自治労横浜『声明』:市立保育所民営化問題で,中田市長が歪曲発言

 

・・・「保護者と称して反対運動をしているのは公務員。公務員が憎くて言うわけではないが、今のままでは市民ニーズに応えられない」「公務員の親御さん以外はみんな感謝して手紙を寄せてくれている」・・・聴衆の面前でこのような事実を歪曲した発言を行うなど、市長としての「品性」を疑わざるを得ません。・・・

 

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声  明

 7月8日付け「神奈川新聞」によれば、中田市長は7日の横浜駅西口で参議院選挙の神奈川選挙区候補の応援演説で市立保育所の民営化問題に関わり、以下の発言を行ったと報道されています。

「保護者と称して反対運動をしているのは公務員。公務員が憎くて言うわけではないが、今のままでは市民ニーズに応えられない」
「公務員の親御さん以外はみんな感謝して手紙を寄せてくれている」

 これらの発言が事実とすれば、極めて多くの問題を孕んでいると言わざるを得ません。
 保育所の民営化は、昨年4月23日に保護者に一切知らされない中、突然新聞記者発表されたのが始まりです。直営保育所の125園を、毎年4園ずつ民営化するというものでした。これに対して、余りにも突然で、なお且つ年度内廃止・民営化の考え方に対して、保護者会の皆さんは「余りにも拙速である」として、子の親として反対運動までに発展したのが事実経過です。
 私達自治労横浜も保護者の声を正当と受け止め、福祉行政の公的責任を明確にする立場から、また他都市にも見られないあまりにも「拙速なやり方」に対して保護者会を支持し、市立保育所の民営化反対闘争に取り組みました。そして保護者会として、現在は法廷闘争に取り組んでいるとも聞いています。
 中田市長の発言で、まず「反対運動をしているのは公務員」と言ったとすれば、保護者として反対の声を上げた方の職業をなぜ市長が特定できたのか。また、横浜駅で聴衆の前で、そのことを公然と発言したのか。極めてプライバシーに関わることを、市長が発言する等とんでもないことではないでしょうか。
 また「保護者と称して」と言っていますが、保護者の皆さんはそれぞれ職業を持っており、仮に公務員の方がいたとして、なぜ保護者として運動を行うことが、許されないのでしょうか。「称して」などという表現は断じて許されるものではありません。
 次に「公務員の親御さん以外はみんな感謝〜」についてですが、私達の把握している限り、そんなことはありません。公務員の親だけで反対運動を行っているなど、事実無根もはなはだしいことです。
 聴衆の面前でこのような事実を歪曲した発言を行うなど、市長としての「品性」を疑わざるを得ません。自治労横浜は横浜市に勤務する地方公務員の労働組合です。私達地方公務員が、それぞれの生活圏の中で、例えば親として発言することが許されないとでも言うのでしょうか。発言する自由すら否定するのですか?
 自治労横浜は、市長発言は暴挙と言わざるを得ません。もし事実でないのならば、きちんと市民に対して釈明をするべきであると考えます。

2004年7月13

自治労横浜市従業員労働組合 中央執行委員会