発信箱:資産としての福祉

 

 

発信箱:資産としての福祉 投稿者:旭区課税課中山博邦 投稿日:2004/12/17(Fri) 05:52 No.490       

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発信箱:
資産としての福祉

 福祉は人間をなまけものにする。1980年代の新保守主義の経済学はそう教えた。とんでもないデタラメだった。

 福祉国家フィンランドは経済協力開発機構(OECD)の03年度学力テストの科学的活用力で韓国や日本を抑えトップだった。世界経済フォーラム04年調査でもフィンランドは2年連続で競争力トップだ。米国、スウェーデン、台湾、デンマーク、ノルウェーと続く。高福祉の北欧諸国が多い。

 税金と社会保険料の所得に占める割合を国民負担率というが、日本は02年度36%。日本はこの先増税と保険料引き上げが避けられない。なんとか50%以下にしたいものだと深刻な顔をしている。しかし、フィンランドは65%、スウェーデン、デンマークは75%だ。

 フィンランドは携帯電話で世界一のノキアが有名だが、なべて北欧は衰退するどころか、経済が活性化している。フィンランドの場合、90年代初頭に構造不況に陥ったが「産官学」の連携でIT国家に作り替えた。

 北欧諸国にとって、福祉は経済発展の足かせでなく実は資産であった。老後が心配だと人は守りを優先して創造性の発揮どころでない。福祉で生活が安定していると、後顧の憂いなく冒険ができ社会が活気づく。そういうことらしい。

 残念ながらこれはマネができない。福祉国家は国民が国家を深く信頼していないと成立しない。しかし、日本人は北欧の人々のようには国家を信じられないのである。

 あの政治家と官僚! 彼らに大事な虎の子の7〜8割もわたして、老後を託す気になれますか?(論説室・潮田道夫)

毎日新聞 20041217日 011