服務事故再発防止研修命令取消訴訟、第1回口頭弁論

 

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http://university.main.jp/blog2/archives/2004/11/post_45.html より

 

・・・結局のところ、思想を変えよ、良心を覆い隠せ、信仰を投げ捨てよと言っているに等しいではないか。これが、精神の自由・思想良心の自由を侵害するものでなくて何であろうか。東京都教育行政の反憲法性について十分な審理を遂げ、司法本来の使命を果たされるよう、切に希望する。・・・

 

 

2004年11月15日

服務事故再発防止研修命令取消訴訟、第1回口頭弁論

澤藤統一郎の事務局長日記(2004年11月12日)

服務事故再発防止研修命令取消訴訟第1回口頭弁論  

君が代斉唱時における不起立・伴奏拒否で戒告処分を受けた人への追い打ち処分が、服務事故再発防止研修。思想信条に基づく不起立を、セクハラや飲酒運転なみの「事故」ととらえて、「反省」させようというもの。その取消と、国家賠償請求を求めた訴訟の第1回口頭弁論が本日あった。冒頭、私が意見陳述をした。私に与えられた時間は2分半。時間に急かされて舌がもつれた。しゃべったことは、以下のとおり。

審理の冒頭に裁判所に要望を申し上げる。
何よりも、本件では東京都における教育行政の異常性について十分なご理解をいただきたい。「異常」とは、憲法や教育基本法の理念と懸け離れていること。むしろ真っ向から相反していること。
私たちは、この日本の社会が民主主義という原則に基づいて、多様な価値観の共存を容認する社会であることを信じて疑わなかった。少なくとも、2003年の10月23日までは…。国家が特定の価値観や教説を国民に強要し、これに従わないものを制裁することなど夢想だにしえなかった。踏絵や転向・改宗の強制などは、前世紀の遺物で死語となっているものと考えていた。

ところが、服務事故再発防止研修の名で行われていることは、まさしく踏絵であり、転向や改宗の強要にほかならない。137名の原告は、すべて卒業式等の君が代斉唱時に、起立・斉唱を拒否した者である。137通りの悩みと葛藤の末に、教員としての良心の故に、あるいは自己の存立を掛けた人生観・社会観・歴史観・信仰の故に、不利益あることを覚悟の行動であった。被告都教委は、一人ひとりの原告の内心に深く立ち入って、これを「非行」とし、「反省」を求めるとしている。いったい、何をどう反省せよというのか。

結局のところ、思想を変えよ、良心を覆い隠せ、信仰を投げ捨てよと言っているに等しいではないか。これが、精神の自由・思想良心の自由を侵害するものでなくて何であろうか。東京都教育行政の反憲法性について十分な審理を遂げ、司法本来の使命を果たされるよう、切に希望する。


[同新聞報道]
「君が代不起立で研修は違憲」 教員139人が提訴(朝日新聞11/12)
君が代「研修」取り消し訴訟 都教委、利益なしと却下求める−−第1回弁論 (毎日新聞11/13)

投稿者 管理者 : 20041115 00:07

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