横浜市立大学学長 

小川 恵一 様

要望書

 

すでにご存知のように、総合理学研究科、システム要素科学・システム機能科学専攻(八景)では、博士前期課程の入試を開設した年を除いては一貫して8月に実施してまいりました。そのための教員側の準備は、例年3月末までに開始されてきました。一方学生達について言えば、来年度(平成17年度)の入試も、同様に8月に実施するものと想定し、受験準備を開始しているものと思います。しかしながら、一方では、今回の本学改革に連動して、大学院入試が延期されるのではないかという不安があるようでもあります。万が一、大学院入試が延期されるような事態になれば、本学の大学院担当の教員の指導を受けたいと考えている学生にとっては大変迷惑であり、また、大きな不安を与えることになります。

学部・大学院を問わず入試は受験生の一生を左右する重要な問題です。したがって、入試情報はかなり(通常、1年以上)前から公表する社会的責任が大学にあります。平成163月の現時点まで、大学院入試に関するなんらの公式な発表がない以上、学生は例年通りに入試が実施されるものと考えるのが、極めて常識的なことであり、間際になっての入試延期発表等を行うのであれば社会に対する不信行為であると言わざるを得ないと思います。

このような不安を払拭するために、17年度入試は従前どおり8月中に実施するための事務を可及的速やかに開始してその事実を明示するべきと考えますが、いかがでしょうか。なお都立大学では大学院の改組の時期を1年延期することで、入試に関する問題を回避しています。

また、来年度の大学院進学を志望している学生を指導している教員の立場から考えますと、万が一入試の実施が危ぶまれるような事態であれば、本学大学院でなく、他大学への受験を勧めざるを得ないという、極めて矛盾した立場に立つことになります。言うまでもなく、優れた学生を集め、優れた教育と研究の実を挙げることは、大学としてなすべきまず始めのことであります。入試事務の遅延はこの原則に対する重大な障害になります。

以上の状況を勘案すると、例年通りに大学院の入試事務を開始するべきであると信じます。入試日程公表を含めて、迅速な対応を希望します。

 

総合理学八景研究科

平成16年3月8日