様である。


また、「研究は、外部資金を獲得して行う。そのため、すべての教員は、国家プロジェクトや科学研究費等、公募による研究費、共同研究や受託研究等による外部資金の獲得に、その義務として努めなければならない」と強調し、「一方、大学の経費を原資とする研究費は、大学が地域貢献や若手人材育成等必要と認めた場合、競争的資金として効果的に活用する」としていることも重大である。産学連携による共同研究など外部資金を得やすい研究にシフトして、基礎研究や人文系の研究など、外部資金を得ることの不可能な分野の研究は深刻な事態をつくりだすことは明白である。


3、運営主体を地方独立行政法人によるとしたことの重大性


 「大学像」には、「改革を推進するため、大学の運営形態は地方独立行政法人とする」と明記している。


これにより、名称は公立大学法人という名称を使用することになり、自主・自律的な大学運営、責任ある執行体制、人事制度の弾力化による人材の確保、財務会計制度の弾力化による効率的・機動的な事務執行、などが可能となるとしている。


 教育研究組織と経営組織の役割を区分し、それぞれ教育研究審議機関、経営審議機関を設置。市立大学の場合、教育研究に加えて附属病院等の難しい運営・経営面に責任を負わなければならないとして、学長と理事長を分離する方途を選択。経営審議機関には、法人の長である理事長、副理事長の学長、副学長、病院長等教育研究関係者、学外有識者で構成し、経営その他(予算の作成・執行・決算、組織の設置・改廃等)に関する重要事項を審議する。教育研究審議機関には、学長、副学長、学部長(研究院長)、病院長、他部局長で構成し、教育研究に関する重要事項を審議する、としている。地方独立行政法人法では、理事長は「設立団体の長が任命」するとされ、学長を別に任命する大学の学長は、「設置後最初の任命については、選考機関の選考に基づくことを要しないものとし、定款で定めるところにより理事長が任命する」とされている。次回からは、学内の教育研究審議機関と経営審議機関から選出された者で構成する学長選考機関の選考を基に理事長が任命する。


1)、設立団体の統制を強化し、他方で議会の関与を極力排す


 地方独立行政法人法自体は、公立大学法人の中期目標(6年間)の制定・変更は設立団体(本市)の長が行い、それに基づく中期計画は公立大学法人が策定するものの、設立団体の長の認可を受けなければならないとされている。さらに、各事業年度業務実績及び中期目標期間業務実績の評価を、設立団体の執行機関の附属機関として設置される評価委員会から受けなければならなく、業績評価によって運営経費補助にも影響を与えかねないものになるなど、設立団体の統制が強められる危険性が大である。


 他方、議会の関与は、地方独法設立のための定款の制定・変更(軽微な変更以外)、中期目標の制定・変更、授業料等の上限設定、財産の処分等の際のみ議会の議決事項にして、評価委員会から業務運営改善等の勧告を受けたとき及び中期目標に係わる事業報告書の提出を受けたとき、議会に報告するのみで、議会の関与を著しく低めるものとなっている。


2)、教育研究機関の運営で、教授会自治を後景に押しやる


 学校教育法では、「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない」と義務付けている。市立大学学則では、学部教授会は「学科目及び課程」「学生の身分、学修及び補導」「教育研究施設の設置または廃止」「その他学部に関する重要事項」(教育公務員特例法に基づく人事等も含む)が審議項目とされ、評議会は「学則その他重要な規程の制定・改廃」「人事の基準」「予算の見積」「学部、学科、研究所その他重要施設の設置・改廃」「学生の定員」などの重要事項を審議するとされていた。


 ところが、報告書では、評議会は設置せず、教授会の役割について「教育に関する事項を審議するため…置く」としながら、「学生の入学、退学、転学、留学、休学及び卒業に関する事項」等に限定させ、教職員等の人事については学長の諮問機関として設置される人事委員会にゆだねられ、日常的な学部の運営は学部長指名の「学部運営会議」、コースの運営はコース長が指名した半数と担当教員から選出された半数の教員で構成する「コース会議」にゆだねられている。しかも、学部長は学内・学外の候補者から人事委員会で選考され、コース長は学内の候補者から人事委員会が選考するとされている。


 「大学の自治」の最高意思決定機関である評議会・教授会について、評議会を廃止し、教授会の役割を弱め、後景に押しやるものといわざるを得ない。


3)、累積負債や授業料等含めた財務改善策、教職員配置等は具体的に触れず


 「あり方懇」が最大の問題かのように指摘していた1,140億円の累積債務については、市の「中期財政ビジョン」で「税で返還すべきもの」としたこともあり、一切、触れていない。一方、「持続可能な経営の確立と自立的経営の促進」については、「部局別・部門別等の会計経理方式を導入し、収支構造を分析・把握することで、合理的な大学経営を行う」としつつ、授業料等の学生納付金及び病院の保険外収入については「市会の議決を経て、市長により認可された範囲内で…他大学・他病院の動向を踏まえながら、適切な額を大学が設定する」と明記。「横浜市からの経営支援」については、「すべて授業料や診療報酬などの収入でまかなうことは困難」として、国の私立大学への国庫補助金等を考慮し、病院に対しては公営企業会計病院に対する繰出基準に準じて「(仮称)運営交付金」の一定の支援を得ていきたいとしている。いずれも、具体化については「今後、大学と横浜市の間でその範囲や算定方法を検討する」としており、今後の課題として残されている。


 また、教職員の配置等についても、具体的な記述はなく、現状を維持できるのかどうかは明白ではない。


4、原則全教員が任期制とすることの違法性


 「大学像」では、「組織及び教員個人の目標に対して、その達成状況など業績を適切に反映できるような公正かつ総合的な教員評価制度を導入」し、「目標達成に向けたインセンティブとなるような任期制や、給与制度(年俸制など)と会わせて運用する」などと、競争原理の導入を図ろうとしている。しかも、「原則として全教員を対象に任期を定めて任用する制度とする」としていることは重大である。


もともと、大学教員への任期制導入は、97年6月13日公布の「大学の教員等の任期に関する法律」を根拠とされている。


 同法では「次の各号のいずれかに該当するときは、任期を定めることができる」としており、(1)先端的、学際的又は総合的な教育研究であることその他の当該教育研究組織で行われる教育研究の分野又は方法の特性にかんがみ、多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職に就けるとき、(2)助手の職で自ら研究目標を定めて研究を行うことをその職務の主たる内容とするものに就けるとき、(3)大学が定め又は参画する特定の計画に基づき期間を定めて教育研究を行う職に就けるとき、と3つの要件のいずれかに該当するときは、公立大学法人が労働契約において任期を定めることができるとされている。


 しかも、制定時の衆議院で「任期制の導入によって、学問の自由及び大学の自治の尊重を担保している教員の身分保障の精神が損なわれることがないよう充分配慮するとともに、いやしくも大学に対して、任期制の導入を当該大学の教育研究条件の整備支援の条件とする等の誘導等を行わないこと」「任期制の適用の対象や範囲、再任審査等において、その運用が恣意的にならないよう、本法の趣旨に沿った制度の適正な運用が確保されるよう努めること」などとする附帯意見が付されている。


 こうしたことから、任期制導入は限定的になされるもので、全員を原則任期制にするとしたことは、明白な違法性があり、他大学にも実例のないことは市当局も認めざるを得なかったものである。ましてや、地方独立行政法人への移行の際の「設立に伴う措置」で、従前の職員は「法人の職員となるものとする」と、その承継を義務づけている中で、全教員に不安定雇用である任期制を導入することは、許しがたいといわなければならない。


5、教職課程、司書教諭課程等の廃止事業の是非


1)、教職課程、司書教諭過程等の廃止


「大学像」が、「少子高齢化、グローバル化、高度情報化などの社会動向や、学生のニーズの変化を踏まえ、教職課程、司書課程、司書教諭課程は、原則として廃止する」としたことも重大である。これらの課程の学生数が2001年教職(中・高)81名、司書15名、司書教諭4名、2002年同70名、20名、3名など一定規模の学生数がありながら、相対的に少ないことを最大の理由にしている。しかし、司書教諭等に限ってみても、今年4月から12学級以上の全小中学校への配置が義務づけられているものの、市内の小中学校への司書教諭の配置状況は兼務の司書教諭であり、専任・専門の司書教諭の配置はゼロとなっている状況である。ましてや、中学校・高校の教職課程には70〜80名の規模で学ぶ学生がありながら、中学校教員を毎年200名規模で採用しなければならない本市にとっては、今後の30人以下学級への展望を考慮するなら、その人材育成は急務である。にもかかわらず、他の大学に依拠することで対応できると考えているようだが、これこそ、大学の地域貢献に関わる問題である。


2)、木原生物学研究所の(財)・木原記念横浜生命科学振興財団への移管


 また、「大学像」は、附置研究所のうち、経済研究所については「市政や市民に貢献している」と評価しつつ、「大都市の課題が複合化、複雑化している中で、今後は研究院に所属する教員のプロジェクトにより、文系だけでなく、理系、医系等異分野との融合的研究にも視野を入れて、総合的、効果的に研究を推進する」こととし、「廃止する」と明記。


 さらに、木原生物学研究所については、「設置以来、食糧、環境、健康などの今世紀において人類が直面する問題の解決をめざし、生物学、医学、農学などの広範な学問領域にわたる知識を駆使して、生命現象及び生物の諸機能を解明する研究を進め、植物部門3部門と動物部門3部門と、幅広い生命科学の分野における研究成果をあげている」と評価しつつ、「研究体制を見直し、医学研究科、総合理学研究科生体超分子システム科学専攻等との再編、及び(財)木原記念横浜生命科学振興財団への移管を検討」とし、「再編及び移管の時期は、別途調整」するとしている。もともと、木原生物学研究所は、コムギの遺伝学で世界的な故木原均博士が創設した(財)木原生物学研究所からの寄贈を受けて84年4月に横浜市立大学の附置研究所として発足し、95年4月に現在地に移転したもの。その研究所と連携し、生命科学に関する産・官・学の共同研究等を目的に、基本金約8億円(本市出資61・8%)の本市の第三セクターとして、(財)木原記念横浜生命科学振興財団が85年3月に設立されている。その第三セクターの2003年度予算では、支出総額約2億9千万円のうち、市委託料600万円、市補助金3300万円、文部科学省プロジェクト2億2000万円などの公的資金によって運営されているのが実態である。常勤役員1人(非常勤役員10人)に、職員は本市派遣職員の2人のみの小さな団体であり、その第三セクターへの移管を実施すれば、管理運営できるのかはなはだ疑問といわざるを得ない。そのために、拡充することとなれば、第三セクターの整理・統合を図ろうとする本市の施策とも矛盾しかねないこととなる。