学校給食、基地問題等で一般質問しました(第4回定例横浜市議会報告)

 

関美恵子氏(横浜市議)ホームページ http://www.seki-mieko.jp/index.htm

http://www.seki-mieko.jp/kakearuki/html/1103474728.html より

 

・・・最後は、池子の森への新たな米軍住宅建設等、基地問題についてです。・・・「反対しても建つものは建つ」といい、国の言い分を受けいれる中田市長の態度は突出しており対照的です。・・・

 

 

04.12.20】学校給食、基地問題等で一般質問しました

去る12月14日、第4回定例市会本会議で、私は、日本共産党を代表し、市長の政治姿勢、学校給食、「警察・学校相互連携に係わる協定書」及び基地問題に関わって市長並びに教育長に質問しました。以下は、私の質問現行ととそれに対する答弁です。

関 まず、市長の政治姿勢についてです。
政府与党は、11月26日「三位一体」の「全体像」を発表しました。これは、福祉・教育などにたいする国の責任を後退させ、地方財政の削減をすすめ、自治体が本来はたすべき住民福祉増進の仕事を困難にするもので、わが党として認められるものでありません。
地方自治体の批判も強く、なかでも、12月7日、全国知事会など地方六団体の代表が、麻生総務大臣に対し、「地方交付税が一方的に削減された場合、全国の地方議会で内閣不信任案を決議するなど、抗議活動を展開すると伝えた」という、大変きびしいものです。
市長はこのことをどのように受け止めたのか伺います。

市長  地方六団体からの総務大臣に対する申し入れの件でありますけれども、今回の三位一体改革の全体像においては、地方交付税の改革について、国、地方の双方が納得できる形で歳出削減に引き続き努める一方で、必要な地方交付税などの一般財源の総額を確保するなっているわけであります。内閣不信任に関する意見書の決議等については、市会でご判断をいただく内容でありますから、日本共産党、ぜひお出しになってお諮りいただければよろしいのではないかなというふうに私は思いますけれども、地方交付税の一方的な削減は論外であり、昨年のようなことが繰り返されることがあってはならないと考えているものであります。

関  市長も、12月3日、国に出向き、国の制度及び予算に関する追加提案・要望書を提出されています。そのなかで「地方自治の本旨に関わる重大な事態に備え、地方として対抗できる手段の検討を進める」と強い決意を述べていますが、具体的に何なのか伺います。

市長  地方として対抗できる具体的な手段についてでございますけれども、今後、対抗手段を発揮することのないように、ある意味では国に対して働きかけをしっかりとやっていきたいと考えており、また、そういう事態にならないように議論が進むことをまず私はねがっているわけであります。仮に国が地方自治の本旨に反するような重大な決定をすることがあれば、地方としてもそれなりの対抗手段をとらざるを得ないと私は考えています。具体的には、現在他の自治体と連携しているところでありますけれども、法定受託事務の返上等について効果的な方法を検討いたしているところでございます。

 関  市長の政治姿勢を問う第二は、来年度の予算編成についてです。
都心部を中心に都市再生の名でプロジェクトをくみ、「横浜の再発展」をはかろうとの考えのようですが、京浜臨海部・みなとみらい21地区への企業誘致でみれば、減税・補助金の優遇策の恩恵をうけるのは大企業です。その一方で400億円の収支不足を強調し、その解消のため、低かった国基準に上乗せし行なってきた市民サービスを元の低い国基準にまで落すというのでは「市民満足度の向上」にはなりません。
2005年度も、生活保護や保育分野などで、弱者切り捨て・利用者への負担増を検討しているようですが、国民に痛みを強いる小泉構造改革の横浜版ではありませんか。
住民の福祉の増進を図るという地方自治の立場に立ち、福祉切り捨て、大型開発優先の予算編成の考え方を改めるべきと考えますが合わせて伺います。

市長  予算編成の考え方を改めることを考えているのかというご質問をいただいたわけでありますけれども、厳しい財源状況の中において今までと同じ発想や仕事のやり方を続けていては、新たな市民ニーズへの対応はもちろんのこと、現行の行政サービスの水準すら維持が難しいのです。そのことを十分にふまえて議論をしなければいけないと私は思います。したがって、収支不足を解消していくためには、歳入面で収納率の向上や特定財源の確保、歳出面で市役所内部経費の削減、事業の見直し及び受益者負担の適正化など、歳入歳出両面であらゆる取り組みをしなければいけないのです。しかし、職員により効率的な行政を求める具体策一つとってみても共産党は反対をする。それに対して労働強化だという単純な議論にしかならない。そういうことでは議論にもならないのです。歳入歳出両面においてあらゆる策をしっかりと行って、その上で横浜市の自立というものを求めていくことが必要であります。
また、毎度私本会議等でお答えしていますけれども、いまだご理解をてただけていないのか、恣意的におっしゃっておられるのかわかりませんが、みなとみらい21地区や京浜臨海部などにおける企業助成についても、中小企業も対象にし実際に中小企業からもたくさんの問い合わせが来ているわけです。そのことについて、大企業優先だ、大企業しか恩恵が預かるところがないというご発言が先ほどもありましたけれども、全く事実誤認も甚だしい。どういう見識でおっしゃっておられるのか、一度ゆっくりお聞かせをいただきたいと思います。

 関  つぎは学校給食についてです
民間委託の試行結果は、委託が直営よりよいとする明確な結果は示されませんでした。安全衛生面や児童とのコミュニケーションなど業務の履行状況は「おおむね良好」との評価です。運搬による時間のゆとりが図られたものの、この作業への業者の負担は大きいとしています。多様性として導入したバイキング給食など、独自献立は直営でもやっている学校もあり、子ども達の「食べ残し」も、残食率では差がありません。
注目されたコストは、大規模校では、委託が一食当たり28円安く、逆に小規模校では、直営が13円安くなりました。横浜市望ましい学校給食のあり方検討委員会の「中間報告」でも「一食あたりの経費は直営と大差はない」としています。委託をよしとする明確な根拠は何か伺います。

教育長  教育問題に関する御質問にお答えいたします
まず、学校給食に関しまして、調理業務民間委託の優位性についてお尋ねでございますが、今回の試行結果からは、直営では取り組みが難しい、給食運搬による時間のゆとり、学校のニーズに対応した献立内容の多様化などが委託業務の中で可能であり、また、一定のコストメリットも見込まれることが確認されており、教育委員会としては、民間委託は学校給食の一層の充実を図ることができる利点の多い方式であると考えております。

 関  わずか2校の試行で、委託がよいとの決定的な根拠がみえない中、一気に24校にまで拡大することは、「民営化ありき」としか思えません。見解を伺います。

教育長  民営化ありきの民間委託のすいしんではないかというお尋ねでございますが、民間委託に当たっては、給食をさらに充実させようという学校の意向をもとにして、委託化について保護者の十分な御理解をいただいた上で委託校として決定していくことにしております

関  市教委は、24校はあくまで候補校、保護者の理解が大前提としています。ところが、保護者への説明会は12月から1月のはじめまでという短さ、試食については実施後になります。あまりにも拙速で、保護者の理解をうる姿勢は見られませんが伺います。

教育長  事業の進め方が拙速過ぎるのではないかということですが、保護者へは一定の周知期間を設けた上で、学校ごとに説明会を開催しております。また、できるだけ多くの保護者が参加しやすい日程で、質疑応答の時間も十分に確保しながら実施するとともに、委託の内容や疑問点等をまとめたパンフレットを全保護者に配布するなど、さまざまな方法により十分検討していただけるよう努めているところでございます。

関  候補校になったA校の調理員は、「教育の一環として」「子どもの命を預かっている」という認識で給食作りに専念し、食中毒対策、食器の改善、独自献立・独自発注、新しい献立の試行、夏休み親子料理教室にも先進的にとりくんでいます。
調理でも、永久歯への生え変わりの様子をみて素材のきり方や大きさを変えるなど、子どもの様子、気候、発達を考え相談しながら作っています。また、給食委員会の子どもと給食食器、牛乳缶の整理などもやっていますが、委託になると、こうした調理の工夫の交流や、子どもの学びの場でもある給食委員会の活動はなくなると訴えています。
今やることは、民間委託ではなく、頑張っている直営のとりくみを充実させることではありませんか伺います。

教育長  学校給食は民間委託でなく直営を充実させていくべきとのお尋ねですが、民間委託の拡大により調理業務実施方式の多様化が生まれ、直営も含めた調理業務の改善向上が図られ、より豊かで充実した学校給食が実現できるものと考えております。

関  「中間報告」は、小学校の給食室を活用した近隣中学校への「昼食」提供も考えられるとしています。具体的に検討すべきです。また、「中学校期においても学校での食教育が継続されないと食の自己管理能力の向上は難しい」とも指摘しています。「完全給食」どころか「ミルク給食」さえ実施していないのは、神奈川県においても、指定都市でも横浜市だけという遅れた状況です。「食教育」推進のためにも、中学校給食実施に向けた方針をもつべきと考えるが伺います。

教育長  小学校の給食室活用方法についてでございますが、小学校の給食室でつくった昼食を近隣中学校へ提供するような場合、施設上の制約のほか、安全衛生管理上の問題、給食室建設にかかわる補助金の使途制限等多くの課題があると考えております。
中学校での給食実施についてでございますが、望ましい学校給食のあり方検討委員会では、中学校における食教育の推進につきまして、中学校期は体格、食事量など個人差が大きくなるため画一的な献立より個々に応じた昼食の方が望ましいと考えられること。中学校の昼食を食に関する自己管理能力を身につける機会としていくためには、昼食の選択肢を拡大していくこととしており、中学生自身が選択できるような昼食を充実させるよう方向が示されているところであります。今後、この検討委員会の報告を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。

関  つぎは、「警察・学校相互連携に関わる協定書」についてです。
従来の「学校警察連絡協議会」とは異なり、特定の子どもについての「情報」の交換を可能にしたもので重大な問題があります。
学校からの警察署へ提供する「情報」として、「児童生徒が犯罪の被害に遭うおそれのあるもの」が含まれていますが、犯罪のおそれがあるというだけで、特定の子どもの「情報」が提供され、しかも、提供される「情報」は「関係当事者に連絡すること」もない場合があり、一方的で不正確な「情報」が提供されることも考えられます。
さらに、「情報」の保存期間は、学校は1年としていますが、警察は明らかでありません。一過性のものも含め、長期に「情報」が保存されることになれば人権侵害になりませんか伺います。

教育長  次に、警察と学校の相互連携に係わる提供情報の保管期間についてのお尋ねでありますが、県警本部と横浜市教委とが締結した児童生徒の健全育成に関する警察と学校の相互連携に係わる協定書等の規定に基づき、提供情報の保管期間は1年間としているところでございます。

関  教育の原点にてらしても、問題をおこすおそれがあるというだけで、「情報」を提供し特定の子どもが、警察の管理・監視下におかれたり、取り締まりの対象になれば、教育によって「人格の完成をめざす」という学校教育の目的と相容れません。見解を伺います。

教育長  本協定が学校教育の目的と相容れないものであるとの御指摘ですが、本協定は、学校で行う指導や支援に加えて、児童生徒の健全育成、非行防止、被害防止に役立つ場合に必要に応じて相互に情報交換を行い、警察と行動連携して関係児童生徒の支援育成を図るものであり、学校教育の目的に沿ったものであると考えています。

関  また、憲法は、個人の尊厳や、子どもの教育をうける権利を保障し、過ちを犯したこ子どもでも、自由な環境で教育によって克服し自己実現をはかる権利を認めています。こうした権利にも抵触すると思いますが伺います。

教育長  本協定が児童生徒の学校教育を受ける権利に定職しているのではないかとの御質問ですが、本協定は警察と行動連携し関係児童生徒の支援育成を図るものですので、子供たちの教育を受ける権利に抵触するものではございません。

関  議会の手続きもへず、児童生徒、保護者、市民の知らないところですすめられたのも問題です。わが党は、少年犯罪や非行といった社会的道義の問題は、とりわけ国民的な草の根からの討議が大切と考えています。上からの管理や規制を強めるやり方ではけっして解決しません。これだけ重大なことが、「協定書」は白紙にもどし、市民的な討議こそ必要と思いますが伺います。

教育長  最後に、協定を白紙に戻す必要があるとの御指摘でございますが、児童生徒の健全育成の取り組みとして本協定を締結したものであり、協定書の白紙撤回を行う考えはございません。以上、後答弁申し上げました。

関  最後は、池子の森への新たな米軍住宅建設等、基地問題についてです。
池子の森には、本州でも数少ないまとまりのある照葉樹林が残り、千百種以上の動植物や歴史的文化材も存在する自然の宝庫です。かって180haという広さがなければ生息しないというフクロウが4つがいも確認され、横浜市側でも絶滅危惧種のオジロワシや条約保護鳥のキビタキなどが目撃されています。
新たな米軍住宅建設は、横浜市分全域を破壊し、貴重な生き物の生息に重大な影響を与えます。市長は、先日も「緑はかけがえのない存在。緑被率は2010年には30%を割り込みそうでふやす努力をしなければならない」と答弁されましたが、新たな米軍住宅の建設を認めることは、市長自らの答弁とも逆行するのではありませんか伺います。

市長  市内米軍基地についてのご質問をいただきました
住宅建設と緑の保全に関しては、ことし8月に国に対し緑を可能な限り残し自然環境の保全に十分配慮するように提案いたしました。これを受け、日米政府間において、住宅等の建設に伴う改変面積については横浜市域の面積の半分以下に抑制し、自然環境の保全に配慮するこが合意されたわけであります。さらに今月、大野防衛庁長官に国の制度及び予算に関する追加提案要望書を直接お渡しし、私から周辺環境への影響を少なくし地元への十分な配慮を図るということについてさらに要請をいたしたところであります。今後も国との協議において、緑や自然環境の保全に関して本市の考えを反映させるように取り組んでまいりたいと考えています。

関  逗子市民は、池子の森をまもるために長期にわたって米軍住宅建設反対の運動をすすめました。国が、開発は50haだけで、「池子の森の緑は大部分残ります」とくりかえし約束したのは、こうした運動があったからです。今になって、横浜市分のことでなかった、横浜市が容認すれば問題ないとするのは通用しない議論で、逗子市が「三者合意」違反として国を提訴したのは当然です。その訴訟の結果を待ってから判断しても良かったのではありませんか見解を伺います。

市長  逗子市の結果をみてからということでありますけれども、逗子市は逗子市としての判断で国を提訴されたわけであります。一方で、横浜市は国、神奈川県、逗子市の間で交わされたいわゆる三者合意の当事者ではなく、今回の住宅等建設は横浜市域のことであることから、横浜市がみずからの責任において判断したものであります。三者合意に横浜市がはいっていない。そこで横浜市のことが決まることに日本共産党は賛成なのですか。そのことの原点もお考えいただきたいと思います。

関  新たな米軍住宅建設の背景に、ブッシュ政権の世界的な軍事力再編強化があります。日米軍事同盟も、米国の先制攻撃戦略に対応する新しい軍事同盟として再編するため協議が進められています。米陸軍第一軍団司令部のキャンプ座間移転は、端的な事例です。かってなく広範な人々が反対・拒否の怒りの声をあげています。
地元の相模原市や座間市の市長も、議会も全会一致で反対しています。相模原市長は、国に対し既に10回近く反対を表明し、座間では、市、議会、市民が三者一体で反対する連絡協議会を発足させました。横須賀市では、市長があくまで通常型空母の継続を申し入れ、原子力空母の母港化を認めない態度をとっています。逗子市は、先に述べた通りです。
「反対しても建つものは建つ」といい、国の言い分を受けいれる中田市長の態度は突出しており対照的です。係自治体と共同する立場に立ち、住宅建設に反対すべきと考えますが伺います。

市長  県下の米軍施設に関係する自治体と共同した行動についてですけれども、10自治体で構成し、本市もメンバーである神奈川県基地関係県市連絡協議会として共同で本年7月に国に対し住宅建設も含めた県内の米軍施設16カ所について整理、縮小、早期返還の推進を要請いたしたところであります。

関  金沢区において、地元要望をとりまとめるため「金沢区米軍施設建設・返還跡地利用対策協議会」が設立され、市は、この協議会を地元の協議・調整を図るチャンネルと位置付けているようですが、地元の総意とするのは間違いです。
市長は、池子接収地返還促進区民協議会の意向を地元住民の声として受け入れ表明をしました。しかし、地元の声は、9月下旬に市民団体がおこなったアンケート調査では、83%が建設に反対だったのです。
今後の跡地利用の検討にあたっては、市自ら、住民懇談会、市民アンケートなどにより、直接市民の声を聞くべきと考えますが見解を伺って私の質問を終わります。

市長  跡地の利用についての市民意見の聴取についてでありますけれども、まず、金沢区米軍施設建設・返還跡地利用対策協議会については、金沢区内3カ所の米軍施設周辺の自治会町内会の方々で組織され、地域の意見や要望を的確に関係機関に伝えていくために発足した団体と承知しております。今後の跡地利用の検討に当たりましては、市民を代表される市会はもとより、当協議会を初めとして地元や市民の皆様からの御意見や御要望を踏まえながら進めてまいりたいとかんがえているところであります。