「自己責任」と「自業自得」

 

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[1389] 、「自己責任」と「自業自得」  投稿者:伊豆利彦 投稿日:2004/04/20(Tue) 11:04:51 

 

3人を迎える日本の姿はやりきれない。

想像してはいたが、これほどとは思わなかった。

日本人とは何か。

こうして日本はどこへ行くか。

 

おそらくそれは彼らを解放した武装グループも、聖職者協会の人々も想像もしなかったことだろう。

世界の一般の人々も驚いているにちがいない。

 

日本でも、彼らを支持し、彼らの解放を喜ぶ人々も多数いると思う。しかし、その声は彼らに届かず、彼らは隔離されて、非難の声ばかりがとどけられるのだ。

 

それは、政府とその筋のものたちの狙っていた筋書きだろう。

多分彼らは、3人が殺された方が「自業自得」と非難することができて、さらに殺した者たちを非難することができて、国論を自衛隊強化に統一することができてよかったのだろう。

 

彼らが解放されたのは、政府の努力によるものではない。

彼らが政府に反対して自衛隊派遣に反対する人々だったからだ。

日本の多くの人々が「自衛隊派遣反対」を叫び、彼らの解放を求めて大きな運動を起こしたからだ。

 

政府とその筋の連中ははこれが不愉快だったのだと思う。

「自己責任」と「自業自得」というなら、彼らをせめて静かに放っておいたらどうだ。

 

彼らが殺されたときにこそ、「自己責任」とか「自業自得」とかといって自己の責任をまぬがれるための言葉とすることもできるのだ。

無事、解放されたのに、それらの言葉を投げつけて、彼らを苦しめるのは何故なのか分らない。

 

結局、3人が無事解放されたのが気に入らないのだ。

 

そして、世論の動向には「自己責任」でことをすることを嫌う日本人の生き方があらわれている。

お上の命令でやったのなら、気の毒だが、「自己責任」でイラク人民のために尽力し、また、劣化ウラン弾その他の米軍の卑劣な実態を探ろうとすることは許せないのだ。

 

思えば「自己責任」でこうした仕事をしている人々がいるということは日本人の誇りではないのか。

 

そのことをパウエル国務長官が言ったが、日本の民主主義はアメリカに比してもはるかにいんちきだということが思われる。

 

そして、このような世論の形成に日本のマスコミが大きな役割を果たしていることを思わないわけにはいかない。

 

こうして、日本は一旦緩急あれば、挙国一致、戦争に突入する危険があるという思いを強くした。

 

「自己責任」で、政府に反してもたたかう人々こそ大事なのだ。

いまの政府の下劣な言動に驚くことはない。

彼らは3人が解放されたことで窮地に追い込まれたのだ。

そう考えれば、どうにも理解できない彼らの言動も理解できる。

 

ただ、そういう政府とその筋の連中の下劣なたくらみに対して、日本のマスメディアが無批判にであるばかりでなく、国民のなかにある、迷惑をかけた論に追随して、3人とその家族を追いつめる、途方もない世論の波をつくり出している。

 

6チャンネルの筑紫哲也が、この「迷惑」論を批判していた。

また、朝日新聞では、こうした動向を批判する高橋源一郎のエッセイを掲載していた。

こうした言説は新聞にもテレヴィにもかなり掲載されているのであろう。

しかし、世論を動かすのはこうしたコラムの言葉ではない。

もしかしたら、これらは、マスメディアのアリバイつくりの役割を果たすことになるのかも知れない。

 

いま、私たちは日本のメディアの働きについてあらためて批判の目を向ける必要がある。

 

 

 

 

 

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伊豆利彦 私は3人の解放を心から喜んだのだが、それが、いまはひどく憂鬱だ。多分、解放された3人も、そん家族も同様なのだろう。どうして、こんなことになるのか。日本という国の奇妙な実態にふれた思いだ。 (2004/04/20(Tue) 11:13:26)

平成太郎 こういうことになると日本人の大半は始末に悪い。西洋、イスラム社会のような宗教心はない。論理的思考が訓練されてもいない。ゲームとマンガと音楽愛好で、日々付和雷同、なんでも面白ければそれでよし感覚で生きている。徹底的に侵略もされたことがない。それでいて神武天皇以来の皇位継承が生きている、薄気味悪い面を隠し持った国。戦後の民主化の徹底のなさが今日の禍根になっていますね。伊豆さんたちの年代が戦争に狩り出された苦労がいい方向に結実しなかったですね。 (2004/04/20(Tue) 15:25:18)

伊豆利彦 あの時、戦争の総括がされなかった。そのツケがこんな形で来ているのです。憲法改正はその総括を、50年たったいま、しようとするのだろうか。その反対に、 (2004/04/20(Tue) 17:23:38)

伊豆利彦 あの時、戦争の総括がされなかった。そのツケがこんな形で来ているのです。憲法改正はその総括を、50年たったいましようとするのだろうか。その反対に、あの戦争を肯定して、一切の夫妻はなかったとするのだろうか。この時代錯誤がいつまでつづくか。やがて、ほんとうに清算しなければならないときが来る。それも、もう、それほど遠くないような気がする。 (2004/04/20(Tue) 17:28:03)

伊豆利彦 日米関係をきちんとしなければ、対米追随一辺倒をつづければ、日本のためにも、アメリカのためにもならない。 (2004/04/20(Tue) 17:35:43)

平成太郎 とくに小泉さんは対米従属よりもブッシュ従属が強く、自民党政治の中でも米大統領との密着度が第一。吉田、岸辺りは冷戦構造下での国防意識で対米従属でしたが、イラク派兵はこのこととも無縁ですから、ブッシュ隷属の売国奴! (2004/04/20(Tue) 17:59:03)