「横浜市立大学を考える市民の会」2004年2月14日アピール

 

 

http://www8.big.or.jp/~y-shimin/houkoku/040214appeal.html 

 

「市民の会」では、2月14日「市大解体を許すな!市民の集い」にて、以下のアピールを発表いたしました。

「横浜市立大学を考える市民の会」2004年2月14日アピール

 

「横浜市立大学を考える市民の会」2003年2月14日アピール

 

 中田宏横浜市長と行政による大学「改革」は私たち市民を無視したまま、横浜の「知」を代表する財産を自ら放棄する方向で進められています。私たち「横浜市立大学を考える市民の会」は、この一方的な「改革」に対しこの1年間、広く市民の声を聞き、拙速を避けるよう要請、陳情、提言を行うとともに、集会やシンポジウム、市民・学生アンケート、陳情署名、さらに街頭でのビラ配布や宣伝活動を通じて、粘り強く批判と提案を続けてきました。

 しかし、市長と一部行政の傲慢さと鈍感さは、人々の訴えを無視し、市民不在のまま大学を「改悪」しようとしています。解体の危機に直面する横浜市立大学の問題は、横浜市だけの問題ではなく、日本の教育全体にかかわる重要な問題です。市立大学の危機は、私たち市民が知性と良心を糧に長い困難な歴史の中で育み、追い求めてきた平和で民主的な社会という理念を圧しつぶそうとする、全国を覆う不気味な動きの典型的な現われです。

 いま凶暴な牙をむき出して「改革」の名のもとに大学解体を進めようとする為政者や行政に対し、大学がその「叡智」をもって毅然として立ち向かえずにいる状況は痛切の極みです。いまや市民は、長年にわたり市民が維持し、その存在を誇りとしてきた大学の問題に直接関わることができず、大学を通して世界に貢献する道を閉ざされかねない事態に強い憤りを感じるとともに、このような状況を作り出している非民主主義的な拙速さこそを糾弾するべきです。

 私たちは希望を捨てる必要はありません。大学は、学問と研究の場であるのみならず、若き人格を陶冶する場として、「みずからの改革」を行い、押しつけられた「改革」を跳ね返すべく戦う力を秘めていると信じるからです。知性と良心を持つ市民は、横浜市立大学の問題を必ずや自分たちの問題としてとらえ、世界の人々にその責任を果たすであろうことを信じるからです。

 そう信じつつ、私たちは、今日の集会を終えるにあたって、以下のアピールをおこないます。

 * 市民の意見を聞く耳をもたない市長と行政を、市民として断じて許すことはできません。行政は、いまこの瞬間からでも大学「改革」に市民の声を反映させるべく、計画を即時一時凍結すべきです。さもなければ、私たちはあらゆる手段を講じて市長ならびに行政を糾弾します。

 * 市民の声を行政に反映させるのが市会の役目です。市会議員の皆様には、市民が大学解体を望まないこと、大学は発展してこそ市民への貢献が果たせること、そして市民は、横浜市が良き大学を維持し世界に貢献することを誇りに思うことを市会の場で明確に表明されることで、是非とも横浜市会の見識を全国に、世界に示していただきたいと思います。

 * 横浜市立大学は、みずからの「知」が行政の奸知に優ることを示す必要があります。奸知に屈するような「知」では、横浜市民はもとより世界に貢献できるはずがありません。大学は、自らの名誉にかけて、押しつけの「改革」を排除し、真の自己改革の道を市民に提示する必要があります。

 * 横浜市民のみなさま、全国の市民のみなさま、私たちは、今、横浜市で行われようとしている蛮行が、日本の高等教育を歪ませる悪しき前例となる恐れを是非知っていただきたいのです。市民が知から遠ざけられ、奴隷状態に貶められ、近代的民主主義が機能しなくなる危険が現実のものとなろうとしています。昨年横浜から発信せられた危険信号は、今や救難信号に変わりつつあります。横浜市民のみなさま、全国の市民のみなさま、今こそ、その連帯と支援の手を私たちにさしのべていただけるようお願いいたします。



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