「市大の解体を許すな!横浜市大と附属2病院の存続・発展を求める市民の集い」 ダイジェスト版 「横浜市立大学を考える市民の会」 (2004.2.14)

 

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2004.2.14 

「市大の解体を許すな!横浜市大と

附属2病院の存続・発展を求める市民の集い」

ダイジェスト版

 

 2月14日(土)県立近代文学館ホールにて「市大の解体を許すな!〜市民の集い」が開催されました。6月、9月の集会に続いて多くのOB、現役市大生、市民の皆様にご参加、ご発言を頂き大変有意義な場とすることができました。取り急ぎ写真をメインに速報掲載致します。

 なおご発言について、このページでは編者の印象に残った部分、メモなどからごく簡単な抜粋にて記しております。部分によってはご本人の意図が伝わりづらい箇所があるかもしれませんが何卒ご了承をお願い致します。

 

 

 副代表 伊豆利彦よりご挨拶:

 「多様な意見が存在し、時間をかけてじっくり議論していく。下から盛り上がるエネルギーを掘り起こしていく。そこにこそ、大学改革の基礎がある」

 「どんな経営だって、現場を無視して成功するわけがない。現場を無視するようなプランとは闘わなければならない!」

 

 

 来賓代表 参議院議員はたの君枝氏ご挨拶:

 2月3日に小川学長と懇談、「『学内の合意は取れているのか』との問いに学長は答えられず、総務部長が『もう後戻りはできない』と言った。こんなのは行政の介入に他ならない」

 

 「大学像の中身は無茶苦茶。軌道修正しないと法律上も通用しない」「『大学の問題は、学内で、よく話し合ってほしい』と文科省。皆さん本当によく話し合われていますか? 横浜市民の文化の程度が、この市大問題で問われているのです」

 

 はたの氏は「市民の集い」前日に、文部科学省から「地方独立行政法人となっても、大学の自主性は最大限尊重されるべき、と国も認めざるを得ない」「任期制には本人同意が必要だ」「学長・教員含め大学総体としての合意が不可欠」などの説明を受けたそうです。

 

 

 「市民の会」活動報告・方針発表:

 市民の会副代表 遠藤紀明より、結成1年の節目としてこれまでの活動、および今後の方針をご報告させて頂きました。

 「あり方懇答申を見て『横浜市民をなめるな!』という思いでこの運動に参加した」

 「改革が市民の為に行われていない。でなければ当然『市民の声』を聴くはず。また大学の側にも反対する力、声を聴く姿勢が見られなかった」

 「これまでの活動を継続・強化していく。他団体とも連携を図り、日本全体の中で『市大問題』を考え、訴え続ける。市会でもしっかり論議して頂きたい」

 

 

 講演「国立大学独法化の現況と諸問題」:

 ※千葉大学教授 小沢弘明氏より

 国立大学法人化反対首都圏ネットワークで活動をされる小沢氏、独法化問題の中で何が起こっているかを分かりやすく語って下さいました。

 「法人化とは本来、教育・研究を十分行うためになされる事。それが、行財革の面から語られてしまっている。都と横浜市だけの問題ではない」「本来は自治の問題なのに、自治を剥奪する方向に向いている」

 「経営と教学を一致させた方がいいか否かは判断できないが、理事長権限で全てを行ってしまうシステムはおかしい」

 「大事なのは対立の軸をより多く作ること。そしてそこでギリギリと闘うこと。横浜市大には、横浜市民という重要なバックアップがある。資源がある」

 

 

 報告「都立大学の現状」:

 ※東京都立大学助教授 長谷川宏氏より

 「一連の動きには『金にならない大学ならいらない』という考えが露骨に出ている。役人が露骨に出てきて人員を配置転換し、大学を乗っ取ってしまう。日本のあらゆる場面でみられる動きだ」

 「学生や院生からは予想以上の動きがあり心強い。まだ希望は持てる」

 

 「都市教養、という理念無き言葉・学部が出てくる。プラクティカルなリベラルアーツと同じですが」ここのくだりで思わず会場からも失笑が()

 

 

 「大学人の会」よりご報告:

 ※横浜市大名誉教授 今井清一氏より

 「大学人の会では、人事の問題に焦点を絞っている」

 「任期制・年俸制が研究の活性化を妨げ、大学の自治、学問の自由を侵すのではないか」

 

 「大学人の会」では3月28日にシンポジウムを開催します。「市民の会」も共催させて頂くシンポジウムの詳細については当HPでもお知らせを予定しています。

 

 

 数学者有志代表よりご報告:

 ※横浜国立大学教授 玉野研一氏より「横浜市立大学の改革に反対する数学者有志の声明」が発表されました。

 

 「横浜市大には、流行りの学問に走るのではなく、基礎研究を大事に行ってほしい」

 

 

 ご報告「市大内部の現状について」:

 ※市大医学部講師 小城原新氏より

 「『意見は出してほしい。ただし決議はしてくれるな』『大学像の文言を前提にコース検討に入ってくれ』などの依頼があった。」

(「市民の会」注 : 各教授会から20に余る改革案関連の決議・意見・見解などが出ています。そのほとんどが改革案に関して反対、懸念を表明するものです。)

 

 「市主導の検討委の他に、学内のみからのコース検討会も動き出している」

 「中にいる教員も、ただ見てるだけではないということは知ってほしい」

 

 

 「都民の会」連帯ご挨拶:

 ※「都民の会」事務局 木戸口正宏氏より

 「市大問題は他人事ではない。最先端で闘う市民の会と横浜市民に敬意を」

 「都立大を、都民に開かれた大学にしたいという想いがある。茂木総長を呼んで説明会も行った」

 「都立大だけでなく、教育・福祉・文化の様々な面で不利益に直面している人が多い。これらの人々と力を合わせて、異議を申し立てていく」

 

 ※精力的に活動されている「都民の会」では2月28日にシンポジウムを開催致します。こちらにも皆様のご参加を呼び掛けます!

 

 

 ご来場の方々から、多数のご発言を頂きました。

 

 「横浜市・東京都ともに議会が近い。大学問題も扱われるので委員にメールやFAXで意見を寄せよう」

 「都立大では、総長が我々の仲間となって設置者側に立ち向かっている」

 「この問題は全国に波及している。何とか食い止めねば」

 「優秀な人材が流出し、これまでの文化や芸術がポシャってしまう。許せない」

 「市民や都民が『しょうがない』と思ってしまうことを危惧する」

 「こんな気分をうち破るような活動を。私も頑張りたい」

 「学内で先生方と話をしても、必ずこの問題の話になってしまう」

 「事務局と教員の意見があまりに違う。学部統合してうれしいなんて人は一人もいない」

 「学内で学生署名を行い、5日間で783通を学長に提出したが、催促しても返事をくれない」(現役学生の方より)

 「新しい大学の形を行政が示してきている。これに対し一般市民を納得させられる像が『市民の会』はあるのか?具体的なものがないと反対するだけのものになる」

 「研究の成果は数十年、いや50年経って役にたつもの。市大はこれまでもやってきた」

 「この『解体』が強行されれば全国の大学が混乱する。その責任は設置者の市長、学長にある」

 「当事者たる大学人も、物言わず見過ごすようなら同罪だ」

 「大学の制度は、有史以来の学問のやり方の集大成で、学問の自由・自治を基礎に置いたもの」

 「市民が知りたいと思うことを大学が引き出してくれる、これが大学の自己改革の道だ。しかし『大学像』にはそれがみられない」

 「横浜市大だけ『大学の累積赤字』なんて記事が出たが、他の公立大学ではあり得ない」

 「教育や研究は理念がなければダメ」

 「市長は反対問題が大きくなれば手のひらを返すのではないか」

 「プラクティカルなリベラルアーツ? なんだありゃあ」

 「広範囲に市民をまき込めば必ず展望が出てくる」

 「市では多くの分野に民営化問題が発生し、個別に『市民の会』が運動をしている。他の市民団体含めもっと横に手をつないで連携を」

 

 

 6月、9月の集会に続き、今回もフロアからは多くのご発言が寄せられました。集会の場以外でも「市民の会」では常にご意見を募集中です。こちらへメールでどうぞ。 

 

 

 「市民の会」アピール:

 集会の最後に「市民の会」より2月14日アピールを発表致しました。

 

 ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございます!

 

 また、短期間での事前準備にご協力下さった方々にもこの場をお借りしてお礼申し上げます。