市立の保育園を年に4園程度ずつ民営化するとの方針を横浜市が打ち出したのに対し、この4月に最初に民営化される4園の保護者らが「性急すぎる」と反発している。「子どもが通っている途中で民間移管すれば大きな影響があるのに、市には対話の姿勢がない」と態度を硬化させており、13日午前、横浜地裁に取り消しを求めて提訴した。
対象となっているのは丸山台、鶴ケ峰、岸根、柿の木台の各保育園。社会福祉法人に売却して民営化することが、昨年の12月議会で決まった。
中田宏市長が記者会見で民営化方針を発表したのは昨年4月。「きめ細かいサービスを増やすとともに、民営化で浮いた経費を一時保育や障害児保育の拡充にあてたい」などと説明した。来年度の4園に続き、05年度に民営化する4園も昨年12月に発表されている。
しかし、最初に民営化される4園の保護者は「知らされていなかった」「わざわざ市立を選んだ。全員が卒園してから民営化すべきだ」と反発。市の説明会も日程をめぐって意見が食い違い、開催が何度も延期されるなど対立が続いた。
その後の説明会で市は「唐突な発表だった」と謝罪。従来の保育士と民営化後の新しい保育士が一緒に保育し、子どもの心理的負担を減らすなどの対応策を示して理解を求めたが、両者の溝は埋まっていない。
横浜地裁への訴えで、保護者らは「市が理由に挙げる『多様なニーズ』はあるのかどうかの根拠が薄弱で、民営化で満たされる保証もない」「環境が変わり、子どもへの心理的影響が大きい」などと主張している。
中田市長は民営化を急いだ理由について「いち早く保育所の条件を改善することが必要」などと説明している。 (02/13 15:03)
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