『石原がうるさく言って作った学科』をつくりたい 都立大の危機 --- やさしいFAQ2005年1月6日 第1版 緊急情報

 

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◎ 2005年1月6日:産経新聞(1/5)に<首都大学東京 「文化学科」創設へ 教養人を育成> が掲載された。(http://www.sankei.co.jp/news/050105/sha022.htm ) 以下,引用。
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 東京都の石原慎太郎知事は今年4月に開学する「首都大学東京」に、教養人の輩出を想定した新学科「文化学科」(仮称)を創設する考えを持っていることを明らかにした。4日までに産経新聞のインタビューに答えた。石原知事は今夏で2期目の任期の折り返しを迎える。治安対策など選挙時の公約は軌道に乗り始めており、新学科の設立が都政の新しい課題の1つに浮上する可能性がある。
 石原知事は「『石原がうるさく言って作った学科』をつくりたい」と述べ、開設時期は「4月の開学から1、2年を経てから」と話した。
 学科の内容は「まだ構想がうまく浮かんでこないが『文化学科』のような学科。本当の教養を持った、趣味性もある教養人が出てくる学科があったらいい」と話した。
 首都大学東京をめぐっては、「江戸・東京の文化や、都市の文化をどのように学問領域にするか」という課題がある。石原知事の「文化学科構想」は、これらの課題をのみ込んだ上で、新大学を特色づけるものになる可能性がある。
 首都大学東京は、現在の都立大学など4大学を統廃合し、「都市教養」「都市環境」「健康福祉」など4学部、定員1510人で4月に開学。他大学での単位取得を認める「単位バンクシステム」などを特徴にしている。

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COMMENT:この記事の読み方。(1) 首都大学東京が文学・文化研究をないがしろにしているという印象を払拭するために,知事--産経記者が仕掛けた可能性(入試も目前ですから)。 (2) まともな体系的な学問を潰して学際的研究,産業界奉仕型研究を優遇するだけに飽き足らず,趣味人までも養成するという稚拙な知事の発想(「本当の教養を持った、趣味性もある教養人が出てくる学科」を作ると言っているのだから, 「都市教養」は本当の教養ではなかったことを認めたようです)。 (3) 首都大学東京に作られる「石原がうるさく言って作った学科」「まだ構想がうまく浮かんでこないが『文化学科』のような学科」が,=「東京都の教育体制を支える文化」,=「新しい歴史教科書を作る会の意向を反映した文化」だとすると事態は深刻(「江戸・東京の文化」というと,東京都の大学だから当然と思うかもしれないが,この裏には「日本万歳」,「外国の言語文化軽視」の臭いがぷんぷんする)。この「文化学科」(コースではない!)が出来上がることで,石原教育統制システムの最終段階が完了する。