都立大・短大教職員組合、「高橋理事長予定者と石原知事の暴言を批判する」

 

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20041027

都立大・短大教職員組合、「高橋理事長予定者と石原知事の暴言を批判する」

東京都立大学・短期大学教職員組合
 高橋理事長予定者と石原知事の暴言を批判する (手から手へ第2307号、10月25日(月))

高橋理事長予定者と石原知事の暴言を批判する

 1020日付けの毎日新聞によれば、首都大学をサポートすると称する会員制クラブ「the Tokyo U-club」の設立総会の席上、高橋宏理事長予定者は次の様な発言をしている。「大学全入時代、学校さえ選ばなければバカでもチョンでも、そこそこの大学に入れる時代が3年後に来る。首都大学東京は世界の共通財産。有識者の声を反映した、いい大学にしたい」。
 「バカでもチョンでも」とは、なんという品性に欠けた発言であろう。これが一大学の理事長にもなろうという人物が公開の場で口にするべき言葉だろうか。
 そのうえ、これまで、新大学のレヴェル維持と創造的建設には徹底して無理解を示しておきながら、「世界の共通財産云々」とは。 筋の通らない、支離滅裂な話っぷりである。だが、もし本当にそのような考えに立つなら、今すぐにでも、教員・学生を含む各方面に開かれた新大学作りの作業を始めることこそ、本筋であろう。理事長がこのような意識を持っているならば、「世界の共通財産」などけっして生まれてはこない。
 さらに、席上石原知事は、経済学部のCOE返上問題に触れ、「一部のバカ野郎が反対して金がでなくなったが、あんなものどうでもいい」。また、首都大学構想に批判的な教員の多い仏文・独文に関しては、「フランス語は数を勘定できない言葉だから国際語として失格しているのも、むべなるかなという気がする。そういうものにしがみついている手合いが反対のための反対をしている。笑止千万だ」と話した、と報道されている。
 これは、まともな批判に値するかどうかも疑わしい、無知で下品な、醜い罵りの言葉だ。先の高橋発言も問題だが、とくに石原知事にあっては、本人は威勢のいい啖呵だと思っているのかどうかは知らないが、聞くに堪えない罵詈雑言の類いにどっぷり浸っている感がある。啖呵は本来、弱いものが強者を穿つ、武器としての、意表をついた開き直りの科白(せりふ)を指す。権力者が、権力をもたぬ者たちに振り下ろす悪罵ほど、啖呵と程遠いものはないのである。
 フランス語の数を表す体系が英語より複雑なこと、それかあらぬか、フランスには偉大な数学者が輩出していること、フランス語が、きわめて意識的に明晰と洗練を目差してきた言語であること、外交の世界では、いまなおフランス語の位置はきわめて重要なこと。

 こんなことを、いまさらながら知事に具申しなければならないとは。
 やはり、知事はこの「不規則発言」を撤回し、フランスとフランス語圏に対して、率直に謝るべきである。

 

Posted by 管理者 : 20041027 01:46 | トラックバック