警察の横暴を許すな 澤藤統一郎の事務局長日記(2004年12月25日付)

 

http://www.jdla.jp/jim-diary/jimu-d.html

 

 

 

2004年12月25日(土)

警察の横暴を許すな 

今朝の赤旗を見て驚いた。またまた、ビラ配布に住居侵入容疑の逮捕である。警察は、立川テント村無罪判決に挑戦する姿勢なのだ。

23日午後、葛飾区内で共産党の「都議会報告」「区議団だより」などのビラをマンションで配布していた男性(57歳)が住居侵入で亀有警察署に逮捕された。被疑罪名は住居侵入。併せて、自宅の捜索差し押さえも行われた。おそるべき暴挙。

そのマンションの居住者のなかに、警察官がいたようだ。この男が携帯電話で警察に「PC(パトカー)で来い」「ガラ(身柄のこと)はおさえた」「警備課につなげ」などと警察用語を使って連絡したという。ビラの配布者は、やってきた警察官とともに亀有署まで行って「住居侵入」容疑で逮捕された。
マンションの通路に立ち入る者を逮捕していたら、留置場を100倍に増やしても足りない。しかし、現実には留置場増設の必要はない。特定の者、特定のビラだけが選別されて逮捕の対象になるからだ。政治的ビラだから、特定政党のビラだから、時の権力にもっとも不都合な見解の表明だから、イラク派兵反対だから、反体制派のビラだから、選挙が近いから…、権力的抑制の対象となる。

ことは特定政党の問題ではない。民主主義の問題であり、人権一般の問題である。オウムだから、過激派だから、共産党だから、些細なことで逮捕されても良いことには、絶対にならない。特定政派が弾圧されているだけでなく、民主的な原理、人権擁護の原則が侵されているのだ。これを許容する者は、自らの首を絞めることとなる。

こんなことで逮捕される恐怖社会を作ってはならない。権力にたてつく者を弾圧しようという日本の警察の現実は、とても北朝鮮を嗤うどころではない。警察は暴力団被害に遭遇している市民を救済することには不熱心極まる。殺人事件の捜査は不得手で犯人検挙の成果をあげ得ない。反戦ビラや、政党ビラの弾圧についてだけは、やたらに熱心で、得意技なのだ。赫々たる「成果」をあげてもいる。こんな警察をチェックする役割の裁判所は何をしている。令状実務はメクラ判なのか。

 

『しんぶん赤旗』20041225日付

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-12-25/15_01.html

 

20041225()「しんぶん赤旗」

 

ビラ配布の男性を不当逮捕

「官舎無罪判決」直後に

東京・葛飾 立ち会い認めず家宅捜索

 

--------------------------------------------------------------------------------

 

 二十三日午後、東京都葛飾区内で日本共産党の「都議会報告」「区議団だより」などのビラをマンションで配布していた男性、Aさん(57)が亀有警察署に不当逮捕される事件が起きました。「住居不法侵入」などを口実にしていますが、一般におこなわれている正当な政治活動にたいする弾圧です。自衛隊官舎への反戦ビラ配布について「ビラ配りは憲法に保障された政治的表現活動」として無罪にした東京地裁八王子支部判決の直後だけに、警察の不当さがきわだっています。

 

--------------------------------------------------------------------------------

 

亀有警察前で不当逮捕に抗議する高橋都議候補(右端)、党区議団ら=24日、東京・葛飾区

 

 逮捕にたいし、ただちに党葛飾地区委員会、木村ようじ都議、国民救援会などが同署に抗議。東京地裁八王子支部の無罪判決も指摘し、直ちに釈放するよう求めました。同地区委員会は「東京都議選を前にした時期で、憲法と民主主義に反する重大な政治弾圧だ」として亀有署への抗議と男性への支援を呼びかけています。

 

 Aさんは「都議会報告」や「区議団だより」などを七階建てマンションに配布中、部屋から出てきた男に「何をまいているのか、迷惑だからやめろ」と呼び止められました。「正当な政治活動ですが、あなたが入れてほしくないのなら、入れませんので何号室ですか」といって部屋の番号を確認しようとしたところ、男はいきなり携帯電話で警察に「PC(パトカーのこと)で来い」「ガラ(身柄のこと)はおさえた」「警備課につなげ」などと警察用語を使って連絡しました。Aさんはやってきた警察官とともに亀有署に行ったところ「住居不法侵入」容疑で逮捕されました。

 

 また、同署は二十四日午後六時すぎ、Aさん宅の家宅捜索までおこないました。捜査官十数人を動員し、玄関前を封鎖、党地区委員会の立ち会いを認めないなどの異常なものでした。

 

--------------------------------------------------------------------------------

 

「ただちに釈放せよ」

日本共産党 亀有署前で抗議行動

 

 日本共産党葛飾地区委員会、党葛飾区議団、日本国民救援会東京都本部は二十四日夕、Aさんを不当逮捕した亀有署前で抗議行動を行い、即時釈放を要求しました。

 

 同署前は警官二十人が入り口を固めるものものしい体制。区内から五十人が集まり、「民主主義を守れ」「亀有警察は不当逮捕をやめよ」「ただちに釈放せよ」と怒りのシュプレヒコールをあげました。

 

 救援会都本部の深澤安治事務局長、高橋信夫都議候補(党葛飾区議団長)、渡辺好枝同団長代行らが「区民に議会での活動を伝えるビラを配ってなにが違法か。ただちに釈放せよ」と厳しくつめよったのに対し、同署側は「正当に職務を執行しただけだ」「議論するつもりはない」などと述べ、最後まで話を聞こうとする態度すら見せませんでした。支援の人たちからは「話しあいもしないなんて異常だよ」と怒りの声があがりました。

 

 不当逮捕された男性の妻(47)は「これで逮捕されるなら、いったい何人の人が逮捕されるの。本当に恐ろしいことです。警察は、こんなことやっている暇があるなら、未解決の事件の捜査を真剣にやるべきです」と怒りに声を震わせながら話しました。