横浜市立大、学長にストロナク氏・公立大初の外国人

 

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20040903

横浜市立大、学長にストロナク氏・公立大初の外国人

日経新聞(9/02)より

 横浜市立大学は2日、来年4月の法人化後の初代学長に、米ベッカー大前学長代行のブルース・ストロナク氏(54、写真)を内定したと発表した。横浜市大によると、公立大学の外国人学長は初めてという。

 ストロナク氏は米メーン州出身で、1976年に慶応義塾大学の客員研究員として来日、慶大講師や国際大学(新潟県)教授を歴任した。専門は国際関係学で、ベッカー大では大学経営や管理運営に携わった。

 横浜市大は法人化後の目標として「実践的な国際教養大学」を掲げており、国際化を重要な課題に位置づけている。このため国際経験が豊富で米国で大学改革などにも取り組んだストロナク氏を起用した。

 ストロナク氏は2日の記者会見で「国際都市・横浜にふさわしい大学として、留学制度や海外の大学との交流などを充実させたい」と抱負を語った。

[同ニュース]
4月独法化横浜市大 初代の学長に米大学長代行(東京新聞9/03
公立大初の外国人学長(神奈川新聞9/03
学長にストロナク氏が内定=横浜市大(時事通信9/03
横浜市大新学長にブルース・ストロナク氏−−公立大初 /神奈川(毎日新聞9/03

法人化で初の外国人学長 横浜市大のブルース・ストロナク氏

東京読売新聞(2004/09/03

 横浜市立大学は二日、二〇〇五年四月に地方独立行政法人化する新しい大学の学長に、米・マサチューセッツ州のベッカー大学の前学長代行ブルース・ストロナク氏(54)を充てる人事を発表した。同大によると、公立大学で外国人が学長に就任するのは全国で初めて。任期は一年間。
 ストロナク氏は米メーン州出身で、フレッチャー大学院(マサチューセッツ州)で国際関係学の博士号を取得。大学院在学中の一九七六年、慶応大学の客員研究員として初めて来日した。それ以来、慶大講師や国際大学教授などを歴任、通算十四年以上、日本に滞在している。
 九八年一月から今年八月までは、ベッカー大の副学長や学長代行として、予算管理や教員組合との交渉といった大学の管理運営に携わっていた。
 この日、記者会見した理事長予定者の宝田良一氏は「大学の国際化を推進し、国際教養大学の実現を内外に向けて発信できる適任者として選んだ」と選考理由を説明。ストロナク氏は「新たな市大を生み出すために、私の経験を生かしたい」と抱負を述べた。

大学改革日誌(永岑三千輝教授)−最新日誌(200492(3))より

 今日は定例教授会。一番驚いたのは、来年度からの学長が理事長によって任命された、ということである。今朝、大学の部局長会議で知らされたそうである。2時から開催の教授会では、最初はこの情報も伏せられていた。なぜか? 

 2時からの記者会見で公表するので、そのニュース・ヴァリューを維持するためだと。大学の部局長も今朝の午前中の部局長会議までなにもしらなかったという。普通の教員にいたっては、記者会見があってはじめて、したがって社会一般の人が知って、その後になって初めて知るというわけである。このような学長選考・任命のあり方は、驚くほかないではないか?まさに東京都のやり方とまったく同じである。

 定款では、理事長が学長を任命するとなっている。だが、学長選考会議はどうなったのか?その規則・基準などは一切社会的に明らかになっていない[4]。この間、行政主導による行政当局の思うがままの学長選びが危惧されたが、まさにそのとおりとなった。大学の自治などはまさゼロ、ということである。

 ベッカー大学というアメリカの大学(アメリカ留学経験のある同僚もまったく知らない大学のようで「どこにある大学ですか」と驚きの声を出していた)で副学長をしていたという人物のようである。その見識・力量・大学内外への説明責任能力のほどはおいおいに判明しよう。

 ともあれ、理事長、副理事長、学長が行政当局によって直接に、まったく外部から選ばれたわけで、行政の意のままの法人・大学のトップの任命ということになる。

 かつては市長が大学の学長選挙結果を尊重して(すなわち大学の自治を尊重して)、大学によって選ばれた人物を学長に任命した。これと比べると正反対、大学の声を一切聞かない学長選考だ、ということである。

大学改革日誌(永岑三千輝教授)−最新日誌(200493日)より

 昨日、来年4月からの学長が学内の人々がまったく知らないままに記者会見で公表されたこと、この大学無視のひどさを書いた。その際、唖然とした気持ちが先行して、きちんと定款を読み直すことをしなかった(定款全体の本質を「諦観」してしまったこともあるが)。そこで、次のような誤りがあることを本日誌の読者からご指摘いただいた。ありがたいご指摘である。常にドキュメントにあたりなおす必要を改めて感じた[1](といっても今それを実行する気力はない)。以下に匿名情報としてコピーしておこう。

 つまりは、法人最初の学長は、東京都と同じく、定款で、「市長が直接学長を決めることとなっている」ということである。いずれにしろ、本質的に大学無視のシステムだということが強調したかったのが趣旨であるため、昨日のように書いてしまった。誤りは誤りである。

 市長が理事長を任命し、その理事長(予定者の了解も得ながらではあろうが(つまり、定款は独立の公立大学法人の人事に関し、「独立」とはいえ、理事長権限への介入をすくなくとも「最初だけ」は市長に許すわけで、必要なのは「了解」程度だろうが)市長(行政当局)が任命する、というわけである。理事長も職務発動は来年41日からだとすれば、理事長権限を今の時点で発動できない、というのは論理的には整合性がある。本質にはかかわりないことだが、一言付言。

 

Posted by 管理者 : 20040903 00:29 | トラックバック